栗駒山(スノーシューイングツアー)2017年03月19日(日)、天候:晴

コース:旧いこいの村跡駐車場−いわかがみ平(往復)/世界谷地入口駐車場−秣森−世界谷地第二湿原−世界谷地入口駐車場

秣森の山頂付近はブナの大木が林立していた。
※Mackey撮影

3週間前に登った栗駒山に再チャレンジした。晴れ間は見えていたが強風が吹きつけ、いわかがみ平で引き返した。消化不良を補うように世界谷地へと向かった。世界谷地第二湿原の東にある秣森は積雪期だけ行ける小ピーク。ブナの大木が林立していた。そして、探し続けていたブナの大木に出会うことができた。

※写真はすべてクリックすると別窓で拡大表示されます。


3週間前に初めて旧いこいの村跡からスノーシューで登った。いわかがみ平を越えてできれば山頂まで登りたい・・・そんな新たな目標を胸に栗駒山を目指す。今回はMackeyが用事で単独の山行。しかし、遠くから見た栗駒山の山頂は雲に覆われていた。そして、駐車場に着いて車のドアを開ければ強風が吹きつけた。スノーシューを履いて、とりあえず行けるところまで行こうと、20台余りの車が止まる駐車場を出発する。見事なブナ林の斜面を登っていく。青空に映えるブナ林を抜ければ、強風が雪煙を上げながら吹き付けてきた。3週間前に引き返したポイントを過ぎると、再び急斜面で踏ん張るように登った。

斜面が緩くなりなだらかな雪原が目の前に現れると、一際強い風にあおられる。行く手に東栗駒山の三角形のピークが認められるが、それも雲か雪煙に包まれる。いわかがみ平から引き返してくるスノーシューの人も現れて、稜線に出れば猛烈な風に襲われると言われた。今後も風が劇的に収まることはないし、何よりも単独で未知の領域に踏み出すには厳しい。雪煙の中、いわかがみ平の看板を見つけて懸命に強風に抗いながら進んだ。辿りついてホッとすることもなく、遮る場所もないのであっさりと引き返す。未練もなく、足元から広がる景色にポカポカとした下界を思い浮かべながら・・・

駐車場に着けば車は半減していた。まだ正午になっていない。車の中でお昼を食べていたら、思い付いた。そうだ、世界谷地へ、行こう・・・




行く手に風に煙る栗駒山
(いこいの村駐車場近く)



立派なブナ林の斜面



なおもブナ林の斜面を登り続ける



雪の斜面から下界を見下ろす
(櫃ヶ森と中ノ森が見える)



東栗駒山は雲と雪煙の中



強風のいわかがみ平
(ここで引き返す)



地吹雪の雪原
(スノーシューの男女が登る)



遮るもののない抜群の浮揚感
(画面中央に駐車場)


3週間前、駐車場まであと1kmの数又養魚場分岐のところで止まっていた除雪、無理だろうと思いながら進んで行ったら意外や意外、駐車場のところまで除雪がされていた。除雪されていなかったら山を下りようと思っていたので、俄然テンションが上がってきた。しかも、車を下りたらほぼ無風状態、ヨッシャー!2度目のスノーシュー装着。歩き始めて最初は緩い斜面を登っていく。ところが、雪が緩くなってきたせいか、ズボズボと足がもぐる。一歩一歩に力を入れないと進めない。歩くスキーの跡が雪面に刻まれているので、これを利用させてもらう。第一湿原の分岐まで来ると、なんとスキーの跡は湿原に行かずにそのまま夏道に沿って続いていた。これが運命なのだろう。第二湿原へ行こうとそのまま行くことに・・・

木々のテープやペンキが見て取れて、夏道は十分に把握できた
。カラマツ林を過ぎるとスキーの跡は、夏道を外れて第二湿原に下っていく。一方、夏道の右側には小さなピークのような高まりが見て取れた。誘い込まれるように小ピークへ向けて登りだす。斜度の緩いところにルートをとって登っていけば、小ピークに着く。ふと見ると、登り立った小ピークの奥に、もっと明瞭なピークを見つける。アッチャー!隣だったか・・・ 小ピークの北側を巻こうとしたが斜面が急過ぎて滑落しそうなので、小ピークの南側を巻く。目指す隣のピークこそが「秣森(まぐさもり)」であった。

無雪期には藪に覆われる小ピーク。ここを目指すのには理由があった。道しるべのない中、秣森のピークに向けて”野性の勘”(笑)を働かせて進んでいけば、斜面は緩くなり、そこかしこにブナの大木が現われた。1本1本が存在感を持って立っていた。そんなブナの森をなおも緩く登り続け、登りついたところに森の主は物静かに聳えていた。上げて行った視線の先に放射状に伸びる無数の枝を伴っていた。一際強い存在感は、まさに”メデューサ”の異名をとる姿だ。立ち止まり、しばし見とれる。そして、時計回りにゆっくりと回りながら、その姿の移り変わりを確かめる。何度も何度もシャッターを切る。そして、もう一周。なんとなく、この大木の周りに踏み跡をつけるのが申し訳ない気分になってしまった・・・

さて、「メデューサのブナ」を後にして、秣森を下り、世界谷地第二湿原へ。樹間から栗駒山本峰の白い姿が見え隠れしていたが、湿原に出たらどどーんと聳えていた。雲はすっかり払われていた。ただ、湿原に出れば風はそこそこ吹いていて、稜線がわずかに雪煙を伴っていることも見て取れたので、惜しい気持ちは全然ない。憧れのブナの大木に出会えたことと、滑らかな白銀の山肌が艶(なま)めかしいほどの美しさで目の前に聳えていたことに、例えようのない満足感を持っていた。駐車場まで引き返す余力も吸い取られた感覚に包まれていた。ようやく重い腰を上げて駐車場を目指す。相変わらず一歩一歩が沈み、踏ん張る脚はいつしか股関節が痛み出していた。来たときの踏み跡と合流すれば、帰るときの歩幅が短いことがわかる。最後は惰性のように歩いて駐車場に戻ってきた。今回も新湯温泉「くりこま荘」に浸かった。



秣森へ向かえば自然度が増す



ブナの大木が増えてきた



秣森へと最後の登り



圧倒的な枝振りのブナ
(メデューサのブナ)



世界谷地第二湿原に下り立つ
(栗駒山の山頂が姿を見せていた)



艶めかしいほど純白の斜面




残雪期の栗駒山の山頂は叶わなかったが、おまけのつもりで歩いた世界谷地方面が思わぬ濃密な時間となった。何度も行きたいと思いながら、そのディープなエリアから踏み出せずにいた秣森は、ブナの大木が点在する異空間であった。そこに行った者だけが感じる独特の雰囲気と、その中でも主役を張る圧倒的な枝振りのブナに心を奪われた。

中腹歩きを含めて30回を超えてもまだ新しい発見ができる栗駒山、今度は何処を歩こうかとまた色々と調べてしまう。そして、残雪期に山頂を踏むことは宿題として残ってしまった。旧いこいの村跡からだとやはり体力的に難しいかな。やっぱりいわかがみ平まで除雪されてからにしようかな・・・ 

2017.03.23. by TAKASKE

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