蔵王山(熊野岳スノーシューイングツアー)2017年03月12日(日)、天候:晴のち曇

コース:蔵王ロープウェイ山頂駅−地蔵山頂−ワサ小屋跡−熊野岳山頂(往復)

ワサ小屋跡付近にて、迫る熊野岳へ向けての登りが始まる
※Mackey撮影

前週にホワイトアウト状態で撤退した蔵王山に再び登った。白く輝くモンスターを眺め、地蔵山から熊野岳に向けて稜線を歩いた。スノーシューで急斜面を登り、連峰最高峰の熊野岳の山頂に立った。雲が多めではあったが、青空も出て、周囲の雪山も輝いていた。冬の山岳展望を心行くまで愉しんだ。

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ホワイトアウト状態の中、ロープウェイ山頂駅を後にした1週間前。温泉に浸かってから何気に視界を上げなかったら、来てなかっただろう。雲が取り払われて顔をのぞかせた白き山頂を見て地団太を踏んだ。樹氷はもう終わりだと決めてかかっていたから、また来年と思っていたのだが、悔しい思いが再訪を手繰り寄せた。月曜から金曜まで寒波が戻ってきた。そして、日曜日。口車に乗って再びのホワイトアウトを疑うMackeyのプレッシャーが突き刺さる中、やきもきしながら蔵王スキー場のライブカメラを見ると、山頂付近はどんよりとした雲が掛かっていた。やっぱり駄目か・・・諦めかけたところ、雲の切れ間から青空が見えてきた。よし、行こう!車を飛ばして2時間で硫黄の匂い漂う温泉街にやってきた。

腹ごしらえしてから、ロープウェイに乗り込む。午後1時を回っていた。地蔵山の斜面が白銀に輝いている!中腹の樹氷は先週の段階で崩壊していたが、冬型の気圧配置が続いて小さいながらも再形成されていた。上に行けば行くほど、雲が取り払われて青空が見えていた。ロープウェイ山頂駅を出ると、光がさんさんと降り注ぐ樹氷原が展開していた。地蔵山へ向けて登り始めれば、このあたりが丸々と太ったモンスター群。やがて、樹氷が減ってきたら地蔵山の山頂。最高峰の熊野岳の雄姿が飛び込んできた。北側には雁戸山の鋭鋒群、遠くに大東岳の特徴的な山容も認められた。これだけの欲しいままの展望が得られたら、のんびりと休んでからロープウェイに下ればいいかな、なんて考えていた。

ところが、朝、あれだけ疑いの目を向けていたMackey、熊野岳へ行こうと言うのだ。もう午後2時を過ぎている。ロープウェイ山頂駅に引き返す人はいるが、熊野岳へ向かう人はいない。去年の初夏に歩いたが近そうに見えて意外と遠い印象だった。1時間で着くとMackeyは気合い十分だが、果たしてそうだろうか、とこちらが半信半疑だ。引き返す時間の目安を午後3時に設定して熊野岳を目指して歩き始めた。しばらくは平坦な稜線上を進む。立ち並ぶポールに”エビのしっぽ”が付着して、このあたりの風の強さがわかるようだ。やがて”ワサ小屋跡”へ向けて下り始めれば、重量感のある熊野岳がせりあがってきて、斜面が壁のように見えてきた。

避難小屋へ向けて夏道を進んでいるとMackeyが直登ルートを要求する。最近にない気合いの入り方だ。疲れて汗が出てくるが、夏は岩がゴロゴロしているルートが雪で平坦になっていて、スノーシューで歩けばかえってスピードが出る。斜度が一段と増せば、辺りはエビのしっぽで埋め尽くされるようになる。その中を、呼吸を整えつつ上り詰めた先に、熊野岳の山頂を示す指導標があった。天気は下り坂に向かっていて、熊野岳から先に見える屏風岳は上空の雲に覆われていた。丁度午後3時になったので、ゆっくりせずに引き返す。戻る先の地蔵山もうっすらとガスがかかり始めていて、いやな予感が頭をもたげたが、それ以上天候が悪化することはなく地蔵山まで戻ってきた。

地蔵山までは、自分たちより後を歩く人はわずか1人だったが、地蔵山から山頂駅まではボーダーや観光客のエリアになり、緊張感から解放される。山頂駅の周囲に展開する丸々としたモンスターの群れにロープウェイや山頂駅、歩き回るスキーヤーやボーダーの姿もまるで箱庭のよう。4時を過ぎても登ってくる人たちがいる。こちらはモンスターの姿を撮りながら、
満足感に包まれて山頂駅まで下って、そのままロープウェイで下山した。最後はもちろんお約束の温泉。今週も硫黄の香り立つ、濃厚な酸性の湯で疲れを癒した。



地蔵山の稜線北側の斜面
(こちらの樹氷は痩せている)



樹氷の斜面へと向かう



青空に輝く純白のモンスター



晴れた日の「うつむく怪獣」



地蔵山頂に立てば熊野岳が聳える
※Mackey撮影



平坦な稜線を進む



雁戸山に遠く大東岳
※Mackey撮影



熊野岳の北斜面はエビのしっぽがビッシリ



熊野岳山頂に立つ



遠くに屏風岳
(雲が厚くなってきた)



熊野岳の西側の岩場 



ロープウェイ山頂駅に下っていく
※Mackey撮影
 



ロープウェイの斜面



山頂駅周辺のモンスター群



見上げるモンスターともお別れ

 



来てよかった・・・どうしても青空の下のモンスター群をこの目で見たかった。天候には直前まで悩まされ、多少ギャンブル的決断ではあったが、東北に来て6年間待ち続けた光景を見ることができた。実際に目にするとやはり格別であった。そして、モンスター群の先には、冬の一級品の山岳展望が待っていた。

最高峰の熊野岳まで歩いたのも大きな収穫。自分的には地蔵岳かワサ小屋跡付近で引き返せばよいと思っていたが、この日のMackeyは気合十分。引っ張られるようにグイグイと登る。去年新調した新しいスノーシューも威力を発揮した。もし、機会があれば、来シーズンは坊平からお釜までのツアーに挑戦したい。残りのスノーシューシーズンは、残雪の栗駒山をできれば山頂まで歩いてみたいものだ。 

2017.03.15. by TAKASKE

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