安倍奥・青笹山

安倍奥の魅力に取り付かれた私は、晩秋に再び訪れることを決めていました。

登山口のある有東木は急な斜面に展開し、ワサビ栽培発祥の地です。登り始めの至るところにワサビ田が現われました。このときは天気がよかったのですが・・・

山村の営み

(葵高原からの登り始めに展開するワサビ田)

@期間 2003/11/24(日帰り)
A同行者 O君
Bアプローチ 梅ヶ島街道を北上、渡本の手前で右折して、有東木を抜けて葵高原へ(車使用)
Cルート 葵高原[920m]−(新道)−風穴[?m]−稜線出会い[?m]−うつろぎ山[1558m]−青笹山[1550m](往復)

最高点:うつろぎ山・標高約1558m,難易度:☆☆★★★

D天候 曇のち雨
E所要時間 約4時間15分(歩行+休憩時間)
Fポイント ・「本当に行くんですか?日帰りですよ」前日に確認の電話が入ってきました。何のことかと思ったら、どうも彼は南アルプスの深南部にある点線のコースすらない山を指しているようです。確かに青薙山の尾根続きの所に標高2209mのその山はありました。とても日帰りでは行けません。「ああ、僕が言ったのは安倍奥のことなんだけど・・・」というわけでとんだ「青笹違い」から始まりました。

・今回はO君が所用のため、自宅まで迎えに来てくれました。午前4時の出発です。東名を抜けて裾野ICからは下道を行きます。朝食はまたしても、というか私のワガママで、今回も由比の「スマル亭」。天ぷらうどんが美味しいな!腹ごしらえが終ったら、安倍奥を目指します。

・ん?O君の様子がおかしいゾ。どうやら睡魔に襲われてる様子。仕方ないのでコンビニで車を停めて一休み。と15分くらい休んだところで、コンビニの人に気付かれてしまいました。仕方ないので、再び車を走らせます。「運転、代わろうか?」「保険が適用されないから」「大丈夫、事故らないから」「最近運転したのは?」「1年前かな?」山間に差し掛かり、安倍川沿いを進んでいくと、広い駐車スペースを発見して再び仮眠。これでようやく復調したようです。

・梅ヶ島街道を右に折れれば、急斜面の中をズンズンと登って行きます。やがて猫の額のような平坦地に差し掛かると、そこが有東木。さらに登ってようやく、標高920mの葵高原に着きました。O君は、店を広げてゴソゴソとやっています。もしかして、今からパッキング?「バレましたか、アハハ」おいおい。仕方ないので、その間に写真撮影をします。雲が出ているものの、晴れ間もあって、稜線に出てからの南アルプスの展望に期待していました。ようやく出発です。

・車道を歩けば、新道の分岐が現われてここからが登山道。最初は杉の植林帯を行きます。所々に沢が現われると決まったようにワサビ田が出現します。なかなか大規模なワサビ田があちこちにあって、さすがワサビ栽培発祥の地というだけのことはあります。

・しばらくは植林帯を行きます。トラバース気味に登っていくため、それほどきつくはありません。やがて所々に自然林が現われてきて、残っている紅葉が目に鮮やかです。派手さはありませんが、清々しさに満ち溢れていました。時々、植林を絡めるものの、十枚山のときと違って連続はしていません。

・やがてコースのほぼ中間点にある「風穴」に出ます。ここからは自然林が更に増えてきます。んー、なんだか暗くなってきたぞ。見上げると、すぐ上までガスが覆っています。やっぱり・・・なんとなく嫌な予感がしていました。そしてついにガスの中を登るようになりました。少し平坦な植林帯をすぎれば、寒々しい自然林の道。斜度も急になってきて、展望がないだけに虚しい登りとなってきました。

・稜線に着けばそこは、笹の生い茂る中に、ブナの木が点々と生えていました。あ〜、天気がよければなぁ。とはいえ、それなりに快適な稜線歩きが続きました。ガスが濃密で、ブナの木の枝で露を結び、これが風に吹かれてバラバラと落ちてきます。マウンテンバイクのにいちゃん5,6人と相前後しながら最高点のうつろぎ山を越えて、青笹山頂に着きました。

・明るくなる気配すら感じられない山頂で昼飯です。ガスはいよいよ濃くなり、雨も降り始めました。2組ほどのパーティーと相前後して登っていましたが、彼らは結局山頂まで来ませんでした。この天気じゃ仕方ないか。

・食事が済んだら雨が本降りになってきたので、我々も撤収して下山にかかります。本当は地蔵峠経由の周回ルートにしようと思ってたけど。来た道を淡々と下りて2時前に葵高原に戻ってきました。

・雨が降り続く中、さっさと車を発車させて梅ヶ島街道に出ると雨が止んでいました。尾根に雲がかかって雨が降っていたみたいです。うーん、今回も前年の十枚山と同じパターンだな。仕方ない。そのうちリベンジの機会をもつことにしよう。でも、この素晴らしい雰囲気をもつ安倍奥に来る機会が増えたと思えば、それでよしです。

G総括 ・安倍奥、秋のシリーズはまたしても天候に見放されてしまいました。晴れていれば、富士山に南アルプスと、欲しいままの展望が待っていたのに・・・とはいえ、ブナが点々と生える稜線の雰囲気も素晴らしいし、途中に展開する自然林もなかなかのものだったので、不満だけが残ったわけではありません。(でもやっぱり、天候がねぇ・・・)

・このところ何故安倍奥によく行くかと言えば、やはり安倍川の流れが作り出すその奥深さと素朴な雰囲気に惹かれてのことです。大井川流域は東京からは日帰り圏内にないため、そして安倍川のサイズが自分に合っているようにも思えるのです。十枚山を含めた安倍奥東稜を縦走したり、八紘嶺から七面山の稜線を縦走するのもよさそうです。これからも何度も行くと思います。

H気付事項 ・バスでのアプローチは不便です。有東木行きのバスは1日4、5本だったか。それも朝、東京を出てくると1番バスに間に合わないし、有東木から葵高原までは1時間くらい歩くことになるのです。やはり車でのアプローチが便利と言えます。

・新道ルート(葵高原から細島峠を通らずにうつろぎ山手前に出るルート)には水場がありません。ワサビ田のところで汲むことはできますが、それくらいしかありません。また、ルート中間点にある「風穴」は、地面を一段掘ってある場所のことで、冷気が噴出しており食物の保管用として使われてたところだそうです(余り冷気を感じなかったのですが)。

・登山口の有東木に関する情報は、以下のサイトにて配信中です。
http://www6.shizuokanet.ne.jp/usr/s_naomi/

・この山は、山梨県側からは「青笹」と呼ばれているとか。また、上にもあるように「青笹山」は南アルプス深南部にもあります。安倍奥の青笹山は、今年のエアリアマップでは範囲外となっています。

このときは天気はまずまずでした。見えているのは安倍川を挟んだ反対側の山々です。

葵高原から眺めた山なみ

「葵高原」の標示のそばに真っ赤なもみじがありました。

写真を撮って出発(葵高原にて)

自然林に出ると清々しさ一杯

清々しい自然林を行く

山頂はガスの中。枝がたくさん出ているブナの木も寒そうです。

青笹山頂のブナ

 

 


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