甲武信ヶ岳(3回目)
日本海に注ぐ信濃川。その源流を辿ることは、一つのロマンとして前々から考えていたテーマでした。
@期間 10/20〜21(1泊2日)
A同行者 O君
Bアプローチ 行き:JR中央線・韮崎駅より車にてモウキ平へ

帰り:モウキ平より車でJR中央線・塩山駅まで(三国峠、雁坂トンネル経由)

Cルート 第1日:モウキ平−ナメ滝−水源地標−甲武信ヶ岳山頂−甲武信小屋(泊まり)

第2日:甲武信小屋−甲武信ヶ岳山頂−三宝山−十文字峠−カモシカ展望台−十文字峠−八丁坂−モウキ平

(最高点:三宝山頂・標高2483m,難易度:☆☆☆★★)

D天候 第1日:晴

第2日:曇ときどき晴

E所要時間 第1日:約5時間(歩行+休憩時間)

第2日:約7時間(歩行+休憩時間)

Fポイント ・前の週に一緒に茅ヶ岳に登ったI君からの情報で、O君が甲武信ヶ岳に行きたがっているということで、誘ってみました。二つ返事のOKです。僕にとっては3年ぶりということになります。

・またまた韮崎駅での合流となりました。なかなか便利です。八ヶ岳や金峰・瑞牆山を見ながら、谷間の高原野菜畑の中を進みました。モウキ平に着いたときには、既に昼近い時間でした。

・歩き始めるとすぐに千曲川の流れが寄り添ってきます。ここは標高1500m、紅葉の始まった広葉樹林の木漏れ日を浴びながら、清々しい道が続きました。

・百名山に目覚めたO君と登った数を比べながら歩きました。O君はこれで27座目。僕は32座。いつの間にか5つ差まで迫ってきています。来年は抜かれるでしょう。回数なら合計64回なんですけどね〜(^^)

・道は時に寄り添い、時に高巻きながら緩やかに登って行きます。流れは急流や瀞を交えながら、心地よい音を耳に届けてくれます。思い思いの場所で、登山者が休みをとっていました。ナメ滝を少し過ぎたところで、昼食の休憩をとることにしました。

・明るいカラマツ林を抜ければ針葉樹林帯に入ります。流れは細くなってきました。苔むす倒木を越えながら、流れに沿って源流へと向かいます。

・それは不思議な雰囲気でした。明瞭な谷は消えて、樹林帯のわずかに沢状に窪んだところを水が流れていました。流れは苔の緑の絨毯の中にありました。

・やがて、「千曲川水源地標」にたどり着きました。標高2,200m、鬱蒼とした針葉樹林です。苔むす倒木で覆われた沢地形の中から伏流水が湧き出ていました。5mも下れば立派な流れでした。ここから新潟市の河口までの367kmの旅が始まるんだな・・・

・そこから一気に急登を詰めて行くと、主脈の稜線に出ました。
「さて、金峰へ」
と右に折れるO君。こらこら(^^ゞ
前々から考えてたネタのようで、回りで休んでた人たちのウケをとっていました(^^)

・稜線をぐいぐいと登って、ついに山頂に達しました。快晴の午後、欲しいままの展望です。遠く中央アルプス連峰に御岳、3週連続の槍穂高連峰、そして鹿島槍を目立たせた後立山連峰まで見渡せました。

・不思議なのは、富士山の中腹から上がくっきりと見えるのに、手前の乾徳山や御坂山塊が霞んでいること。晩秋によく見られる煙霧のいたずらでした。まあ、それはともかく、山頂には大勢の登山者が集って、皆満足そうな表情を浮かべていました。

・甲武信小屋に下りていきました。思った通りでした。超満員。布団1枚に2人でした。しかも寝場所は食堂。これがかえって幸いしたようです。客室はさらに混雑していたようです。腰痛が再発していた身体にとって、仰向けに寝られないという事態は、なんとしても避けたかったのでした。

・翌朝、食堂に寝ていた我々は真っ先に起こされました。O君がニヤニヤ話しかけてきます。「襲われなくてよかったですねぇ〜」隣に寝ていたのは少し年配の女性。どこまで冗談なんだろ〜。

・朝食をとってから、どうしても木賊山に登りたいO君に付き合います。「な〜んだ、展望ないじゃない」それ10回言ったよ。どうしても甲武信の三山を全部登りたいと言ってたのに、カメラを忘れて証拠写真がとれません。甲武信小屋に戻ってきてからもあきらめきれない様子。ま、いい山は何度登ってもいいからさ。またの機会ということで・・・

・さて、出発。相変わらずお茶目な小屋番の”徳ちゃん”に挨拶して、甲武信の山頂に登り返します。一息で山頂へ。空は高曇り、少し風が強い。予報よりも天気が悪いようです。

・それでも、視界は利いて、今日も遠く鹿島槍まで見えています。富士山もバッチリ。さて、写真を・・・とそのとき、明らかな変調を感じました。マズイ!一度行ったのに・・・気まぐれな僕の内臓です。仕方ないので、甲武信小屋へ急いで下りました。30分後に山頂に戻ったとき、O君を除いて誰もいませんでした。ごめんね〜。

・さて、山頂を出発。8時近くなっていました(^^;登り返して三宝山。そこからは十文字峠に向けて緩やかに下って行きます。苔むす針葉樹林帯が続きます。息苦しいほどです。「原生林に潜る」という表現がぴったりでした。

・それでも、いくつかの展望地からは高曇りの中で好展望が得られました。大山からは日光白根山や尾瀬の燧ヶ岳を認識することができました。更に十文字峠へ向けて下れば、東側が見渡せる展望地がありました。足元から深く切れ落ちる入川谷が紅葉している様子が見て取れました。

・十文字峠が近づくとシャクナゲの木が増えてきました。よく見ると、枝の先に蕾をつけていました。開花は7ヶ月後。今から見れるとは思ってもいませんでした。蕾のある枝とない枝がありました。隔年結花なのですね。

・十文字峠に下りてきました。ナナカマドが紅葉していました。清々しい風が吹き抜けます。この雰囲気がたまらないです。カモシカ展望台まで往復する二人。どこまでもスローペースなのでした。

・八丁坂を一気に下ります。転げ落ちるように、半ば駆け足で下り続けます。地面は大分落ち葉に敷き詰められてきています。やがて道が沢を絡めるようになると、いつしか紅葉はカエデに変わっていました。

・斜度が緩くなると、五里観音。無事の下山を感謝しました。更に沢を何度か渡り返したのち、ひときわ大きな沢音が耳に入りました。千曲川源流との合流点でした。モウキ平はすぐそこでした。

G総括 ・爽やかな秋山を満喫することができました。千曲川源流はどこまでも清々しく、比較的楽に甲武信の山頂に達することができるので、人気ですね。このコースを往復するだけなら、日帰りも可能です。

・二度目の十文字峠も、やはりいい雰囲気でした。今度は、ここの小屋に泊まってみようかな。また秋に訪れて、ここに泊まって、入川谷を歩きたいです。

H気付事項 ・モウキ平の駐車場は、約30台分のスペースといったところ。トイレもあります。着いたときには、満車だったので、少し手前の道端に車を止めました。

・甲武信小屋の予約帳が目に止まりました。6割は千曲川源流から、残りは大半が西沢渓谷からで、一部に金峰山や東沢からの登山客がいました。この時期は、シャクナゲの時期に次いで登山者が多いんですね。

 

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千曲川の清流

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染まり始めた登山道

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道標に導かれて源流へ

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苔むす倒木を流れる源流付近の千曲川

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そして、山頂に立った
(左から国師・北奥千丈、金峰、小川山)

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三宝山より木賊、甲武信、そして富士

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染まりゆく入川谷

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五里観音付近を歩く

 


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