尾瀬(5回目)
大江湿原を染め抜くニッコウキスゲの大群落をこの目で・・・6年越しの夢が実現することになりました。燧の頂に再び立つこともいつの日か,と思っていました。
@期間 7/2930(山中1泊2日)
A同行者 なし
Bアプローチ 行き:上越新幹線・上毛高原駅よりバスで大清水へ

帰り:御池よりバスで野岩鉄道・会津高原駅へ

Cルート 第1日:大清水−三平峠−長蔵小屋(泊)

第2日:長蔵小屋−(長英新道)−燧ヶ岳(俎ー)−熊沢田代−御池

(最高点:燧ヶ岳(俎ー)・標高2346m,難易度:☆☆☆★★)

D天候 第1日:晴

第2日:晴

E所要時間 第1日:歩行時間約2時間15分,休憩時間約45分

第2日:歩行時間約4時間45分,休憩時間約1時間半

Fポイント ・大清水から歩き始め一ノ瀬を過ぎれば登山道です。下ってくる人は多いけど,登る人は少ないです。

・鬱蒼とした林にオオシラビソなどの針葉樹が交じるようになれば,三平峠が近いです。

・峠を越えて少し歩けば木の間から尾瀬沼が見えます。そして,岸辺から奥に続く湿原が黄色く染まっている様子がはっきりと見えました。息を飲むほどでした。期待は高まる一方です。

・三平下で尾瀬沼に出て,そこから長蔵小屋まで湖岸を歩きます。点在する小湿原にもニッコウキスゲが咲いていました。小屋に着いて荷物を置いてから,目指す方角へ歩き出します。いよいよです。

・突然,目の前が開けました。湿原は見渡す限り,ニッコウキスゲにより染まっていました。それが波のように揺れていました。とにかく,壮観の一言です。

・大江湿原を隅まで歩き,そして戻って来ました。5年前の尾瀬では,原一面に広がるニッコウキスゲを見ましたが,その数といい,密度といい,桁違いでした。まさに大群落でした。

・夕食が終わってから,沼のほとりにたたずんで日が沈んでいくのを眺めていました。燧ヶ岳には雲がかかり,だんだん低く垂れ込めてきました。

・目が覚めると朝の5時。10時間近く寝ていました。天気は快晴で,夕方雲を被っていた燧ヶ岳もちゃんと姿を見せていました。

・ニッコウキスゲが咲き乱れる大江湿原に別れの挨拶。なかなか去り難い気分ですが,どうしても行きたい場所へと足は向くのでした。

・燧ヶ岳の登山道(長英新道)は,鬱蒼とした樹林帯から始まりました。幹の太いオオシラビソが荘厳ささえ漂わせる中,耳にするのは風の音とウグイスのさえずりだけでした。

・林の床を見れば,ゴゼンタチバナが咲き乱れています。ギンリョウソウも初めて見ました。ウェットな雰囲気がいっぱいでした。

・それまでほとんど傾斜のない道が続いていましたが,やがて道は確実に登るようになってきました。木の丈が低くなると今度は道の両側が笹で覆われてきました。風が通らず,太陽が照りつけるとかなり暑くなってきました。途中からは学校登山の団体と抜きつ抜かれつの状態でした。

・何ヶ所かの展望地を過ぎ,小湿原が現れると,ミノブチ岳はすぐそこでした。尾瀬沼が光を反射し,その向こうには日光連山が見渡せました。

・ミノブチ岳を過ぎれば急登もほどなく俎ー山頂(2346m)に着きました。風がやや強く,関東方面から雲が流れています。日光連山,越後の山々,至仏山には次々と雲がかかるのですが,ここ燧ヶ岳は快晴で別天地でした。

・北に目をやれば会津駒ヶ岳を起こした稜線が間近に見えます。その奥には,残雪を目立たせた飯豊連峰が聳え,その東側には吾妻連峰の平らな稜線が見てとれました。

・意を決して,御池に向けてスタートを切ります。少し下ったガレ場からは熊沢田代が見渡せました。やがて迎えた雪渓の下り坂。次々に登ってくる登山者を除けながら,慎重なステップを切り,無事に通過しました。

・熊沢田代で昼食。見上げる燧ヶ岳の山容が優しげでした。木道を挟んで2つの池塘が東西に並び,東側には帝釈・田代山と那須連峰が,西側には平ヶ岳と越後三山(八海山は平ヶ岳の陰)がそれぞれ見渡せました。(山座同定ができるようになったのが5年前からの進歩?)

・熊沢田代では,ワタスゲ,キンコウカ,タテヤマリンドウが目立ちました。トキソウも稀に見られました。広沢田代で一休みしたとき,ふと見るとモウセンゴケがうじゃうじゃと生えていました。

・熊沢田代からの下りは急坂とぬかるみが続き,覚悟してたけど相当に応えました。広沢田代から下の岩ゴロゴロの急坂は,よくもこんなところを登ったんだなあ,と思い出さずにはいられませんでした。

・ようやく御池に下りてきました。やっぱり燧は登り応えがありました。30分くらい経ったところで学校登山の連中も下りてきました。途中でバテてた生徒も無事に下りて来ていたので,なんとなく嬉しい気分。

G総括 ・これだけの数のニッコウキスゲを目にすることができて,「生きててよかった」と正直思いました。一生忘れないに違いありません。本当に幸せです。

・近年は,尾瀬にもシカが入り込んでいるとか。これだけ咲き誇っている群落がいつまでも後世に伝わり続けることを祈る気持ちです。

・燧ヶ岳は長英新道も含めて,相変わらずのぬかるみ道です。しかし,頂上に立ったときの喜びはそれをはるかに上回るものがありました。

・華やかでいながら,決して媚びることのない尾瀬の風景。いつ見ても,どこから見ても飽きることがありません。5回中,4回が単独行ですが,この風景を見ながら一人思索を巡らすのもまた楽しいのです。(よく見れば,単独行の男性が結構多いことに気付きます。)

・これで,尾瀬で踏んでいない主要な場所は,アヤメ平を残すのみ。きっといつの日か訪れることでしょう。そうでなくても,これからも訪れ続けるに違いありません。今,流行りの”癒し系”の登山,なんて言い方は失礼でしょうね。

・今回はコンロも持たずに軽量化を図ったのですが,それでも結構疲れました。やはり体力の低下なのだろうか?今年は回数こそ多いものの,標高差1000m以上を登る本格的な山登りが少ないせいかもしれません。

H気付事項 7月20日の「海の日」前後の休日は,山小屋がツアーで占められてしまうため,予約は厳しいようです。その次の週末がねらい目でしょう。長蔵小屋は当日も予約を受付けていたほどです。(見晴の方の状況は不明)

・長蔵小屋から長英新道を経て燧ヶ岳へ向かう場合,まず沼尻・見晴方面に進路を取ります。指導標には「燧ヶ岳」の文字がありません。

・風が吹かない湿気の多い道では,アブによく絡まれました。あの大きくて羽音が低いやつは,スズメバチだと思っていたけど実は大半がアブです。スズメバチは怒らすと襲ってきますが,アブは最初から人間の汗を感じて襲ってくるのです。早めに追っ払った方がいいかも。足場の悪いところでは事故につながりかねません。

・燧ヶ岳から熊沢田代へ下る途中の雪渓は,年によって規模が違うようですが,7月中はほぼ間違いなくあります。今回は長さ約150mありました。下る場合には一旦雪渓が途切れたら,いつでも左へ曲がれるように心の準備をすべきです。(曲がる地点のすぐ下にも雪渓があったので,年によっては連続しているかも)
以上は,7月下旬に通過する場合に参考にして下さい。

・バスで会津高原駅へ向かう場合の耳寄り情報。会津高原駅の一つ手前「袋口」バス停で下りれば,「夢ノ湯」という温泉で一風呂浴びることができます。高原駅まで徒歩5分。30分以上接続に余裕がある場合にお勧めです。

 

尾瀬沼と黄色く染まる大江湿原(三平峠付近)

大江湿原のニッコウキスゲ群落@

大江湿原のニッコウキスゲ群落A

大江湿原のニッコウキスゲ群落B

夕刻,尾瀬沼のほとりにて燧を仰ぐ

湿原に咲くノアザミ

長英新道上部より望む尾瀬沼と日光白根

熊沢田代より望む平ヶ岳と中ノ岳に越後駒

 

 


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