立山・雷鳥沢〜五色ヶ原、2007年8月12日〜15日

五色ヶ原越しに聳える薬師岳の山体

(浄土山分岐より)

立山の雷鳥沢にテントを張り、五色ヶ原まで足を伸ばした。天候に恵まれ、展望と花を満喫する山行ができた。夏はやはり3,000m級の高山がいいけど、テント泊を続けるにはもう少し体力をつけておく必要性も痛感した山行でもあった。

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8月12日(日)、天候:曇ときどき晴

コース:立山駅−(ケーブル)−美女平−(バス)−室堂−雷鳥沢(テント泊)

お盆の時期になり、暑さが本格化してきた。自宅から一般道を北上し、名神高速へ。北陸道へ入り、一路富山方面を目指す。帰省ラッシュとは無縁でスイスイ行けるのが嬉しい。昼過ぎに立山ICを出て、ここからは立山に向けて徐々に登っていく。ようやく山なみに入ったと思ったら、立山駅。一気に日本海に落ち込む立山連峰の裾野だ。まだ標高477m、登りはこれからだ。

ケーブルで美女平へ、そこからバスで登っていき室堂へ。標高2,400m、やはり涼しい。雲が掛かっているが、雷雨の兆候もなく、遊歩道を歩いて雷鳥沢のテン場へ下りた。

雷鳥沢ヒュッテの温泉に浸かり、のんびりとビールを飲んでいたら。すっかり日が暮れてしまい、自分たちだけが遅くまで食事をしていた。食事が終わったのは8時半頃。なかなか呑気な二人である(^^;;
この日は新月。やがて雲がすっかり取り払われ、満天の星空となった。天の川もくっきりと見え、ペルセウス流星群が流れた。痕跡を残しながらの流星も幾つか見ることができた。

雷鳥沢テント場にて

西日の中の雷鳥沢テント場


8月13日(月)、天候:晴のち曇

コース:雷鳥沢−一ノ越−浄土山分岐−獅子岳−ザラ峠−五色ヶ原(小屋泊)

真砂岳の方から朝日が差し込んでくる。雷鳥沢のテン場は朝が遅い。テントは撤収せずに置いておく。行動食と水とカメラ、そして雨具。それだけを持って歩き出す。

一ノ越までは雷鳥沢から直接登るルートで、人通りが少なく快適な道だ。朝日を浴びたチングルマの綿毛が光っている。一ノ越に出ると一気に視界が開けた。北アルプスの名だたる山々が見渡せる。そこから浄土山分岐へと登り続ける。足元のイワツメクサ、タカネツメクサが可愛い。背後には、立山三山から剱岳にかけての稜線が見渡せた。

浄土山分岐まで登ると、眼前には、立山カルデラ、そして今夜泊まることになる五色ヶ原、更には薬師岳までが壮大なパノラマを描いていた。薬師の優美な姿もいい。そして五色ヶ原からザックリ切れ落ちる立山カルデラは凄みを感じた。五色ヶ原は目の前に見えるのに、思った以上に大変な道のりであることは、この後、イヤというほど実感することになる。

さて、五色ヶ原へと進むことにする。ここまでは観光客が見られたが、ここからは登山者の領域となる。龍王岳、鬼岳、獅子岳と小刻みなアップダウンを繰り返す。直射日光を容赦なく浴び、時折雪渓が現われて冷気を感じる時間がいい。コバイケイソウが多く咲くお花畑も至るところに展開していた。カメラを構える時間が多く、歩いては止まりの繰り返し。どんどん抜かれる。左側には針ノ木岳の雄姿を目にすることができた。黒部湖の湖面も時々姿を見せた。

時間とともに雲が増えてきた。そして、陽射しが遮られたと思ったら、稜線をガスが流れるようになった。獅子岳を過ぎた頃のことである。登山道脇に雷鳥が現われた。全く警戒心がなく、道端の花をついばんでいる。やがてもう1羽が現われた。どうやらつがいのよう。なんと、夫婦そろって砂浴びを始めた。立ち止まっていると、後から登山者がやってきた。たちまち10人近くが足止めを食う。なおも悠然と、繰り返し砂浴びを続ける雷鳥。結局5分間ほども続いた末、登山道に沿って歩きはじめた。追いかけるように歩き始める我々登山者。しばらく追いかけっこをする状態となり、やがて雷鳥は道端の草原に消えていった。

ザラ峠へ向けての下りは、この日一番の難所。普段の運動不足は下りに出てくる。時折足を滑らせながら、ようやくザラ峠へと降り立った。思っていたよりも大幅に時間を要した。ガスが流れて展望が利かない中、五色ヶ原へ向けて最後の登りを行く。緩やかに傾斜する溶岩台地の五色ヶ原の一角に出たら、後は小屋へ向けてゆっくりと歩くだけとなった。

五色ヶ原の奥に今晩泊まる五色ヶ原山荘があった。テン泊にしないでよかったと思えるほど、疲労は蓄積していた。風呂に浸かれるのは予想外。汗を流して、その後は夕食まで五色ヶ原を散策した。鳶山にかけてはコバイケイソウが、テント場にかけてはチングルマが大群落を作っていた。

考えてみれば小屋泊まりも久しぶり。食事つきの小屋は関西方面には少ない。寝室は大した混雑もなく、ゆったりと場所を確保することができた。情報交換に花が咲く。これはこれで楽しい。

朝の雷鳥沢から一ノ越へと向かう

一ノ越に登れば展望が開けた
(左から槍穂、水晶、笠)

槍穂高連峰も雄姿を見せた

立山三山から剱岳まで視界に入った

浄土山分岐より五色ヶ原、薬師岳方面
(立山カルデラの断崖も見事だ)

雪渓の傍らで一休み

コバイケイソウ咲くお花畑を行く

針ノ木岳は縦走路の主役だ

日が翳って、雷鳥の登場

ペアになって砂浴びを始めた(^^)

五色ヶ原の一角に出た
(後方は鳶山)


8月14日、15日に続く

立山・雷鳥沢〜五色ヶ原・・・花のページに続く

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