栗駒山(1626m)、2017年04月30日(日)、天候:快晴

コース:いわかがみ平−(中央コース)−栗駒山頂−(残雪期バリエーションルート)−いわかがみ平

残雪の栗駒山本峰が眼前に迫る。

残雪期の栗駒山を初めて登った。つぼ足とスノーシューを併用して、ようやく山頂に立った。下山路は中央コースから離れて雪に覆われた新湯沢に沿って下り、終始雪の上を歩いた。終始快晴の空の下、大満足の山歩きを愉しんだ。

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今日は地元の友達と残雪の栗駒山を歩く。Mackeyはお留守番だ。いわかがみ平に着いたのは8時45分頃のこと。すでに駐車場は車であふれかえっていた。この快晴の天気で、誰もが雪山歩きを待ち望んでいたのだろう。出発しようとしてふと見ると、駒の湯温泉のお手伝い仲間がいた。2泊3日で手伝いに入っている。写真を撮るためにいわかがみ平まで来ていたとのこと。

登りは中央コースを忠実に行く。ほぼ夏道に沿って歩けば、雪と地肌が交互に現れる。つぼ足で余裕の登りが続くが、前を歩いている友人が時折、ストンと20cmほど頭が下がる。腐った雪を踏み抜いてしまう。それでも、無雪期では灌木に遮られる展望が、残雪の上では得ることができて、中央コース独特の息苦しさは感じない。南西の方角に視界が開ければ、蔵王連峰から船形山、鬼首環状盆地を縁取る禿岳などの山々と、その奥に月山と朝日連峰が認識できた。遠望が利くほどの快晴だ。やや急な登りを過ぎれば、目の前にドーンと栗駒山本峰が聳え立った。

小休止して惚れ惚れする姿を眺めてから再出発。少し登った先からは雪が途切れないルートとなり、友人はアイゼンを、私は場違いな雰囲気もありながらもスノーシューを装着した。最後の登りは夏道よりも高い尾根を忠実に行く。北に焼石連峰が望めて、やや強くなった風に抗うように足を運ぶ。気温が上がってきたせいか、足元の雪はグズグズと崩れて踏ん張りが利かなくなって、すぐそこに見えている山頂が遠かった。なんとか山頂に着いた。初めての残雪期に踏む栗駒山の山頂。特に、足元から広がる残雪の斜面が収束するように浮かび上がる焼石岳の姿が印象的だ。西の鳥海山は霞んでしまっていたのは残念だが、それを除けば満足感に包まれていた。

帰路は登ってきた残雪の尾根を下る。行く手に大斜面が広がっている。山スキーやスノーボードを履いた人がスイスイと追い抜いて行く。僕はスノーシューをつけて下っていくが、雪がまるで砂浜のような感じで踏ん張りが利かない中、半分惰性で走るように下る。中央コースを右に分けて、雪の斜面の踏み跡を辿りながら下り続けた。振り返ればいつもと違った角度の栗駒山本峰が、まるで見送っているような姿を見せていた。登りの時間に比べてあっという間にここまで下りてきた。

再び雪の斜面を進めばいつしか新湯沢沿いに行く。対岸には東栗駒山のピークが間近だ。亀裂の入った雪庇の付け根の横を過ぎて新湯沢が近づいてくると、東栗駒コースが合わさる。そこから踏み跡は新湯沢の中に入ってひたすら続いていた。しばらく沢を下り続けるといわかがみ平のレストハウスの屋根が近づいてきた。沢から離れて最後は、スキー場のような広大な雪の緩斜面になって、何度も振り返りながらレストハウスに着いた。結局、山頂からずっとスノーシューを履いて下ったことになる。中央コースよりも楽しい残雪期限定のコースだった。




いわかがみ平から登り始める



残雪の山岳展望が広がる
(手前のピークは大地森)



禿岳・須金岳の奥に月山と朝日連峰



焼石岳も姿を見せていた



山頂は雪が消え始めていた



残雪の斜面を下り始める



中央コースから外れて残雪を下る



雪に埋もれた新湯沢沿いを歩く



いわかがみ平近くの広大な斜面



いわかがみ平は2m近い積雪




中腹歩きも含め35回目の栗駒山で初めて、残雪期に山頂を踏んだ。残雪期の栗駒山は、時折遭難騒ぎも起きているため、なかなか踏み切れなかったが、今回地元の友人と歩くことでようやく実現した。しかも、快晴の天気の下で、遠望もそこそこ利く中で登ることができた。今日登っていた人たちは、誰もが心の底から愉しんでいることがよくわかった。特に、下山路に使った新湯沢沿いに歩くルートは、終始雪の上を歩いたので、快適そのものであった。年によって雪の降り方が違うが、いわかがみ平まで開通してから ブッシュが顔を出すまでの期間限定のルートだ。

次回は、機会があれば須川からの残雪のコースも歩いてみたい。また、栗駒山のほかにも八甲田や八幡平、月山そして安達太良山なども残雪トレッキングとしては最高だし、夏山を経験したところであれば十分に愉しめそうだ。ただやはり、好天あってこその山歩きだ。ひとたび天候が悪化すれば、そこは死へと続く片道ロードになる。その点、栗駒山は前もって計画していなくても好天を確実に捉えて行ける、それでいて魅力度の高い山だと思う。

2017.05.03. by TAKASKE

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