蓼科山

八ヶ岳連峰の北に大らかな姿で聳える「諏訪富士」は、長いこと憧れ続けていました。

颯爽とした姿の南八ヶ岳連峰がスカイラインを刻み、手前には溶岩流の痕跡を留める北横岳が横たわっていました。

蓼科山頂より八ヶ岳連峰(クリックすると拡大表示されます)

@期間 2002/9/1(前夜泊1日)
A同行者 なし
Bアプローチ 行き:JR中央線・茅野駅より蓼科牧場までバス、牧場より御泉水までゴンドラリフト

帰り:竜源橋より茅野駅までバス

Cルート 御泉水−七合目駐車場−馬返し−将軍平−蓼科山頂−将軍平−天祥寺原−竜源橋

(最高点:蓼科山頂・標高2530m,難易度:☆☆☆★★)

D天候
E所要時間 約6時間45分(歩行+休憩時間)
Fポイント ・いつでも登れると思っていたのですが、巡り合わせでしょうか。あの山頂に立ったら気持ちいいだろうな〜、と思いながら、何年も経過してしまい、ようやく実現の運びとなりました。

・土曜の夕方に新宿を出て茅野へ。盆地の朝は涼しく、目指す山はシルエットとなって誘ってくれているようでした。快晴のビーナスラインをバスは走り続け、蓼科牧場で降りました。9時過ぎ、西には槍穂高連峰も姿を見せていました。

・今日の目的は何と言っても展望。山頂に早く着くためには手段を選ばず・・・というわけで、御泉水まではゴンドラリフトを使います。夏休み最後の日曜日、家族連れを含め観光客も随分とみられ、ザックを背負っているのが恥ずかしい気分です。

・御泉水から登山道を登りはじめると、七合目までは車道を何度か渡り返します。道端のマツムシソウが初秋を告げていました。しかし、暑い!七合目を過ぎると、ようやく針葉樹林帯に入り、涼しくなりました。

・馬返しを過ぎると、急登の連続です。立ち枯れ帯を通過するとき、直射日光が容赦なく降り注いで、キツイキツイ。2週間ほど前に、黒戸尾根を登ったことが信じられないほどでした。急登を詰めて、ようやく将軍平に着きました。山頂は、見上げる高さ。ものすごい急登が待っています。

・ストックをしまって、岩塊の斜面を時に両手を使いながら登って行きました。団体登山の横をすり抜けながら。森林限界を超えると一気に展望が開けました。キツイキツイといいながらも、山頂はすぐそこ。一段と急になった斜面をぐいぐい登れば、ついに山頂に到着です。

・三角点に立つと、南八ヶ岳連峰が颯爽とした姿でした。手前には北横岳が溶岩流の痕跡をとどめた姿を見せていました。西に目を転ずれば、雲間に槍穂高連峰が見えました。そのほか、南アルプス、中央アルプス、木曽御嶽、後立山連峰、妙高・火打、そのほか信越の山々など、欲しいままの展望です。

・広い山頂は、溶岩塊がゴロゴロしてます。元々はお鉢だったのでしょうか?それが埋め尽くされているようです。サンサンと降り注ぐ陽光、心地よい風。爽やかな晩夏の山頂で、展望を肴に過ごすひとときは、いつまでも続いて欲しいくらいでした。

・この日は絶好の天気に誘われて登山者が多い多い。団体も幾つかあるようで、賑やかそのものでした。

・名残惜しい気持ちで山頂を後にします。目の前には佐久平の広がりが見て取れました。その向こうには浅間山が聳えていました。再び岩塊の斜面を、慎重に足を運びながら下りました。なかなか思うように足を運べません。膝が笑い始めてきました。

・将軍平につきました。相変わらず人が多い。そして暑い。思わず山小屋でビールを買って飲みながらふと見上げると、山頂を風に乗った雲が流れていました。

・登山者は大河原峠か蓼科牧場方面のどちらかを目指しています。その中を一人、天祥寺原に向けて下り始めました。

・深い樹林帯の中の下りが続きます。思ったよりも急坂です。再び膝が笑い出して、時折バランスを崩したりしながら下り続けると、沢状のガレ場を絡めるようになり、そこを過ぎれば傾斜が緩くなりました。やがて笹原となり、天祥寺原に着きました。

・竜源橋のバス時刻にはまだ余裕がある、ということで、天祥寺原を大河原峠に向かって散策することにしました。北横岳と蓼科山の鞍部に広がる草原は、滝ノ湯川の源流地帯で、所々に湿地がみられました。ただし、当てにしていた花は、ハクサンフウロとマツムシソウがちらほらと見える程度で、あとはいずこも同じアキノキリンソウでした。それでも、斜めに傾きかけた陽射しを浴びた草原は、爽やかな雰囲気を醸し出していました。

・踵を返して、竜源橋へ向けて下り始めました。天祥寺原を過ぎると樹林帯の緩やかな下りが続き、やがて滝ノ湯川の河原に沿って歩くようになりました。

・再び道が高巻くようになると、車の音が聞こえ始めました。木々の間から傾いた陽射しが照りつける中、踏ん張りが利かなくなってきて、惰性で歩き続けました。ついに目の前に車道を見下ろすところまで来ました。

・バス停はすぐそこに見え、まだ、多少時間があります。木陰の中で、汗に濡れた下着を着替えて、涼しくなった風に吹かれていました。ホッとする時間です。やがて、車道に下りてバス停に立ちました。すぐにバスがやってきて乗り込みます。窓から見ると、夕陽に照らされた蓼科山の山頂には雲がかかっていました。

G総括 ・抜群の展望に恵まれ、最高の夏山の締めくくりとなりました。期待通りの山行でした。特に、北側に広がる佐久平と浅間山の姿が強く印象に残りました。長野県の地形がわかるような、そんな素晴らしいロケーションです。

・天祥寺原は花がそれほど見られませんでした。夏はお花畑という記述を見かけましたが、時期が遅かったのかもしれません。

・当初は、あまりアップダウンのない、北八ヶ岳での”癒し系”山行を計画していました。蓼科山も思った以上に草臥れました。今度は、時間に余裕を持って、蓼科山頂で一泊してみたいと思いました。初夏にでも、残雪の北アルプスが朝日に染まる姿を見てみたい・・・

H気付事項 ・諏訪バスの時刻表は下記
http://www.alpico.co.jp/access/route_k/suwabus/
を参照して下さい。'02年9月現在、茅野駅から蓼科牧場へ行く便は、1日3往復です。また、これらの便は、東急の別荘地を経由するので、20分ほど余計に時間がかかります。

・御泉水のゴンドラリフト駅、七合目駐車場ともにトイレがあります。ただし、紙はないことを覚悟して下さい。

・天祥寺原への道は明瞭です。しかし、途中の沢状のガレ場を下るところは、常に右側を注意しながら下ることです。行き止まりのロープが張られていますが、いつ失われるとも限りません。

・天祥寺原で、水場を探している人に出会いました。新しいエアリアマップには確かに水場の標示があります。蓼科山から下りてきたとき、T字路の手前にあった小さな涸れ沢のことかもしれません。いずれにせよ、夏場に涸れる当てにできない水場だといえます。

・天祥寺原から先は、滝ノ湯川の右岸をずっと行きます。途中で河原に分岐している箇所があり、思わず誘い込まれました。少し歩くと倒木が通せんぼ。結局戻りました。ほかにも数箇所、河原を歩くところがあるので、ペンキ印や赤テープに十分に注意して下さい。

※印の写真はクリックすると拡大表示されます。

御泉水より霧ヶ峰越しに槍穂高連峰

爺ヶ岳、鹿島槍、五竜岳(御泉水より)

マツムシソウ

クリックすると拡大表示されます。

※蓼科山頂より槍穂高連峰

クリックすると拡大表示されます。

※佐久平と浅間山を望む(蓼科山頂より)

仰ぐ山頂を雲が行く(将軍平より)

天祥寺原から見た蓼科山

 

 


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