丹沢(5回目) | |
桧洞丸・青ヶ岳山荘の山小屋改築工事のお手伝いに参加することにしました。シロウト大工のボランティア顛末記です。 | |
@期間 | 11/24-26(山中2泊3日) |
A同行者 | − |
Bアプローチ | 小田急線・新松田駅から箒沢公園橋までバス |
Cルート | 第1日:箒沢公園橋−板小屋沢ノ頭−石棚山−桧洞丸(青ヶ岳山荘泊り) 第2日:終日桧洞丸・青ヶ岳山荘 第3日:夕方,西丹沢方面に下山 (最高点:桧洞丸山頂・標高1601m,難易度:☆☆☆★★) |
D天候 | 第1日:晴 第2日:晴 第3日:晴 |
E所要時間 | 第1日:歩行時間約3時間半,休憩時間約1時間 第3日:− |
Fポイント | 主な登場人物です。 ・とんぼちゃん・・・小屋番。工事に接客に大忙し。 |
・2週間前に初めて泊まった青ヶ岳山荘で,工事手伝いの募集を知りました。「よかったらおいで」というわけで,騙されたと思って登ることにしました。 ・この日は特にお迎えもない予定なので,時刻表を確かめました。丁度,連休の谷間の金曜日で,バスは平日ダイヤです。な,な,なんと!新松田発は9:35以降ないではないか!ちんたら登って来ようとしていたのですが,ここは発想を切り換えて,9:35のバスに乗って石棚山を踏んでくることにしました。 ・ひとりで箒沢公園橋のバス停を下りれば,名残の紅葉。歩き始めてすぐに自然林の中を登ります。既に深山の雰囲気,いいですね〜。しかし,急登が控えているかと思うと,気が重くなってしまいます。 ・超がつくほど寒がりな私は,服をいっぱい詰め込んだ70リットルのザックを背負っています。急登の入口まで30分もかかってしまいました。 ・突然沢から離れて,急登が始まります。これはものすごく応えました。ああ,やめればよかった〜。一歩踏む度に”ぐぇ〜っ,ぐぇ〜っ”と腹の底から喘ぎ続けていました。 ・ようやく,板小屋沢ノ頭に着けば,登りは緩やかになってきました。ひとつひとつピークを越えて,県民の森への分岐からは緩やかな稜線歩きです。石棚山付近のブナがものすごくいい雰囲気でした。とても元気なブナが印象的でした。 ・桧洞の山頂に着いて,ほっと一息。と,トンカン,トンカン聞こえてきます。やってるな〜。まあ,ちょっと休んでからにしよう。山頂の西側からは,煙霧の上に島のように浮かんだ富士山が見えました。 ・寒くなってきたので,青ヶ岳山荘に下ります。ゆみこさんが迎えてくれました。お茶を一杯飲んでいると,とんぼちゃんがやってきて ・みんな忙しく動き回っています。ひときわ迫力のある声は”棟梁”のべーさん。べーさん相手だととんぼちゃんも形無しです。べーさんにときおり負けじと言い返している声の高い人はぎいちさん。しんちゃんは淡々と,そしてくらちゃん&やまちゃんも懸命に作業を続けていました。 ・夕焼けが綺麗だな〜。というわけで, ・暗くなってしばらくしてようやく作業が終わりました。この日は泊まり客は来ませんでした。スタッフだけで夕食。ゆみこさんが準備してくれた鍋を囲んでの楽しいひとときです。 ・みんなが持ちよったお酒が次々に出てきます。すずきさんが,はにかみながらお酒を差し出すと,みんなの顔がパッと明るくなりました。日本酒,ワイン,焼酎,ウィスキーとよりどりみどり。酔いが適度に(?)回ってきました。それにしても,学生さんからおじちゃんまで,世代を超えた付き合いっていいですね! ・途中からはしんちゃんのギター演奏が始まり,カラオケ状態に。懐かしのフォークソングは,やまちゃん&くらちゃんにはちょいとわからない歌ばかり。僕はかなり酔っ払って,随分と裏声で歌ってた気がします。 |
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・一夜明けたら,私にとっての実質的な作業初日です。朝のひととき,塔ノ岳方面からのご来光を眺めていました。 ・朝食もそこそこに始まります。この日は前日に組み上がった柱や梁などに従って,屋根と壁の板を打ち付けていく作業がメインです。 ・てっきり作業開始前に,段取りの説明から入るかと思いきや,どんどん進み出します。ボケッとしてると, ・言われるがままに工具を渡したりしていると,いつのまにか,屋根にどんどん人が上がってしまって,地上が手薄になっていることに気付きました。というわけで,ここは工具渡しに専念することにしました。これは身長178cmの自分には正解でした。 ・上で作業している人を観察しつつ必要そうな工具を手許にそろえてリクエストに応じて手渡します。べーさんは釘1本にいたるまで,必要な時に必要なものを調達する”カンバン方式”でした(笑)。一方,ぎいちさん,しんちゃんは手持ちの在庫が豊富でした。 ・実は会うのを楽しみにしている人が2人いました。1人は工事を手伝いに来るあおむしさん。もうひとりは蛭ヶ岳から縦走して来る金森さん。お二人とも昼頃に桧洞丸に来ることになっていました。私も含めあおむしさんのHPの掲示板に書き込みをしている仲間なのです。10時を過ぎる頃からなんとなくそわそわしていました。 ・壁板の作業も始まって,鋸で板を切ったり,釘打ちをしたりします。すぐに身体が熱くなって汗が流れてきます。さとうさんに電動ノコギリの使い方を教えてもらって縦方向に板を切ったりもさせて頂きました。 ・12時頃になって,あおむしさん登場。一緒に作業するなりさん,ちびさんと3人で登って来られました。あおむしさんは,ロマンスグレーの髪にピンクのタオルを巻いた姿で登場です。少し経ってそろそろ昼食にしようという頃,金森さんが訪ねてきました。見るからに健脚という言葉が似合う風貌(失礼!)でカメラを下げていました。この日は丹沢山から歩いて来られて,桧洞への登り返しが応えた,ということでした。 ・10分ほど立ち話をして金森さんは山荘を後にして,山頂に登って行きました。太陽サンサン,ポカポカ陽気で,まさに縦走日和です。既に食事の時間。上の方から笑い声が聞こえると思ったら,屋根の上で食事をしている連中が5名ほどいました。気持ちよさそう。 ・午後になるとあおむしさん,ちびさん,すずきさんと一緒に壁板を打ち続けます。ちびさんの気合を込めた一打一打に,釘は「参った!」とばかりにぺにゃ,と曲がり続けます。随分と笑い飛ばして,楽しませてもらいました。そんなわけで,ちびさんから立て続けに反撃を受けることに。 ・2時過ぎになって,しんちゃん,やまちゃん&くらちゃんが下山することに。お疲れさまでした! ・壁板の作業は,さとうさんが仕切ります。要求精度が場所によって異なるので,さとうさんにお伺いを立てます。と,あおむしさんはコツを得たようで,「ここはこんなもんかな」などと目分量で板を切ったりしています。それがピタッと収まるのです。現物合わせの天才だったのでした。 ・日が傾いて,夕焼け。ふと見ると,キレットを隔てた蛭ヶ岳の岩肌が真っ赤に染まっていました。西側から見る蛭ヶ岳は,東側から見るノッペリした姿とは違って,甲斐駒にも似ていて,なかなか精悍な感じです。あおむしさんと「写真撮りに抜出したいですね」などと話していました。 ・発電機を回して作業は続きます。壁板の外側に,紙貼りの面合わせの板を打ち付けたところで本日の作業終了。片付けるときに,実は何気ないことで傍にいたべーさんに ・さて,小屋の中に入ればお客さんが到着していて,我々に「お疲れさん!」と声を掛けてくれました。厨房では夕食の準備が始まっています。さっきまで大工仕事をしてたと思っただいだいさんが,てきぱきとお手伝い。骨惜しみしないその姿を見せつけられれば,こちらもゆっくりと休んでいる暇はないというもの。そんなわけで,夕食の準備も順調。一方,なりさんとぎいちさんは,ストーブの火と戯れていました。 ・夕食はこの日も鍋を囲んで楽しいひとときでした。他愛もない話題で盛り上がります。途中からは,お客さんと一緒に盛り上がります。あおむしさんは燃料(アルコール)を補給して舌好調(?)。 ・話はつきません。ある時,私のHN(当時)のことに矛先が向いてきて, ・お客さんの方も一人減り,また一人減り,消灯時間の午後9時を過ぎて,ランプの灯りだけが煌煌と輝く空間になりました。ストーブの傍に移って,ぎいちさんが持ってきたBOWMOREをちびりちびりとやっていました。やがて眠気を催してきたので,一人さっさと眠りにつくことにしました。 ・夜中,ふと目が醒めます。少し酔っているみたいです。ふと見ると,階下からもれてくる光が小刻みに震えています。ランプの油が切れかけているのかな・・・それを見てたら目が冴えてしまって,起き出しました。外はそれほど寒くありませんでした。暫しぼーっとして,布団に戻りました。誰かの鼾がすごくてなかなか眠れませんでした。(笑) |
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・翌朝,目がさめて起き出し階段を下りると,そこにはべーさんがいます。 「おはようございます!」 すると, 「おはよーじゃねえだろー!」 ????? いきなりの先制パンチに呆然とするしかありません。何でも,黙って寝てしまったので,行方不明騒ぎが発生して,山頂まで探しに行ったとか。そんなわけで,ひたすら小さくなっていました。 ・この日が最終日。とにかく工事を終わらせて下山しなければなりません。さとうさんは朝のバスに乗るために下山して行きました。用事をキャンセルしてまで残って頂いたのでした。 ・屋根と壁にまず黒い紙を貼って行きます。なんだか図工の授業を思い出しました。紙を貼った上にトタンの釘打ち用に板を打ち付けていきます。4日間頑張っている人たちも疲労に色が濃くなっている気がしました。 ・登る前の天気予報ではこの日は下り坂。西風が吹いて兆候は見られますが,なんとか持ちそうです。 ・時間があっという間に過ぎて行きます。昼頃には終わるかな,と思ったけれど,壁のトタン張りは昼食後になりました。焦って,本来打つべき場所ではないところに釘を打ってしまいます。 ・私は,ちびさんから「そこの背高いの!」と言われながら,庇の方を釘打ちします。一方,ちびさんは足元の釘打ちが得意なのでした。これぞ,適材適所ですネ。すずきさんは一足早く下山,屋根のトタン張りを終えたぎいちさん,なりさんが応援に回ってきました。 ・「そこ,違う。端が山になってる板を選べよ」 ・3時を過ぎた頃,ようやく作業が終わりました。あとはとんぼちゃんやべーさんが機会を改めて仕上げてくれるとのこと。ほぼ出来上がった自炊場を見ると,愛着が湧いてきます。 ・ゆっくりしていられません。日が暮れてしまいます。手っ取り早く荷物をまとめて,下山にかかりました。夕闇迫る中,富士山のシルエットが浮かび上がっていました。気高い姿でした。 ・みんなで「ぶなの湯」によって,汗を流しました。本当に,本当に,お疲れ様でした。少しは役に立てたかな。 |
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G総括 | ・とにかく,いい経験をさせてもらいました。小屋を守り続けることの大変さを垣間見た気がしました。 ・青ヶ岳山荘をはじめ,丹沢の山小屋のほとんどは歩荷で資材を揚げています。小屋に泊まれば当然のように食事が出てくることに,何も感じずにいた自分が恥ずかしくなりました。これから山登りを続けて行く上で,得難い経験となりました。 |
H気付事項 | ・石棚コースの序盤は,ふとした気の緩みで迷う可能性のある,要注意箇所がいくつかあります。 (1)始まりのキャンプ場を抜けて板小屋沢の橋を渡ったら,右折して数十mほど下ります。橋を渡ったところには道標がなく,また,左にかすかな踏み跡が見えます。 (2)植林帯を抜けて再び沢に出たら,沢を渡ります。目印が判りにくいですが,飛び石が配置されているので,渡ると思って間違いありません。 (3)少しばかり登って,急な斜面のトラバース(ここは滑落注意)を過ぎると,下り坂になり再び沢の水面が寄り添いつつあります。このとき,完全に寄り添うところまで下りてはいけません。斜面の取付き点を見逃さないように,左側を十分に気にしておく必要があります。 |
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