栗駒山(世界谷地〜千年クロベ)、2021年10月24日(日)、天候:晴ときどき曇

コース:世界谷地駐車場−世界谷地第二湿原−大地森分岐−千年クロベ分岐−千年クロベ(往復)

大地沢過ぎて高度を上げれば、ブナ林の黄葉のトンネルが続いた。

世界谷地から千年クロベまで深いブナの森を歩いた。行きついた先の千年クロベは変わらぬ貫禄を見せ続けていた。この日は地元の転勤族仲間6人で、楽しい秋の山歩きとなった。

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栗駒山の南側から西側の山腹に広がる広大な斜面は、日本有数のブナの森だ。今回は、湯浜から黄葉のブナ林を抜けて千年クロベを目指すことにする。この企画に2組の夫婦が乗ってきて、6人編成の山行となる。ところが、前日から寒気が強まり、山は白い雲にすっぽり覆われてしまった。容赦なく寒風が吹き下ろした。湯浜温泉の三浦旅館に電話してみると、なんとみぞれが降っていて国道398号線は温湯でゲートが閉まり通行止めとのこと。結局、日曜日の朝も通行止めは解除されなかったので、行き先を世界谷地に変更して歩くことにする。

世界谷地入口の駐車場は、意外なほどに車が多かった。といっても20台ない程度だが。湯浜から変更した人たちもいるのかな?グループで来られた方も何組かいた。さて、ここから歩き出す。最初の短い登り坂にはいつも、心が萎えてしまう。ブナの二次林に入れば、あとは快適な水平道で、第一湿原はやり過ごし、第二湿原へ。栗駒山の本峰は雲が覆い被さって、風も強い。濡れた木道を慎重に行けば、なんと、手前に見える大地森には虹が架かっていた。大地森は全体が染まって見えるが、山裾のあたりはやや緑色を残しているようだ。

第二湿原からブナの原生林へと歩を進める。風が強く、陽射しは時折翳っている。大地森分岐を過ぎて古道の森へ。このあたりのブナは記憶していたよりも、立派な大木が次々と現われる。しかし、葉はまだまだ緑色で、わずかに染まり始めたばかりだった。大木の周囲には太さが揃ったようなブナが数多く、まさに「マザーツリー」であることがわかる。ほぼ水平な道が続き、やや高度を下げれば大地沢の渡渉点。ロープに捕まろうとする同行者を制して、渡渉ルートを案内する。対岸に渡って見上げれば、行く手のブナは黄色に染まっていた。

大地沢を過ぎれば短い区間だがグイグイと高度を上げる。見上げるブナの葉がみるみる染まってくる。そして、登り坂が緩やかになると一帯はブナの黄葉がトンネルとなって続いていた。黄葉の奥には青空と、そして流れる白い雲がいいバランスとなって配置されていた。ほかの皆さんは、近づいてきた千年クロベへの分岐が待ち遠しいようだが、僕にとってはこの黄葉のブナ林に包まれた時間に幸せを感じていた。

千年クロベの分岐から林道だったルートを歩く。時が止まった軽トラの佇まいを横目に、巨木を目指す。以前よりも踏み跡がはっきりした分岐を行けば、手前の通称「500年クロベ」を抜けて、2年ぶり3度目の対面を果たした。根を保護するためにロープが張られていて、15mほどの距離がとられていた。巨木を目に焼き付けたら来た道を引き返す。林道の小桧沢の橋の上でランチタイム。この日は入れ替わり立ち替わり千年クロベにやってきて、小桧沢の橋の上で3組がランチをとる盛況ぶりだった。

帰りは淡々と・・・と行きたいところだったが、大地沢の渡渉点でMackeyが足を滑らせて靴の中に水が入るアクシデントが。タオルで拭き取ったものの、両足をジメジメさせながら歩く羽目になった。足元を見ると、ホオノキの落ち葉が目立っていた。まだ、ブナの木は染まり始めたばかりだが、ホオノキは一足先に落葉することを実感した。大地森分岐で最後の休憩をとり、その後は陽射しが翳った林を抜けて、再び第二湿原を行く。栗駒山本峰はまだ雲を被っていたが、上部が冠雪していることが見て取れた。世界谷地入口の駐車場に戻ったのは、出発から約7時間後のこと。やっぱりガッツリ時間が掛かった。



世界谷地第二湿原を行く
※Mackey撮影



大地森に虹が架かっていた。



朝日を浴びるブナ林



古道の森のブナの根元



風格ある姿は「マザーツリー」



大地沢を渡る
※Mackey撮影



黄葉を纏うブナの姿


青空に映えるブナの黄葉


林道に出て小桧沢を渡る


2年ぶりの千年クロベとの対面
※Mackey撮影


手前にある通称「500年クロベ」


染まる山肌を見ながら帰路につく
(雲が青空とバランスしている)
 

何度も見上げてしまう


奥に大地森のシルエットが浮かぶ


こちらにもマザーツリー
(この辺りは染まっていない)


ホオノキの落ち葉がたくさん


栗駒山の上部は冠雪していた
     


3度目の千年クロベ、変わらずに貫禄ある姿を見せていた。周囲が落葉してからの方が、より存在感が増していたに違いない。湯浜からのプランが変更になってしまったのは想定外だったが、古道の森ルートの深いブナ林の魅力を改めて知ることができた。皆さんにも満足して頂けたようだ。

ブナの黄葉についてはややピークより早かった。ピーク時季を読むのはなかなか難しい。直前になって冷え込みが厳しくなったものの、染まっていたのは大地沢を過ぎて高度が上がったエリアが中心で、出来れば湯浜のブナ林を歩き直したいと思ってしまった。

2021.10.31. by TAKASKE

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