朝日連峰縦走 | |
第3日(8/14) | |
ルート | 大朝日小屋−西朝日岳−竜門山−寒江山−狐穴小屋−以東岳(以東小屋泊り) |
天候 | 晴ときどき曇 |
所要時間 | 歩行時間約6時間半,休憩時間約2時間半 |
ポイント | ・避難小屋の朝は早い。昨夜は,2階の上段のベッドに寝ましたが,熱気が上がってきて暑かったので,途中からシュラフを敷布団にして寝ていました。余り眠った気がしなかったけど,それなりには睡眠をとれたようです。 ・ともかく大朝日岳の頂上を目指します。相変わらずガスが流れていました。時折,下の方のガスが切れて,荒川源流の深い谷を見ることができました。太陽は,少し上がった状態で姿をみせました。黄金色の光に山頂が包まれました。 ・小屋に戻って朝食を食べてから出発です。目の前には中岳が聳え,そこから先の縦走路を隠しています。6時過ぎ,長丁場の稜線歩きの安全と天候の回復を祈りながら,歩き始めました。 ・中岳までの鞍部に”金玉水(きんぎょくすい)”の水場があります。銀玉水と同様,冷たくて美味しい水でした。近くには雪田も広がり,ヨツバシオガマやキンコウカが咲いていました。チングルマは既に花穂の状態でした。 ・中岳(1802m)を越えれば,鞍部へ向けて一気に100mほど下ります。この100mほどのアップダウンが今後頻繁に続くことになります。所々,花崗岩がマサ化していて,重い荷物と相俟って,足の運びは順調には行きません。 ・晴れたと思っても長続きせず,頻繁にガスが絡みます。遠望は利きません。風は南西方向でやや強め。湿気も感じられます。昨夕の気象通報では,秋田付近を前線が横切っていたので,この影響でしょう。 ・展望は利かなくても,足元のお花畑は続き,目を楽しませてくれます。西朝日岳(1814m),竜門山(1688m)とアップダウンを繰り返しながらも,色鮮やかな花々を目にすることでエネルギーをもらっていたのかもしれません。 ・竜門小屋で少し長めの休みをとります。小屋前の水場で再び補給。やはり消費量が多いか・・・しかし,相当量の汗が流れているので,補給はしっかりとることにしています。休んでいると,数人のパーティーがやってきて, ・再び歩き出し,お花畑の中を行きます。ハクサンシャジン,ハクサンフウロ,ハクサンイチゲと,”ハクサン”ものが群落を作って広がっています。マツムシソウはこのあたりでは盛りを過ぎてイガグリ頭が多く見られました。 ・やがて,寒江山(1695m)への登り返し。ザックが肩に食い込みます。3つのピークからなるこの山は,小刻みなアップダウンが応えました。とうとう,北寒江山で昼食とすることに。予定ではその先の狐穴小屋まで行ってからと思いましたが・・・ ・「えらい店広げてまんね」関西の夫婦にそう声を掛けられて,苦笑。天気予報のためにつけたラジオからは,高校野球が。郷土の高校が出ていました。50分ほどの大休止となりました。 ・再び歩き出し,裸地化した登山道を辿って,狐穴小屋に着きました。ここで,行く手にかかっていた雲が切れ始めて,以東岳がその雄姿を初めて現しました。小ピークを連ねる頂きと縦方向に幾筋も刻まれた山襞が,盟主の貫禄を与えていました。 ・狐穴小屋周辺は,湿原状のウェットな感じ。イワイチョウが咲いていました。足元には驚いたカエルが飛び出してきました。中先峰を越えた鞍部を過ぎればいよいよ標高差300mの登りが始まります。以東岳はいよいよ間近に,覆い被さるように迫ってきました。 ・以東岳への登りに差し掛かると,あたりにはオオバギボウシが揺れていました。更に登ると,広い斜面に点々と黄色い花が見られるように。トウゲブキでした。行く先の緑の斜面にも鮮やかな黄色が点々としていて,長い登りに力を与えてくれるようでした。 ・一歩一歩,呼吸でリズムを取りながら登って行くと,やがて”松虫岩”。そこから北へ向きを変えて最後の登りです。15時過ぎ,ついに以東岳(1771m)の頂に立ちました。 ・少し下ったところにある以東小屋に荷物を置いて,ビールを買って乾杯。この日の宿泊者は結局8人でした。16時の気象通報を聞けば,日本付近にかかっていた前線が消滅していました。外を見ると,ガスが下へと降りていき,上空が晴れ渡っていました。 ・再び山頂に立つと,稜線から雲が払われて,ついに,ついに,大朝日岳の尖峰まで姿を見せてくれました。あそこから歩いてきたのか・・・長かった,遠かった・・・暫し,主稜線を歩き通した感慨に浸っていました。 ・眼下には,熊の皮を広げたような大鳥池が広がっていました。そして,西の空を見やれば雲海の向こうに太陽が沈んで行きました。 |
金玉水からの大朝日岳と大朝日小屋 |
金玉水付近で咲くキンコウカ |
ヤマハハコ |
竜門山から寒江山へと続く稜線 |
ミヤマクルマバナ |
ハクサンシャジン |
ガスの切れ間に雄姿を見せた以東岳 |
オオバギボウシ |
トウゲブキ |
夕刻になって姿を現した大朝日岳 |
以東岳山頂からの落日 |
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