焼石岳(1,548m)、2017年06月24日(土)、天候:晴
コース:中沼登山口−中沼−銀明水−姥石平(東焼石岳分岐往復)−焼石岳山頂−姥石平−銀明水−中沼−中沼登山口
2度目の焼石岳に登った。前回と同じ中沼コースを往復した。今回は天候に恵まれ、中沼から山頂に至るまでのルートは瑞々しさに満ちたまさに「花街道」と呼ぶにふさわしかった。また、山頂近くの台地である姥石平は、ハクサンイチゲはピークをやや過ぎていたが、それでも多くが咲き残っていて、お花畑の素晴らしい光景を見ることが出来た。前回にも増して魅力を満喫した山行となった。
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今回は地元の友人と登ることになった。前回は4年前、中沼コースの往復は中腹までがガスの中で、山頂手前の草原でようやく青空の下を歩くことができた。素晴らしい魅力を持った山ではあったが、単独で登るには相当の覚悟が必要なことを改めて感じ、体力的にもかなり厳しいことを実感した山行であった。ホームグラウンドの栗駒山の北隣にありながら、「近くて遠い山」の存在になっていた。前夜の11時半頃につぶ沼のキャンプ場に着いて、車中泊。夜が明けるのを待って、午前4時に移動を開始、ダートの道を7km進んで4時半過ぎに駐車場に着けば、3分の1ほどが空いていた。朝食をとってから身支度を整えて出発。5時半前、ようやく朝陽が降り注いできたところである。
ズタヤクシュ咲く樹林を登る。歩き始めのペース作りが苦手で、どうしてもオーバーペースになってしまう。胸が苦しくなってこれはマズイと思ってペースを緩める。着実に足が進められるようになって登りついた中沼は、朝陽を浴びて輝いている。残雪の峰が水面に映えていて、ため息が出るほどに美しい。中沼から先は、無理のない登りが続く。所々に雪渓も現れて、雪解け水が沢のようになっているところもある。上沼は休憩を入れずに通過する。リュウキンカやミツガシワなどの湿原の花とサンカヨウにシラネアオイ、ショウジョウバカマにムラサキヤシオツツジなども競演する。見事なブナの樹林も見られるが、写真は下山の時と決め込んで先を急ぐ。
ミズバショウとリュウキンカが競演する中を登り続ける。この辺りまで来ればミズバショウは可愛い花をつけている。大規模な雪渓を登り、つぶ沼コースとの合流を過ぎればやがて銀明水へ。冷たくて美味しい水だ。少し長めの休憩をとってから出発する。大規模な雪渓の横断が続き、高度を上げて行く。雪渓を抜けてからは、灌木の中を登る。足元は露岩が多く、時折沢を渡ったりぬかるみの上を飛び石伝いに歩く。シラネアオイは至る所に咲き、コイワカガミが現われれば山頂部の草原は近い。広大な台地を一段上がったところからハクサンイチゲが顔を出す。徐々に増えてきて、焼石岳の本峰が全容を見せたところが姥石平の分岐点であった。
姥石平の分岐点から東焼石岳の分岐点の間に広がるお花畑は、緩やかに高度を上げて行く。ハクサンイチゲとミヤマシオガマが圧倒的に多く、チングルマやイワカガミ、ハクサンチドリが所々に交じる。姥石平分岐点付近では散り始めていたハクサンイチゲは、東焼石岳分岐のあたりで一番の見頃となっていた。純白が際立つその姿は乙女チックで、他の白い花と比べても格別の美しさである。正面だけでなく、逆光に輝くハクサンイチゲもまた見事だった。
姥石平分岐に戻り、今度は焼石岳の山頂を目指す。泉水沼の横に広がる雪渓を渡り高度を上げて行けば、岩稜に咲くイワベンケイやミヤマキンバイが増えてくる。なおもシラネアオイが咲く中をゆっくりと足を運びながら登り続けて、標高1,548mの山頂に立った。空気が水蒸気を含んでいて遠望は利かないが、東焼石岳から夏油三山にかけての山の連なりは見事だった。次々と人が登ってきて、山頂は賑やかになる。すぐに山頂を後にして姥石平分岐まで戻って、昼食をとった。お花畑の中での昼食は最高だ。
名残惜しいが下山を開始する。時間がかかった登りの道も下りはあっという間。雪渓を抜けて銀明水まで下りて、小休止。湧き水で喉をうるおす。樹林帯はエゾハルゼミの大合唱。高度を下げるほどに暑さを感じる。つぶ沼への分岐を分けて最後の長い雪渓を無事に通過すると、ここから先はブナ林が見事な中を下る。上沼で視界が開け、コバイケイソウが目を引く。再び樹林帯を緩く下れば中沼。最後のビューポイントだが、今度は水面に映る青空と雲が印象的だった。ここから中沼登山口までは、登りで感じたよりも急な下り坂だった。泥濘に靴を汚し、膝をガクガクさせながらようやく駐車場まで辿り着いた。午後1時を回っていた。
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梅雨入り後の時期、週間予報では直前まで悪天候が予想されていた中で、思いもよらない晴天に恵まれた中での山行だった。前回とは異なり終始、光と緑、花に空の青さと、色鮮やかな山岳風景が目の前に展開した。そして、姥石平のお花畑は盛りに近く、圧巻であった。再認識した焼石岳の魅力、それは、南隣の栗駒山のメインルートの華やかさと手軽さに比べて、メインルートでありながらの距離の長さ、奥深さ、さらには純粋無垢な佇まいといえよう。大切にしたい存在である。
中沼コースは最短ルートとはいえ、標高差800m、歩行距離12km。上部の飛び石伝いに歩くような足元も曲者で、下山時に最後の最後で踏ん張りが利かなくなった。雪渓歩きもあるけど。膝を傷めているMackeyにも見せたいが・・・朝早く歩き始めてゆっくり時間を掛けて登れれば・・・ 。今度は6月中旬、花の最盛期に歩きたい。
2017.06.30. by TAKASKE
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