角田山

弥彦山の北に頭をもたげる角田山。咲き乱れる雪割草と日本海のダイナミックな眺望が魅力的で気になる存在でした。

可憐な春の使者・雪割草

@期間 2003/3/23(日帰り)
A同行者 なし
Bアプローチ 行き:JR越後線・巻駅より角田岬までタクシー

帰り:角田岬より巻駅までバス

Cルート 角田岬−角田山頂−角田岬

最高点:角田山頂・標高482m,難易度:☆☆★★★

D天候
E所要時間 約5時間半(歩行+休憩時間)
Fポイント ・新潟県の方々のサイトには必ずといっていいほど登場する山がありました。日本海に浮かぶ佐渡の展望、そして早春の妖精「雪割草」の山として、愛されているこの山をいつしか踏んでみたいと思うようになっていました。

・雪が融けたところに咲き始めるから「雪割草」と呼ばれているオオミスミソウ。関東ではみられないこの花の、2年前の素晴らしい群落の記憶が甦ってきて、再会への欲求を抑えることはできませんでした。開花情報を見ながら「ちょっと早いかな」と思いましたが、後悔はしたくないとやってきました。

・田園地帯を走る弥彦線、越後線からは、頂上付近の白い弥彦山がよく見てとれます。その北に一回り小柄な角田山が見えてきました。なんとものどかな春の風景でした。

・巻駅で下車します。登山バスはまだ運行されておらず、路線バスも本数が少ないので、タクシーです。おまけに日帰りのため行き帰りは新幹線を使わざるを得ないので、これは痛い出費です。まあ仕方ない。

・「今日は随分と入っているよ」タクシーの運転手が話しかけてきます。今の時期、ここ新潟県では雪割草を待ちかねた人たちが山に繰り出すのです。また、園芸用としても売られているようで、最高級品は1株150万円(!!!)するとの事でした。そして、悲しいことに、盗掘も絶えないようです。

・角田山の北側を回りこんで海沿いの防砂林を抜けて角田岬に着きました。海を背に登って行きます。

・グイグイ登っていくと、待望の雪割草が現われてきました。2年ぶりの再会、この可憐で多様な色彩が、やはり「春の妖精」と言われる所以です。多く咲いているところでは、人が大勢立ち止まっているのですぐにわかります。

・ひたすら続く自然林は春の陽射しにあふれています。雪割草に混じってカタクリが生えていますが、こちらはまだ蕾の状態でした。

・山頂近くになると雪が現われてきました。雪が融けかかった状態で辺りはぬかるみ。なんとかうまいこと足を運んで山頂に到達。わぁ!すごい人出だ。まるで「上野公園のお花見状態」でしたよ。南の方角には、逆光の中に残雪を光らせた、弥彦山がそびえていました。

・遠望は利かないので、展望地には行かずに、下山を始めます。雪解けのぬかるみを抜ければ自然林が続く好ましいトレイルです。

・再び雪割草が現われてきました。登りのときと比べて花弁が開いているのは、早春の光を浴びているため。それにしても、丈が5cmほどの小さな花なのに、懸命に存在感を主張しているようでした。白花は白花で、色つきは色つきで、遠くからも目に止まります。枯れ草の地にいち早く花を咲かせるためです。

・道沿いよりも奥の方がたくさん咲いているようです。カメラを手に、踏み跡に誘い込まれるように、少しずつ奥へと入っていく自分に気付きました。誰も見ていなかったらずんずん入って行きたくなるような誘惑を感じると同時に、罪悪感を覚えたため、このあたりで切り上げることにしました。日当たりのよい場所ではカタクリやキクザキイチゲが咲いていました。

・目の前に日本海が広がります。うっすらと佐渡島も横たわっています。心地よい風を感じながら、眼下の灯台を目指して下り続けました。

・角田山から続く尾根が、岩場となって日本海に落ち込んでいます。海面が陽光を反射していました。急な斜面を下りて灯台に着きました。ほどなく浜辺に下り立ちました。登山靴で踏みしめる砂浜もいいもんだな〜。

・行きはタクシーを使ったから、帰りはバスを利用するか。あと1時間、空いているお店でビールでも飲むとするか。なんとなく、ほっとしたような気分になったとき、クシャミが出ました。そういえば目も痒い。そうだ、花粉症だったんだな(^_^;・・・というわけで、おしまい。

G総括 ・待望の雪割草との再会を果たしました。やや時期が早くて、カタクリとの競演はほとんど見られませんでしたが、その色彩の多様性に改めて驚かされました。

・山自体も自然林に覆われていて、素晴らしかったです。遠望が利かなかったけど、海に向かって下りるコース設定がいいですね。JR越後線沿いの田園地帯から眺めた姿、そして海沿いから突き上げる姿、二つの特徴を持った大変印象的な山でした。

H気付事項 ・角田山登山バスは3月末か4月始めから運行しています。巻駅から角田岬方面へは通常の路線バスも運行しています。時刻の問い合わせは、新潟交通西0256-86-3355です。また、角田山のコース案内や登山バス時刻表は、巻町の下記サイトをご参照下さい。
http://www.itech.co.jp/triathlon/makimap.html

・山頂にはトイレがあります。しかし、混雑期は行列ができていて、随分待たされるようです。尾根の両側の斜面に、所々ティッシュがありましたが、貴重な雪割草の自生地を荒らしたくないものです。

・今回のコースの詳細について、ご質問に積極的にお答えできない部分もあります。もっとも、情報はいろんなサイトにあふれているので簡単にわかりますが、雪割草は盗掘で減っているとのことです。国定公園のため、動植物の採取は一切禁止になっています。

自然林の中、高度を上げる

山頂から望む残雪の弥彦・多宝山

行く手に広がる日本海を見ながら下る

陽光照り返す春の海

灯台を目指して豪快に下り続ける

浜に下り立った

越後線の車窓から角田山を眺めて

 

キクザキイチゲ

カタクリ(葉はキクザキイチゲ)

 


2003年に戻る

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送