船形山(1500m)2014年06月28日(土)、天候:雨

コース:旗坂キャンプ場−鳴清水−三光の宮入口−升沢避難小屋−千畳敷−船形山頂−千畳敷−蛇ヶ岳−三光の宮入口−鳴清水−旗坂キャンプ場

山頂付近に咲くウラジロヨウラク

2年前の秋に途中まで歩いた船形山の升沢コースを歩いた。鬱蒼としたブナの樹林帯、升沢小屋からの沢沿いルート、森林限界を超えたハイマツ帯、雪渓の通過、変化に富んだロングコースを歩き通した。後半は強い雨が降りしきる中、ずぶ濡れになりながらの下山となったが、久々に山歩きの醍醐味を全身で味わった。

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Mackeyは東京に帰っている。膝を痛めているので元より山歩きはできないが、こういう日は少しハードな山行をしようと船形山の再挑戦を思い立つ。午前7時に旗坂キャンプ場に着いたら意外なことに先着の車はなし。ルートの問題があるのかと不安な気持ちにさせられたが、やがて1台、2台と車がやってきた。

晴れ間も残る中出発。すぐにブナ林に入り緩く登って行くが、ややバテ気味。体力が追いついて来ない。思った以上に一杯一杯で、一群平を通過したことは全く気付かず、沢音が聞こえてきて鳴清水まで来たことに気付いた。鬱蒼としたブナ林をガスが辺りを包み始め、雨が降り始めた。時折ザーッと降ってはすぐに止む程度で、雨合羽の上半身だけ着る。カメラをザックにしまい、三光の宮入口は素通りし升沢小屋へ。このあたりイワカガミが点々と咲いていた。

升沢小屋を過ぎるとひたすら沢の中を登って行く。足元は水で洗われた岩がゴロゴロして滑りやすい。上部では一ヶ所雪渓歩きがあり、末端では踏み抜きの可能性に緊張させられた。シラネアオイやショウジョウバカマが咲く姿は、去年の焼石岳のルートを連想させた。沢を抜けて稜線に出てからはガスの中、展望は利かないが、雨は止んでいた。ウラジロヨウラクとハクサンシャクナゲが今を盛りと咲いていた。サラサドウダンは花期を過ぎて、地面に花びらを敷き詰めていた。足元に見られたのはゴゼンタチバナ。久々に愛くるしい姿と再会し、心が和んだ。

山頂に着き、避難小屋の陰で風を避けて昼食をとったらすぐに帰路に着く。蛇ヶ岳へと向かう緩いアップダウンのルートもシャクナゲが咲き続ける。蛇ヶ岳への登りに差し掛かったとき、突然に雨がザーッと降り始めた。すぐに止むかと思っていたらますます雨が強くなる。雨合羽のズボンを身に着けるタイミングを逸してしまい、ズボンから水が浸み込んできた。蛇ヶ岳を過ぎて稜線を左に折れて下ると、雨は容赦なく叩きつける。一人で不安になる中、行く手に雪渓が立ちはだかった。

この雪渓は手強く、踏み跡を参考に右端に沿って歩いたところやがて深い沢に行く手を遮られた。仕切り直しで雪渓の入り口まで戻り、雨の中を升沢小屋へ向かう沢ルートまで引き返そうかと思案していたら、運良く団体さんが下りてきてルートを見失っていることを伝え、お世話になることにした。雪渓のはるか上部を横断したが、雨に濡れた雪渓は下部ほど傾斜が増していて一歩誤れば滑落事故を引き起こし、10m以上の深さがあるさきほど行く手を遮られた沢の底まで止まらないと思われた。軽アイゼンを持ってこなかったことは軽率だった。

雪渓を抜けて草原を行く間も雨は相変わらず強く降り続き、パンツにまで水がしみてきた。樹林帯に入り升沢コースとの合流点に下り立った。三光の宮入口は帰りも素通りして先を急ぐ。雨はブナ林の中も容赦なく降り続く。木々の葉も役に立たないほどの土砂降りだ。しかし、太く堂々としたブナの幹、そして青々とした葉はこの雨の中、生き生きとしていた。もう全身はズブ濡れ、グショグショで、最悪ながらも山登りの濃密な時間を全身で感じながら、下ってきた。結局、雨は最後まで降り通しの中、15kmを超えるロングコースは14時半にようやく終わりを告げた。



前半は深いブナ林を行く



ツルアジサイも見頃を迎えている



ガスが辺りを包み始めた



稜線に咲くハクサンシャクナゲ



ウラジロヨウラクは今が盛り



ミネウスユキソウ



ガスに霞む稜線を行く



ゴゼンタチバナも盛りを迎えている



ピンク色の濃いシャクナゲ



サラサドウダンは散ったばかり

 


前回は三光の宮までのブナ林中心のコースであった。今回は升沢小屋からの沢ルートと、森林限界に出てからの花に彩られたルートを合わせて愉しんだ。船形山は焼石岳のような花のイメージが少ないが、ブナ林上部のイワカガミや沢ルートのシラネアオイやショウジョウバカマ、森林限界に出てからのウラジロヨウラク、ハクサンシャクナゲ、ゴゼンタチバナなど数多くの花を見ることができた。悪天候で展望がなかったのは残念だったが、花の多さは想定以上であった。(雨のためカメラをザックにしまう時間が長かったが・・・)

雪渓歩きで軽アイゼンを持ってなかったのは大失敗だ。雪渓上部を慎重に歩いたが、ちょっとの足運びの誤りで滑落する事態も想定された。自己責任の単独行でこれはない。お世話になった団体さんの中で私一人が滑落したら大いに迷惑だったと思う。雨が強く降る中の山歩きも久しぶりで、おそらくは16年前の平ヶ岳以来のズブ濡れ体験だった。今回の山歩きはそれだけ濃密だったといえる。

今度は山頂から素晴らしい景色を眺めてみたいものだ。

2014.07.04. by TAKASKE

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