栗駒山2017年10月01日(日)、天候:曇のち晴

コース:須川温泉−名残ヶ原−昭和湖−天狗平−展望岩頭−天狗平−昭和湖−名残ヶ原−賽の河原−須川温泉

龍泉ヶ原と紅葉の斜面を俯瞰する。鮮やかな色彩美が展開していた。
(展望岩頭より)

紅葉の栗駒山を今年も歩いた。須川コースを登り、天狗平の西にある展望岩頭から天馬尾根の斜面や龍泉ヶ原を見下ろした。大渋滞の山歩きであったが、「栗駒山の奥庭」の色彩美あふれる光景を初めてこの目で見ることができた。

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10月1日の予報は太平洋側も日本海側も晴れの一発マーク。この日に登るしかない。目指すは一つのテーマとしていた「秋の天馬尾根」である。この予報は前日まで変わらなかったのだが、気がかりは天気図。東北地方は高気圧の北の縁に位置するため、西風の影響が気になる。
当日の朝、須川温泉へと車を向ける。今日は単独だ。国道398号線で湯浜峠を過ぎれば、栗駒山は雲を被っていた。8時半近く、須川温泉に着けば温泉旅館前の大駐車場は満車。天馬尾根を目指すので秣岳登山口の方向に引き返すが、国道342号線との合流近くの駐車場が空いていたので、ここに車を止めた。秣岳登山口は須川温泉から40〜50分程度。ここからであれば10分程度縮められるので、よしとしよう。

ところが、意外な展開になる。登山口を履こうとしてふと見ると、ソールに亀裂が横方向に走っていた。購入して丸5年、6シーズン目で今年で終わりかもと漠然と考えていたのだが、その瞬間が目の前に来ていた。しかも、歩いている途中で突如発生するかもしれない。もう少し注意深く見ておけばよかった。嗚呼!何たる失態か!
ということで、出来るだけ短いコースに急きょ変更することに。いつもの須川コースになってしまった。まあ、仕方ない。大勢の登山客に囲まれて歩くことになる。

見慣れた須川の源泉を尻目に歩き始める。名残ヶ原は遠くから見ると蟻の行列のよう。そして、やっぱり天候は冴えない。山腹まで鉛色の雲が被っている。最悪は昭和湖引き返しだ。こうなると楽しみは温泉だけになってしまう・・・
とりあえず昭和湖まで来た。お弁当を半分食べて様子を見る。小雨も降ってきて、あきらめて下山していく人も多い。さらに登っていく人もいて、こちらの可能性に賭けて再び登り出す。樹林帯を抜けたら栗駒山の北斜面が広がるはずだが、ガスに包まれていた。

ところが、天狗平に向けて登っていくうちに、空が明るくなり始めて、やがてガスが切れてきた。目の前に紅葉の斜面が広がってきて、大勢の登山者から歓声が上がる。斜面は少しずつ、少しずつクリアになってきた。天狗平に着いてすぐに天馬尾根方面に向かう。雲は多いものの陽射しも出てくる。そして、計画を縮小して折り返し点に設定した展望岩頭に着く。眼下に見事な色彩美が展開していた。今となっては足を踏み入れることができない龍泉ヶ原は草紅葉、秣岳を目立たせている天馬尾根は鮮やかな斜面。そして、北に視線を移せば剣岳と昭和湖。昭和湖手前の斜面も色彩豊かであった。のんびりとこの風景を眺めながら、いつまでも留まっていたい気分に浸っていた・・・

西風に乗って雲が次々に流れて、天馬尾根の斜面がまだら模様を描いている。一旦あきらめた天馬尾根を下山ルートとして歩こうか・・・そんな気にさせられる天候の回復であったが、登山靴のことが頭によぎり、無理をせずに須川コースを戻ることにした。テーピングを靴に巻き直して出発。のんびりと解放的な気分で歩けたのは天狗平までの10分間。あとは再び登山者の行列につかまり、思い通りのペースとならず、雨の直後でぬかるみに足を汚しながら下り続けた。登山靴のテーピングは気休め程度で、つま先のテーピングはすぐに取れたが、何とかソールは保った。名残ヶ原から賽の河原を回って、剣岳を見上げる。須川高原温泉と栗駒山荘の間にある駐車場に下り立って、あとは国道342号との合流点付近の駐車場に戻った。

午後2時過ぎ、まだ時間が十分にあったので、須川高原温泉の露天風呂「大日湯」に入る。硫黄の香りに包まれた濁り湯に身を浸す時間は最高だった。




名残ヶ原を行く
(山腹まで雲が被る)



ゆげ山と剣岳



天狗平に向けての登り
(雲が切れ始めた)



展望岩頭から天馬尾根
(稜線上のピークが秣岳)



龍泉ヶ原は草紅葉に染まる
(展望岩頭から)



展望岩頭から剣岳と昭和湖



昭和湖と紅葉の斜面

 
 
昭和湖の奥、天馬尾根の稜線

 

賽の河原から剣岳を間近に仰ぐ

     



今年も紅葉の栗駒山を歩くことができた。当初予定していた秋の天馬尾根は、靴の劣化を見逃す失態により来年以降にお預けとなった。天狗平付近は紅葉も散り始めていて、ベストの状態ではなかったが、展望岩頭から見下ろす光景は印象的であった。最初は雲に覆われていたが、あきらめずに登った甲斐があった。

さて、来週からは紅葉のブナ林を愉しむことにするか。去年は4週連続で秋の栗駒山に通い詰めた。今年はどうするか?本格的な山歩きをするためには、登山靴を買い直すというミッションをクリアせねばならない。仙台に行くか、東京まで出るか、それともこの秋は大人しくしているか、なんとも悩ましい状態に陥ってしまっている。

2017.10.04. by TAKASKE

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