蔵王山(杉ヶ峰、芝草平)、2021年09月20日(月)、天候:快晴
コース:刈田峠駐車場−前山−杉ヶ峰−芝草平(往復)
南蔵王を刈田峠から芝草平まで歩いた。1年に1回あるかどうかの快晴で、南東北から北関東方面の山々の大展望に恵まれた。芝草平の湿原は草紅葉の中に、池塘が青空を映し出していた。周辺の山肌も赤と黄色に鮮やかに染まっていた。
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8月よりコロナの緊急事態宣言が宮城県にも発出され、巣ごもりを余儀なくされた。相変わらず仕事も忙しかったが、緊急事態宣言が明けて、そろそろ蔵王の紅葉と出掛けることにした。前日から抜けるような快晴で、この日も快晴が続いていた。蔵王エコーラインを車で登って行けば、刈田峠に近づくにつれて紅葉が鮮やかさを増してきた。刈田峠の駐車場はあふれんばかりの車の数だったが、なんとか隅の方に車をねじ込む。当て逃げされることも半ば覚悟の上で。
アオモリトドマツの中を出発。そこは既に1600mを越える標高で、チングルマが鮮やかに紅葉している。避難小屋付近の樹林帯を抜けて前山への登りにかかると西側の展望が開けて、山形県の山々が盆地を挟んでくっきりと見える。特に、朝日連峰は大朝日岳から以東岳がはっきりと同定できる。隣に飯豊連峰と吾妻連峰から安達太良山にかけての連なりも見て取れた。更に、標高1745mの杉ヶ峰へ向けて登れば、北西側に月山が姿を見せ、北東側は船形山とその奥に「我がホームグラウンド」の栗駒山もうっすらと見て取れた。栗駒山からも蔵王連峰は見えていたので、きっと栗駒山に違いない。
杉ヶ峰を過ぎれば、なだらかな稜線を描く屏風岳が行く手に広がり、その手前の鞍部には草紅葉が染まる湿原が見て取れた。芝草平の手前では、登山道の整備が行われていたが、待望の芝草平へと入っていくと、背後の屏風岳の山肌が一段と鮮やかな錦繍模様を描き、その中に黄金色に輝く湿原が展開していた。縦走路から分岐する木道の行きつく先で昼食を摂るが、ここは池塘がコバルトブルーの空の色を映し出して、鞍部の向こうには吾妻連峰と安達太良山がバランスよく収まっていた。大自然が作り出す素晴らしい構図に、ただシャッターを押していればよいだけであった。
あわよくば屏風岳まで登って往復したかったが、芝草平で十分満足できたし、Mackeyもここで引き返そうということで、来た道を戻る。気温が上がってきたのを体感しながら刈田峠までの緩いアップダウンを抜けていく。樹氷を形作るアオモリトドマツは、半分くらいが立ち枯れた状態で、松くい虫にやられているという。このまま被害が拡大し続ければ、あの見事なスノーモンスターは見られなくなるかもしれない、と心配になる。
刈田峠駐車場に戻ったら、最後は車でシンボルのお釜を見に行く。快晴に緊急事態宣言明けで、お釜を目指す車は大渋滞だ。まだ宣言中の関東ナンバーの車もかなり見掛ける。こちらは県境を越えないようにしているのだから、来て欲しくないものである。それにしても、ここまで快晴のお釜を目にするのは初めてで、なんとなくご褒美を頂いたような気分であった。蔵王エコーラインを下って遠刈田温泉に浸かってから帰宅した。
初めての秋の蔵王、そして初めての南蔵王は、好展望に恵まれ、そして紅葉に彩られた快心の山行となった。芝草平は前々から行きたかったが、チングルマが見頃の時期は、刈田峠駐車場が大混雑で朝7時でも止められないほどなので、100km以上離れた所から馳せ参じるには平日しか難しい。宮城県に来て10年以上経つにもかかわらず実現できずにいたが、急に思い立って、「秋の芝草平」を歩いてみたいと向かうことにしたのだ。草紅葉と山肌の紅葉が合わさった、見事な光景は期待以上であった。
蔵王でここまでの展望に巡り合えたのも初めてのこと。真西に広がる朝日連峰が壮観で、北は月山と栗駒山、南は那須連山に北関東の山までも(山座同定できなかったが距離的にも北関東辺りと思われる)望むことができた。おそらく南北250km以上の距離の山々を見渡すことができた。
アオモリトドマツの立ち枯れは本当に気になるところである。今回の山行で目にした中でも、おそらく半分程度は立ち枯れていただろう。救いだったのは、杉ヶ峰から見下ろしたところ、坊平のエリアは立ち枯れがほとんどなかったこと。坊平から刈田岳へのスノーシューイングツアーを前からやってみたいと思っていたので、この冬こそは見事なスノーモンスターを抜けて山頂に立ってみたい。
2021.09.26. by TAKASKE
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