三国山稜

山中湖の南岸沿いに自然林豊かな稜線が展開しているという・・・ブナの黄葉をさがしに出掛けることにしました。

三国山に着けば陽射しが戻ってきました。光が当たり、ブナの葉が黄金色に輝きました。

晩秋・生命の輝き

@期間 2002/11/02(日帰り)
A同行者 なし
Bアプローチ 行き:富士急行・富士吉田駅よりバスで籠坂峠へ

帰り:東電寮入口よりバスで富士吉田駅まで

Cルート 籠坂峠[1115m]−アザミ平[1290m]−立山[1309m]−アザミ平[1290m]−大洞山[1384m]−楢木山[1354m]−三国山[1320m]−三国峠[1160m]−鉄砲木ノ頭[1291m]−東電寮入口バス停[990m]
(※各地点の標高は、地図に表記されている以外は、読み取った値を記しています)

最高点:大洞山頂・標高1384m,難易度:☆☆★★★

D天候 晴ときどき曇
E所要時間 約6時間(歩行+休憩時間)
Fポイント ・富士吉田駅に着けば、冠雪した富士山が出迎えてくれました。雲が湧く前にとホームで写真を撮ってから改札を出ます。

・バスは紅葉が見頃となった山中湖畔を半周ほどして籠坂峠に向かいます。バスを降りるとひんやりとした空気に包まれました。国道の温度計が5℃を指していました。

・公園墓地を抜ければ登山道が始まります。すぐに自然林が展開します。ブナも早速現われて、黄葉を光らせていました。

・アザミ平への道はちょっとした急登です。足元にはスコリア(火山砂礫)が堆積していて、ストックを突くと砂糖菓子のように崩れます。登山道は所々で樋のようにえぐれています。ストックをしまって再び歩きます。

・傾斜が緩くなって水平な道を行くようになると、アザミ平に着きました。分岐をスイッチバックするように行くと、畑尾山に登りつきます。見事なブナ林が広がっています。更に行くと立山(角取山)に着きました。ここにも見事なブナ林がありました。しばらく写真を撮ったりして休んでいました。しかし、この頃から日の翳る時間が長くなってきました。樹間から富士山の方角を見ると、どうやら雲に隠れている様子です。

・アザミ平に引き返します。途中で、足元にトリカブトの花を見つけました。この時期に咲いているなんて意外です。花の周りは赤い落ち葉に敷き詰められていました。

・アザミ平から再び稜線を行きます。曇り空です。カヤトから低木帯を行きます。このあたりでは背の低いブナが葉を落としていました。

・徐々に黄葉をつけたブナの高木が増えてきました。やがて大洞山の山頂に達しました。ここで昼食とします。風は少し冷たく、時折思い出したように薄日が射してきました。

・長い時間、休憩をとっていましたが、ようやく歩き始めます。楢木山までは背の高いブナが多く、黄葉のトンネルが続きます。残念なのは、陽射しがすっかり翳ってしまったことです。しかし、清々しさはかわりません。アップダウンの少ない遊歩道のような道が続きます。ハイカーは思ったよりも少なく、静かでした。

・一旦疎林となります。ズナ坂峠を過ぎると再びブナの背が高くなり、三国山に着けば、辺り一帯は見事なブナ林でした。

・腰を下ろしていると陽射しが戻ってきました。ブナの黄葉が見事に輝きます。黄金色に光を放っていました。壮観でした。木の間からは南西方向が開けて、愛鷹連峰が望めました。富士の裾野に浮かぶ島のようでした。

・三国山を後にすると、三国峠へ向かって急な下り坂となります。なおも続くブナの黄葉のトンネルをひたすら下りて、ぽっかりと樹林が途切れたところが三国峠でした。

・道路を渡ったところに登り口があり、鉄砲木ノ頭へと登り返します。打って変わって、カヤトの斜面になりました。この登り返しがきつい・・・足元のスコリアが緩くて踏ん張りが効きません。本日いちばんの急登でした。

・鉄砲木ノ頭に立つのは2回目。残念ながら太陽は再び雲の中です。振り返った三国山稜は紅葉が燃えるようでしたが、晴れたら逆光線に映える姿を見ることができたのですが・・・バスの時刻を考えたらあまりゆっくりとしてられませんでした。思いを断ち切るように、眼下のパノラマ台へ向けて下り始めます。

・一面のススキの原を下っていると、陽射しが戻ってきました。ススキの穂が輝きだし、目の前には雲間から富士山が頂をのぞかせていました。眼下には山中湖が輝いています。少しの間、足を止めて写真を撮ったりしました。フィルムが終ってしまったので、未練を断ち切るように駆け足で再び下り始めました。

・パノラマ台を過ぎて車道を越えると、三国山稜の下部に広がる樹林帯を行きます。ここもまた自然林。好ましい雰囲気が続き、やがて湖畔の道路に出ました。バス停はすぐそこ。着いて数分でバスがやってきました。

G総括 ・これほどのブナがほぼ純林に近い形で展開していることに驚きを覚えました。素晴らしいブナ林が黄色に染まっていました。コースのすべてが自然林で、清々しさを満喫することができました。

・願わくば、全行程に渡って快晴であればというところでした。陽光が降り注ぐと、ブナ林の輝きが違いました。黄金色に包まれた径路が続いたに違いありませんが・・・ま、そこまで言ってしまうのは贅沢ですね。

・登り返した鉄砲木ノ頭は見事な展望です。今回が2度目でしたが、やはり富士は満足には見えなかった。しかし、樹林帯を歩いた後にこの展望は印象深いものがありました。

・全般にアップダウンが少なく、初心者でも十分に楽しめるコースですね。今度は新緑の時期に訪れたいと思いました。と同時に、積雪時のスノートレッキングも安全だと思いました。何よりも、全区間が自然林というところが最大の特長です。本当に何度も何度も訪れたいコースで、印象深い山行となりました。

H気付事項 ・籠坂峠から登山道を少し行けば、公園墓地に出ます。トイレはここにあります。

・全般的に崩れやすいスコリアに覆われています。これは宝永の大噴火で堆積したものに違いありません。江戸でも8cmの火山灰に覆われたとかで凄まじさがわかろうというもの。堆積しているスコリアの厚さはどの程度でしょうか?倒木が多いのも、地盤の弱さと関連ありそうです。

・ブナは大木も目立ちましたが、栗駒山で見たような巨木とまではいきませんでした。噴火から約300年経ちますが、おそらく噴火後に再生した樹林帯に違いありません。

晩秋の富士(富士吉田駅より)

立山のブナ林

ブナの葉を透かして見ると・・・

落ち葉の中に咲くトリカブト

ブナ林が続く稜線を行く

三国山に着けば陽射しが戻ってきた

愛鷹連峰を遠望する

雲間から射し込む光にススキ輝く
(鉄砲木ノ頭・パノラマ台付近)

 

アルバム:晩秋の三国山稜・ブナの黄葉トンネルを行く

 


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