雄国沼2022年7月3日(日)、天候:晴のち曇

コース:雄子沢登山口−雄国沼休憩舎−雄国沼周遊(往復)

晴天の下、今を盛りと咲き誇る大群落

裏磐梯エリアの一角にあり、ニッコウキスゲの大群落で知られる雄国沼。6年ぶりに訪れた。前回は雨と霧の中、半分は「心の目」で大群落を眺めたが、今回は待望の晴天の中で巡り会うことができた。

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東北南部は平年よりも1ヶ月近く早い梅雨明けとなり、6月だというのに猛暑日も飛び出すほどで、こんな日に山へ行くとしたら、「地元」の栗駒山では1600m程度の標高で暑すぎる。そもそも前日の7月2日(土)には、山に登ろうなどと考えていなかった。それどころか、暑さに参ったせいか、この週末は何もかもやる気が出なかった。

ところが、だ。「標高2000mを超えれば涼しいんじゃない?」疲れもあったので、楽して登れる西吾妻山に行くことになった。2日の晩に土湯温泉の宿泊を予約して、午後4時に出発し、高速で車を走らせる。福島県に入ったタイミングで、スマホをいじっていたMackeyが唐突に「雄国沼が見頃みたい」と言い出した。雄国沼は6年前の霧と雨のハイキング以来、リベンジすることを考えていたが、時季が過ぎつつあったので意外に思った。
しかし、こうなったらもう引けない。標高2000mよりは低い1000mで暑いことは想定しつつも、これは天命だ。翌朝、土湯温泉から約60kmの登山口を目指した。前回とは別のラビスパ裏磐梯の駐車場に車を止めて、雄子沢登山口までシャトルバスで移動して、午前9時半頃にスタートした。

随分と長い前振りになってしまった。ここからが本編になる。
「雄国沼せせらぎ探勝路」と呼ばれるルートを緩やかに登って行くと、間もなく立派なブナが林立する林を行く。途中でカラマツ林を通って緩やかな登りが続いた。ところどころ冷たい水が流れる小沢を越えていくと、再びブナが現われてやがて幹の太さが一様なブナの二次林を行くようになる。絵に描いたような美林である。ブナ林を登った先で道が平坦になると木道が現われた。雄国山からの道を合わせて緩い下りを行けば、冷たい水が湧き出る水場に出て雄国沼休憩舎に出た。

休憩舎からは平坦なルートが続き、徐々に雄国沼が近づいてきて、木の間越しにニッコウキスゲの群落で黄色く染まる湿原も見えた。期待が高まる。金沢峠からの道を合わせると、視界が開けて圧巻の光景が目に飛び込んできた。一面のニッコウキスゲに染まる湖畔の湿原だ。雄国沼の湖水と、猫魔ヶ岳の猫の耳を思わせる形が程よく配置された湿原は、まさに最盛期を迎えていた。望遠で撮ったり、広角で撮ったり、屈んだり、立ったりと、色んな撮り方を試してみる。木道を1周歩いて、名残惜しいためもう1周歩いた。

思ったよりも時間が掛かり、青かった空もいつの間にか雲で覆われてきたので、雄国山を経由してラビスパ裏磐梯に直接下る「雄国沼パノラマ探勝路」はやめて、「せせらぎ探勝路」の来た道を戻った。標高差200m余りだったが、下山の頃には全身に疲れが覆っていた。

 



序盤に立派なブナを見る



ブナの美林が広がる



ブナ林を行く
(雄国沼はもうすぐ)



一面のニッコウキスゲの中を行く



湿原を囲む山々を背景に


湖水を背景に


トキソウはひそかに咲く


猫魔ヶ岳の山裾



目線を下げて広角で撮る
※Mackey撮影



遠くに吾妻連峰を望む



この広がりと密度



湖畔にはヒオウギアヤメ



振り返る雄国沼とニッコウキスゲ

     


圧巻のニッコウキスゲの大群落。これこそ、長い間探していた風景である。2016年は雨と霧の中で、確かに満開の群落の姿を見ることはできたが、視界は自分の周りの狭い範囲に限定されていた。今回は見通しの効く大群落の広がりと、圧倒的な密度を視覚的に実感することができた。これだけの密度の群落は、22年前の尾瀬の大江湿原以来のこと。あのときの感動が思い出されるが、面積は大江湿原以上かもしれない。

思わぬ展開で、最盛期の雄国沼に出会うことができた。できれば、雄国山を経由する「パノラマ探勝路」や、猫魔ヶ岳を経由するルートも歩いてみたいと思った。さて、これを書いている段階でも当初予定していた西吾妻山は歩いていない。史上最も早い梅雨明けも、今は「戻り梅雨」の只中で、見直しがかかるかもしれない。コロナ感染者も急激に増えてきて、今年の山歩きの計画も翻弄され続けている。

2022.07.21. by TAKASKE

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