秋田駒ヶ岳(1,637m)、2017年06月18日(日)、天候:晴のち曇

コース:駒ヶ岳八合目−片倉岳展望台−阿弥陀池−男女岳−阿弥陀池−横岳−焼森−駒ヶ岳八合目

男岳と女岳の間に田沢湖が見えた・・・
※Mackey撮影

雪解け後に咲き乱れる花を眺めに秋田駒ヶ岳を目指した。駒ヶ岳8合目を起点にした周回ルートは、濃密な花街道。まさに、百花繚乱の状態で愉しむことができた。前日に歩いた乳頭温泉郷はブナの二次林が青々として、エゾハルゼミの大合唱を反響させていた。

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17日(土)、この日は乳頭温泉郷の黒湯に泊まることになっており、天候も回復していないため移動日とする。13年前の6月中旬、まだ東京に住んでいた時に2泊3日で乳頭温泉郷を基点に、秋田駒や乳頭山などを歩き回った印象深い山行があった。今回は1泊のどちらかと言えばお気楽に近い山歩きになるが、二人とも50代になり体力も落ち、何よりも東北に住んでいることもあるので無理をしない。

昼過ぎに黒湯に着いて、まずは黒湯と休暇村の間に広がるブナの森を散策する。このあたりはスラリとした二次林が主体だが、所々に伐採を逃れた太い木が見られた。陽射しに輝く森は、まだ分厚くなりきる前の葉を纏っていて、グリーンシャワーが降り注いでいた。エゾハルゼミは恋の季節を迎え、大合唱が森全体に反響していた。林床にはマイヅルソウやユキザサなどの初夏の花が所々に見られた。空吹湿原を通って再び黒湯に戻れば、あとは白濁の湯に身を任せてのんびりと過ごした。



乳頭温泉郷のブナの二次林



太い木も見られた



ブナ純林のグリーンシャワー



ユキザサ
(葉の上に影が映る)



空吹湿原



ミズバショウの葉陰にリュウキンカ
※Mackey撮影



マイヅルソウは所々に群落を形成


 




さて、翌朝、この日が本番の山歩きだ。ブナ林は朝日に輝いている。アルパこまくさで車を止めて、バスに乗り換える。片道620円也(高っ!)。ブナ林を通り抜けて駒ヶ岳8合目はすでに樹林帯を下に見る高度(1,300m)だ。ただ、天候は早くも下り坂の様相か、雲が増えて陽射しは遮られつつある。足元を彩るのは、毎度おなじみのショウジョウバカマのほか、キスミレ、エゾイワハタザオ、目線を上に持っていけばムラサキヤシオやムシカリなどが今を盛りを咲いていた。灌木帯で遠望が利かない中、所々で視界が開けると、大白森や秋田焼山、さらに遠くに八幡平や森吉山が目に飛び込む。足元から広がる大地のうねりはすべてブナに覆われている。

高度を少しずつ上げていけば、ミヤマキンバイの鮮やかな黄色が現われ、目線の高さは満開を迎えているミネザクラがピンク色の花を惜しげもなく見せている。徐々に南側の展望が開けて田沢湖が見えてくる。左側には最高峰の男女岳が丸い頂を見せていて、やがて男岳がゴツゴツした稜線を伴いながら近づいてきた。回り込むように進み木道が現われれば阿弥陀池に着く。細長い池の北側を進んで最高峰の男女岳への登りにかかる。満開のチングルマに交じって、イワウメやミヤマダイコンソウなどの岩稜に咲く花々も現れる。山頂に立てば遮るもののない展望が開けるが、印象的だったのは男岳の向こう側に雲海越しに見えた鳥海山であった。同じく2000m峰の岩手山は、悠然とした様相でその非対称の姿を横たえていた。

阿弥陀池に下ってからは、横岳、そして焼森へと向かう。横岳への登りの途中でシラネアオイとサンカヨウを見る。サンカヨウは13年前に見て以来だったと記憶している。乙女チックな純白の姿が可愛らしい。横岳を過ぎて焼森へと向かえば、一転して砂礫の道となる。コマクサはまだ芽を出し始めたところで、じっと機会をうかがっている。焼森からは8合目のバス停へ向け最後の下りの道へ。谷間へと下りて行けば、ミヤマスミレの群落がお出迎え。そして突然、圧倒的な数のシラネアオイが前触れもなく現われる。サンカヨウは恥ずかしげに奥に見られたが写真にするには遠すぎた。ステップの刻まれた雪渓の壁を登れば、バス停はすぐそこ。最後はムシカリの花が見送ってくれた。





乳頭温泉の朝日に輝くブナ林



キスミレ
※Mackey撮影



ショウジョウバカマは至る所に



大白森と奥に秋田焼山
※Mackey撮影



優美な裾野を引く森吉山



ミネザクラは満開



片倉岳展望台から田沢湖



ミヤマキンバイも至る所に
※Mackey撮影



男女岳から鳥海山(手前は男岳)
※Mackey撮影



和賀山塊は黒々と横たわる



岩手山は悠然と聳える



コントラストで撮影が難しいイワウメ



チングルマは男女岳付近で満開



ミヤマダイコンソウ



湿った場所でシラネアオイを見る



シラネアオイの傍にサンカヨウ



焼森から手前に男女岳(奥は男岳)



ミヤマスミレ



谷間はシラネアオイの大群落



ムシカリの花は人目を引く
※Mackey撮影




期待通りの百花繚乱の山行を愉しむことができた。東北地方は梅雨入り前の最後の晴天で、気持ちのよい山行となった(梅雨入りは21日に発表された)。秋田駒ヶ岳の8合目を基点にした周回ルートは比較的手軽に歩けながら、数多くの花を愉しめる。年を重ねる中でも今後も訪れることができる貴重な存在になりそうである。Mackeyにとっては今回は、先月の低山(弥彦山)を除けば昨秋の栗駒山以来の本格山行となった。膝を痛めているが、このくらいの山歩きは今後も続けたい。私にとっては、次週の比較的ハードな山歩きに備えた足慣らしに利用させてもらった。

今回は、思いの外時間がかかった。下山後の汗流しは乳頭温泉郷に再び向かったが、Mackeyおススメで私が浸かったことのない妙乃湯は午後3時がリミットで断念。休暇村は午後4時まで入れるので、こちらにする。案外穴場的存在だが、二種類の湯を愉しむことができるのはこの上ない幸せだ。硫黄泉の露天風呂に浸かっていたら、見上げる視線はブナの二次林で、青々とした木々にエゾハルゼミの声が反響していた。最後まで満足の時間を過ごすことができた。 

2017.06.25. by TAKASKE

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