木曽駒ヶ岳,宝剣岳
千畳敷カールのお花畑に,稜線からの大展望。特に,間近に堂々と根を張る木曽御岳の勇姿に憧れを持ち続けていました。
@期間 7/22〜23(山中1泊2日)
A同行者 K君
Bアプローチ 中央道・駒ヶ根I.C.より駒ヶ根高原の駐車場まで車使用。バスでしらび平まで登り,しらび平〜千畳敷はロープウェイ
※パーク&ライド方式により,しらび平までの車乗り入れ不可。
Cルート 第1日:千畳敷駅−(カール)−乗越浄土−宝剣山荘−中岳−頂上山荘キャンプ場

第2日:キャンプ場−駒ヶ岳往復,キャンプ場−中岳−宝剣山荘−宝剣岳−極楽平−千畳敷駅

(最高点:駒ヶ岳山頂・標高2956m,難易度:☆☆☆★★)

D天候 第1日:曇,稜線上で強風を伴った濃霧

第2日:朝のうち霧のち晴

E所要時間 第1日:約2時間(歩行+休憩時間)

第2日:駒ヶ岳往復約2時間(歩行+休憩時間),キャンプ場から千畳敷駅約2時間半(歩行約2時間,休憩約30分)

Fポイント ・初日,ロープウェイ待ちがなんと3時間半!整理券を配っていたのが救いでした。ずっと立って並んでいるなんてできないから。

・高速下りたところでは晴れていたのに,山は雲が被っていました。しらび平でロープウェイを待つ間,寝ころがって空を見上げていたら,雲がものすごい速さで流れて行きます。稜線に出てからのことが心配になりました。

・ようやくロープウェイに乗って,文字どおり「あっという間に」千畳敷へ。そこは,やはり霧の中でした。

・看板のコバイケイソウは・・・葉っぱしかありません。何年に1度咲くんだっけ?毎年咲いているかのような宣伝は如何なものか。

・とはいえ,カールの中は一面のお花畑。咲いていた花は・・・
チングルマ/シナノキンバイ/ミヤマキンポウゲ/ナナカマド/クモマスミレ(キバナノコマノツメ?)/コイワカガミ/ミヤマシオガマ/ハクサンイチゲ/イワツメクサ・・・

・乗越浄土へ向けてはよじ登るような急登。時折ガスに覆われながらも,ロープウェイの放送がカールにこだましてました。

・乗越浄土で稜線に出ました。その瞬間,強風と濃密なガスが襲ってきました。強い西風です。これは3年前の八ヶ岳を思い出さずにいられないほど,そっくりな状況でした。メガネもあっという間に細かい水滴で曇っていきます。天狗荘の風下側で雨天の装備を整えました。

・中岳を越えて頂上山荘キャンプ場に辿り着きました。思ったよりコースが真っ直ぐで,明瞭であったことが幸いでした。同行者がいるいないでも大違いでした。

・キャンプ場は稜線の風下側。ここにテントを張りました。多少は風が緩和されていたのは事実でしょう。それでも夜中の強風でテントは揺れ続けていました。

・翌朝,相変わらず風が吹き続けていました。一面の濃霧です。これだとせいぜい木曽駒の頂上を踏む程度と観念しました。朝食を終えてテントを片付け始めた頃,雲が薄くなるのを感じました。

・間もなく,雲が払われて駒ヶ岳の花崗岩に覆われた山容が姿を見せました。感動的な展開です。東側を見ると,甲斐駒のシルエットが浮かんでいます。俄然,期待にワクワクしてきます。

・短いけど急な斜面を息を切らして登っていき,15分ほどで頂上に着きました。真っ先に目が行ったのは西の方角でした。静かで,雄大に根を張った木曽御岳が目に飛び込んできました。

・南に目を転ずれば,雲が流れる稜線と,その向こうに聳える空木岳が印象的でした。

・東の方角は,南アルプスが雲が払われようとしていました。甲斐駒のピラミダルな山容が精悍でとにかく印象的です。そして仙丈,白峰三山が続き,その隣にやがて富士山が現れました。塩見,荒川,赤石,聖と続くシルエットも壮観でした。

・北アルプスには雲が纏わりついていました。乗鞍は多少見えましたが,穂高は部分的で,槍は見えませんでした。八ヶ岳,奥秩父方面は快晴で見渡せました。

・こうして一通り四方を見たところで,煙草を置き忘れたK君は,さっさと下りていってしまいました。こんないい景色なのに,理解できないな〜。

・撮影に夢中になってふと見ると,テン場で寝ころがっているK君発見。写真を撮ろうかと思ったけど200mmだし,フィルムが勿体ないのでやめました。結局,1時間半も頂上にいました。

・ようやくテン場に戻り荷物を背負って,宝剣岳へ向けて歩き出しました。中岳を越えて宝剣山荘を後にすれば,花崗岩が累々と積み重なった宝剣岳の山体に取り付きます。

・木曽側に切れ落ちる岩場を鎖伝いに行けば,ようやく宝剣岳の頂上につきます。てっぺんの岩には恐くて立てません。既に膝が笑いかけているし。あそこに立つのはお馬鹿さんしかいないでしょう。

・宝剣の山頂から見下ろす千畳敷は,真下といってもいいほど。歩く人たちは蟻の行列みたい。「おーい!」と声を出せば振り向きそうでした。な〜んて,本当は恐くてガタガタ震えて見下ろしていたのでした。

・山頂を後に極楽平に下ります。実はこちらの方が恐い。70リットルのザックを背負っているので不安定で思わず岩にしがみついてしまいます。足の置き場がなかなか見つからない箇所もあったりして,足を滑らせたら落ちていってしまいそうでした。

・鎖場の小刻みなアップダウンを経て,ようやく極楽平へ。名前通りで,ようやく解放された気分に浸ることができました。伊那側を見れば,南アルプス連峰がますます雄大です。今や完全に晴れ渡って,富士山もはっきりと見えていました。

・ここから千畳敷への下りは,思ったほどではありませんでした。初日は見えなかった宝剣岳がまさに剣の形をして覆い被さるように聳えていました。急に暑苦しく感じるようになったのは観光客の雑踏のせいか・・・

・しらび平へ下るロープウェイの中で,すこしばかり気だるい気分に。やはり樹林帯を登り切った先に楽園が待ち構えているのが本来の山登りなのかな?気がつくと,次の山行の候補を探し始めている自分がいました。

G総括 ・初日の天候だとどうなることかと思いましたが,2日目に晴れ渡り,最高の展望が楽しめました。特に,木曽御岳と南アルプスの雄大な峰々が印象に残りました。中央アルプスは八ヶ岳と同じく主脈が一気にせり上がっているため,展望は最高です。

・前線が日本海にある影響でしょうか?西風が吹くと天候が必ず悪くなります。97年夏の穂高連峰のときもそうでした。気圧配置には十分に注意する必要があります。

・千畳敷は思ったよりもコンパクトでした。涸沢よりも一回り小さい感じです。その分,見上げる宝剣岳が急角度で,そそり立つという表現がぴったりでした。

・お花畑の雰囲気が花崗岩と相俟って明るく,花の種類も多いようでした。雪渓もそれなりにありました。ただし,黄色系の花が多くて,なんとなく飽きてしまった(^^;

・混雑を避けて久々のテント山行。K君,お疲れさん!今度はどこに登ろうか・・・

H気付事項 ・宝剣山荘から木曽駒までの間は広い稜線でガス時に失いやすいかと思いましたが,ロープが張られているため問題ないです。

・稜線に出てからの水場は,頂上山荘の雪渓のみで,雪渓の大きさからして8月中旬には涸れてしまうかもしれません。カール内の「ホテル千畳敷」で補給するのがいいでしょう。

・登りの駒ヶ岳ロープウェイが3時間待ちと聞いたときは,歩いて登ることを一瞬本気で考えましたが,猛烈な急登であることが判明。下から登るなら,他のコースが静かでオススメに違いない・・・

 

チングルマ

ハクサンイチゲ

木曽御岳(木曽駒ヶ山頂より)

甲斐駒ヶ岳(木曽駒ヶ岳山頂より)

南アルプス越しに富士山(木曽駒ヶ岳山頂より)

お花畑と宝剣岳(千畳敷より)

 


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