三国山稜(2回目)

2002年の登り納めは、ブナの森をスノーハイクと決めて、三国山稜を再び訪れることにしました。

小雪が舞い続けるブナの森を行きます。小枝に雪を纏った姿は、さながらモノトーンの芸術空間でした。

雪のブナの森は、モノトーンの芸術空間

@期間 2002/12/30(日帰り)
A同行者 なし
Bアプローチ 行き:富士急行線・富士吉田駅より、バスで篭坂峠へ

帰り:平野より、バスで富士吉田駅へ

Cルート 籠坂峠[1115m]−アザミ平[1290m]−大洞山[1384m]−楢木山[1354m]−三国山[1320m]−三国峠[1160m]−鉄砲木ノ頭[1291m]−切通峠[1040m]−平野[980m]
(※各地点の標高は、地図に表記されている以外は、読み取った値を記しています)

最高点:大洞山頂・標高1384m,難易度:☆☆★★★

D天候 曇のち晴
E所要時間 約5時間30分(歩行+休憩時間)
Fポイント ・この冬は、12月の上旬から関東地方に雪や冷たい雨が何度か降っています。そこそこ標高の高いところには雪が豊富にあるだろうと踏んでいました。11月の頭に歩いた三国山稜が印象的だったので、冬の佇まいを味わおうと考えました。

・早朝に家を出て鈍行列車を乗り継いで、大月駅から富士急に乗ります。桂川が刻む谷間の風景はいつ見ても素晴らしく、ゆっくり走る列車もいささかの退屈も感じさせません。雪はどんどん増えてきます。富士吉田に着く頃には、雪国のような風景となっていました。

・山中湖畔をバスが行きます。年末の観光地は閑散としていました。しかし、予想を裏切ったのが、天候。いつしか雲に覆われて、篭坂峠でバスを下りたときには、小雪が舞っていました。気温は−2℃で、如何にも寒々しい。下車したのは私一人でした。

・すぐに自然林のハイキングコースとなります。雪は30cm程度の深さで、地面は全く見えません。トレースはしっかりと着いていました。所々、低木が倒伏して道を塞いでいました。

・緩やかな登りが続きます。病み上がりの身体で、体力、心肺機能の低下を実感します。焦っても仕方ないので淡々と歩きます。このあたり、スコリアが崩れやすい道だったので、却って雪があるほうが歩き易い気がしました。

・アザミ平で、立山への道を分けます。足跡が見られましたが、ラッセルはされていませんでした。そのまま大洞山へと向かいます。

・ブナの林相が見事になってきました。小雪が舞い続けて、小枝にビッシリと着雪していて、霧氷のようでした。幻想的な光景の中を歩き続けました。所々にウサギなどの小動物の足跡が見られました。

・大洞山を過ぎると、小枝への着雪は目立たなくなってきました。しかし、ブナ林はここからが本番。大きさと密度を増したブナ林が続きます。豊富な雪の中に生えるその姿は、月山などの雪国のブナ林を連想させるに十分でした。

・つぼ足で歩き続けます。天候は相変わらず曇。幻想的なモノトーンの世界が続きました。三国山まで来たとき、木の間越しに鉄砲木ノ頭を確認します。雲が切れてきていることがわかりました。三国山で簡単な昼食を摂ってから、三国峠へ向けて下り始めました。かなりの急坂のイメージがありましたがアイスバーンはほとんどなく、アイゼンを着ける必要はありませんでした。

・凍結した車道を渡って鉄砲木ノ頭へ登り返します。見上げる先に青空がありました。鉄砲木ノ頭に到着したとき、初めて人に会いました。おそらく、パノラマ台から来たと思われる学生のグループで、ハイカーではありませんでした。ここで終えるのも勿体無いと、すぐに切通峠へと歩を進めることにしました。

・陽射しが戻ってきました。自然林が続く中を、徐々に高度を下げてきて、積雪が減ってくるのがわかりました。切通峠まで下りてくると、木漏れ日が暖かく身体を包みました。一休みして、平野へと下ります。

・すぐに平坦な場所に下りて車道を歩くようになります。陽がさんさんと降り注いで、暖かい雰囲気。歩いてきたばかりの稜線を見上げながら、畑やテニスコートの中の車道を行くと、平野のバス停に到着しました。年末のせいか、閑散としています。結局、道中で出会ったハイカーは一人もいませんでした。

G総括 前回の三国山稜山行でこの山域の魅力に触れて、再び歩く日は遠くないと思っていました。雪が積もった中を歩いてみたいと思うようになっていました。これほど早く実現するとは思いませんでした。ブナの森はやはり素晴らしい雰囲気で、大満足の山行となりました。

・序盤の低木の倒伏を除けば、非常に歩き易いコースでした。雪山初心者でも安全なコースだと思います。但し、自分もそうでしたが、無雪期に歩いたことから安心感を持てたのかもしれません。

・アップダウンが少なく、バックカントリースキー(XCスキー)にも適していると思いました。

H気付事項 ・篭坂峠から少し歩いたところにある公園墓地のトイレは、冬季は閉鎖されている模様です。

・鉄砲木ノ頭から切通峠へと行く道は、指導標もないためやや判りにくい。鉄砲木ノ頭の広い山頂で山中湖を向いた場合、右後方の笹藪の中に細い踏み跡があります。また、切通峠へ下る道の途中でも一部不明瞭な箇所があります。小刻みに方角も変わるので、地図とコンパスで現在地をチェックすることも必要です。(とはいえ、冷静に歩いていれば問題ない程度ですが)

霧に包まれた広い稜線を行けば、ブナの大木の脇を通ります。

ブナの大木を振り返る

楢木山付近はブナの密度が濃く、鬱蒼とした雰囲気です。

深いブナの森を緩く登る

振り返ると、黒々としたブナ木立の中で、指導標が見送っているようでした。

三国山を後に下りはじめる

この辺りまで来れば、積雪も少なくなってきました。

陽射しの戻ってきた切通峠にて

 


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