朝日連峰縦走
97年秋,月山中腹の弓張平からその姿を初めて見ました。喩えようのない美しさで迫ってきました。いつの日かあの頂きを結んで歩きたい・・・そして機は熟しました。


夜明けの連峰(以東岳山頂より;左奥の尖峰が大朝日岳)

期間 8/12-15(3泊4日)
同行者 なし
アプローチ 行き:JR山形新幹線・山形駅よりJR左沢(あてらざわ)線・左沢駅を経て,朝日町営登山バスで朝日鉱泉へ

帰り:泡滝ダムよりあさひ交通バスで大鳥へ,大鳥より庄内交通バスで鶴岡へ

全体行程 朝日鉱泉−大朝日岳−以東岳−大鳥池−泡滝ダム(難易度:☆☆☆☆★)

 

第1,2日(8/12,13)
ルート 8/12:JR左沢駅−朝日鉱泉(朝日鉱泉ナチュラリストの家泊まり)
8/13:朝日鉱泉−鳥原山−小朝日岳−大朝日岳(大朝日小屋泊まり)
天候 8/12:雨
8/13:曇ときどき雨,午後は曇ときどき晴
所要時間 8/13:歩行時間約6時間半,休憩時間約2時間45分
ポイント ・太平洋高気圧が一時的に弱まって,前線が南下していました。山形は雨が断続的に降り続き,西方に目をやれば朝日連峰は分厚い雲の中です。なんとも先行き不安な始まりでした。

・JR左沢線,代行バス(羽前長崎−左沢間)と乗り継いで,左沢から朝日町営の会員制登山バスに乗りこみました。会員制といっても,その場で乗り込むことができます。乗客は5人でした。

・最上川沿いに走れば徐々に山深くなってきました。朝日町の中心地,宮宿を過ぎて支流の朝日川沿いを行きます。クリスマスツリーのような杉が斜面を覆っていますが,いつ頃から枝打ちされなくなっているのか・・・都会人的な感傷をおぼえてきます。

・最後の集落を過ぎればダートの林道に。深い谷沿いの道が続きます。時折大きく揺れるマイクロバス。谷底に落ちたら命はありません。木川ダムを過ぎ,白滝登山口を過ぎて,ようやく今日の宿「朝日鉱泉ナチュラリストの家」につきました。

・雨はシトシトと降り続いていました。朝日川に架かる吊橋まで散歩に行ったり,お風呂に入ったり,同宿の登山客と談笑したりしながら夕食を待ちました。やがて夕食。管理人の西澤信雄さんが言いました。
「7時半から1時間,灯りを消して下さい。羽蟻の大群がやって来るので・・・」
時間までわかるの?と誰かが言いました。自然を知り尽くしている人は違うな,と驚いたものでした。結局,その消灯で寝入ってしまいました。

・翌朝,雨は上がっていましたが,やはり曇り。見上げれば大朝日岳が見えるはずの朝日川の谷筋も,低い雲に埋め尽くされていました。

・6時過ぎに出発します。吊橋を渡って沢沿いの道を少し行けば,やがて斜面に取り付き,急登が始まりました。足元は花崗岩の風化した”マサ”という大粒の砂。所々にぬかるみもあって,70Lのザックを背負った身体が重力を一杯に感じます。時々降る雨の中,じっと我慢の登りが続きました。

・一旦稜線に出てしばらく歩けば,金山沢。一息入れて,再び歩き出せば登りが続きます。色白のブナの太い幹が目立ちました。根元が曲がっているのが豪雪地帯の証です。一歩々々,着実に足を運んで,ようやく鳥原山の湿原までやってきました。

・湿原からひと登りで鳥原山。ここで昼食をとりました。行く手に見える大朝日岳は上半分が雲をかぶっていました。しかし,上空は雲が切れ始め,薄日が差すようになりました。

・一旦下ったあとの小朝日岳までの登りのつらかったこと。まさに胸突き八丁でした。そのとき,朝日鉱泉で相部屋になった2人組が下りてきました。日帰りで大朝日岳を周回する人たちでした。同じペースで相前後するパーティーも2組ありました。きついのは誰も同じ。無言のうちにお互いに励ましあっているようでした。

・小朝日岳に着きました。行く手に大朝日岳が”Y字雪渓”を見せていました。ようやくここまで来たとの思いでした。

・小朝日岳から150mほど下った”熊越”の鞍部を過ぎると,いよいよ登りのラストステージ。大朝日岳がどんどん迫ってきます。そして稜線には目立って花が増えてきました。晩夏の花,タカネマツムシソウを初めて目にしました。

・”銀玉水”の水場を過ぎると,ニッコウキスゲも登場しました。そのほか,今まで北アルプスなどで何度もみたことのある花々が次から次へと出てきます。中には初めて目にする花もありました。一面のお花畑に後押しされて,最早苦しみもなく,一歩々々登って行きました。こうして宿泊場所の大朝日小屋に着きました。

・夕食を作って食べた後,大朝日岳の山頂に登りました。積まれたケルンの中からオコジョが顔を出しました。ガスが頻繁に流れ,日没を見ずに小屋に戻りました。

 

朝日川に架かる吊橋(朝日鉱泉)

Y字雪渓抱く大朝日岳が迫る

ハクサンフウロ

シロバナクモマニガナ

ミヤマコゴメグサ(マルバコゴメグサ?)

ミヤマアキノキリンソウ

トモエシオガマ

大朝日岳山頂でみたオコジョ

第3日に続く


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