蔵王山(坊平スノーングシューイングツアー)、2022年2月11日(金)、天候:晴ときどき曇
コース:ライザワールドスキー場ペアリフト終点(標高1446m)−お田神(標高1550m付近)−ペアリフト終点−クワッドリフト終点−スキー場レストラン
蔵王の坊平エリアをスノーシューで歩いた。ライザワールドスキー場のリフト終点を下りれば、そこには樹氷原が広がっていた。背の高い樹氷の数々がまさに最盛期を迎えていた。そこからスノーシューで高度を上げていけば、刈田岳まで見渡せる場所に出て、前山から杉ヶ峰にかけての南蔵王まで見渡せることができた。また、様々な表情の樹氷を見ることができた。このまま、刈田岳まで行きたい気分になったが、西から雲が押し寄せて来たため、ここで引き返してスキー場を通って下山した。
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蔵王の樹氷は毎年見たいと思いながら、タイミングを逃し続けている。2017年3月に満足できる姿を見ることができたのが唯一で、2月に入ると暖気の流入に伴い樹氷は崩れてしまう。一度崩れると、再び成長した姿を見せることができずに冬が終わることも多いので、暖気の流入前に見ることが出来るかがポイントになる。この冬は、年末から1月前半にかけて小刻みに寒波がやってきて、1月下旬に寒さが緩んだが顕著な暖気は来ずに、2月に入って持続的な寒波が到来した。ここから先、寒さが緩むタイミングに入るため、暖気がいつ入っても不思議ではない。身体が鈍っている心配があるが、この日しかない、と蔵王を目指した。
昨秋の山行で、主稜線よりも坊平エリアのアオモリトドマツが健全であることもわかっていた。立ち枯れの目立つ主稜線をパスして中腹の坊平へ。目指すは、ライザワールドスキー場。天候は午前中よりも午後の方が回復するという。昼頃に到着することにして、無理のない時間に出発した。2時間余りでライザワールドスキー場に到着した。クワッドリフトとペアリフトを乗り継いで標高1446mの終点に降り立った。そこには、見事な樹氷原が広がっていた。
スキーヤーとボーダーの滑る中、スノーシューを履いて山側に向けて歩き出す。背の高い樹氷が林立している。青空と適度な量の雲を背景に、純白の姿を惜しげもなく見せている。振り返れば、太陽の逆光線に浮かぶ樹氷群が光と影の織りなす立体的な様相を見せている。バックカントリーのコースが設定されていて、踏み跡を辿って標高を上げて行くことができる。一旦平坦な場所に出てから少し急な斜面を抜けると、緩斜面が続いて登り切った場所から大展望が広がっていた。行く手に刈田岳の鳥居を見ることができた。案外近いところにある。右に目を転ずれば、前山から杉ヶ峰にかけての稜線が見て取れた。
刈田岳まで歩いて行きたくなる衝動に駆られたが、振り返れば西の空から灰色の雲が押し寄せてきた。太陽が隠されるのも時間の問題、濃密なガスに巻かれるのも確実な状況で、ここで引き返すことにする。逆光に輝く背の低い樹氷を見ながら高度を下げて行くと、やがて陽射しが翳って青空もみるみる雲に閉ざされてしまった。遠くの陽射しの当たる斜面に対して、手前の樹氷はシルエットとなって浮かぶ。スキー場のエリアに入れば、あとは淡々と下るだけ。標高を下げればアオモリトドマツがブナの斜面に変わる。リフトで下りることはできないので仕方なくゲレンデの端を麓のレストランまでスノーシューで歩いて下った。
今年初めてのスノーシューは、最盛期の樹氷に出会えた印象深いものとなった。特に、ペアリフト終点のやや上部は、背の高いアオモリトドマツの樹林が広がっており、見事な樹氷群を形成していた。昨秋の南蔵王の山行で遠望したときの見立て通り、今までで一番の素晴らしい樹氷の光景を目にすることができた。刈田岳が思ったよりも近く、もう少し早くに出発していれば、と少しだけ後悔したが、お田神の展望地からも前山から杉ヶ峰にかけての山岳展望も得られたので、これだけでも大満足だ。
ネットの記事で見掛けたが、蔵王スキー場最上部の地蔵岳の樹氷群は立ち枯れにより、ボリューム感のあるモンスター群が見られなくなっているとのこと。坊平でも数本、立ち枯れた木があって骸骨のような樹氷になっていた。アオモリトドマツが立派なモンスターになるのは、葉が伴ってこそであった。まだまだ坊平のアオモリトドマツは健全であるが、将来的には心配だ。
さて、次回は栗駒山を歩きたい。蔵王エリアはスキー場の中を歩いたりリフトに乗ったりと、町の中を行く感覚に近い。それに引き換え、真冬になると施設に容易に近づけない栗駒山は、大自然の中、限られた者だけが入ることが許される世界になる。日本有数のブナ林や広大な湿原、そして山岳展望を愉しみたい。
2022.02.23. by TAKASKE
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