鳥海山(中島台)、2016年06月04日(土)、天候:晴
コース:中島台レクリエーションの森駐車場−アガリコ大王−出壺−鳥海マリモ群生地−アガリコ大王分岐−中島台レクリエーションの森駐車場
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力強い森の主に再び逢えた |
鳥海山の北麓に広がる中島台の森を再訪した。初夏の陽射しにアガリコの森は輝き、再会した「アガリコ大王」は主の風格を漂わせていた。森の中を縦横に流れる水は木々の葉にその音を反響させていた。山麓の名瀑や象潟の史跡にも立ち寄って、鳥海山麓の魅力を愉しんだ。
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Mackeyの友人の女性が東京から遊びに来た。彼女は年に2回くらいは来て、我が家をベースキャンプに東北の各地を旅しているのだが、今回は我々のおススメのエリアとして鳥海山麓にドライブに行くことにした。片道170kmほどを高速を使わずに行く。4時間半ほど掛けて11時過ぎに「中島台レクリエーションの森」の駐車場に到着した。
この日は晴れていたが風が強い中での森歩きになる。ハルゼミが蝉しぐれとなって降り注ぐ中をスタートする。すぐにブナやミズナラの奇形樹「アガリコ」が登場する。昔はこの森の中で暮らしを営んでいた人々の集団がいたことに、改めて想いを巡らせる。低木や下草も陽射しに輝き、この日もまたグリーンシャワーを浴びる。沢を渡って行けばアガリコ大王の分岐に着く。
アガリコ大王の分岐から先は、一層の森閑さを醸し出すエリアだ。秋の紅葉(黄葉)の時期は葉が落ち始めてもう少し明るかった。歩道の脇にある「燭台ブナ」も十分な貫禄で、真横から見た姿が一番インパクトがある。更に進み、炭焼き窯跡からわずかに登れば、「アガリコ大王」との再会だ。Mackeyの友人もその姿に見入っている。ここで昼食をとりながらの長めの休憩とする。独特の雰囲気を醸し出す巨木の下でエネルギーを充電して出発する。
アガリコ大王の分岐に戻りそこから周遊の道を行く。水の流れが近づいてきて、至るところで細い流れを越えて行く。水の音が木々の葉に反響している。やがて「出壺」に着く。ここは、大量の伏流水が静かに湧き出す場所で、水底から湧き上がる様子を見ているうちに、まさに天然のサイフォンであることが実感できた。さらに、小刻みなアップダウンを経て続くアガリコの森や、湧き出た水が集まる場所を抜けて、「鳥海マリモ」へ。あまりマリモを実感できないまま、陽光を照り返しながら流れる水を暫し眺めてから、短い急坂を登れば出壺へ行く道に戻った。あとは来た道を戻るだけ。蝉しぐれの中を歩き沢を渡れば、間もなく駐車場に出た。出発から3時間近く、意外と時間がかかっていた。
このあとは車を走らせて鳥海山の西側へ。中島台にほど近い奈曾の白滝、元滝伏流水と続けて立ち寄る。両方とも滝を目にするまで10分程度あるくので、意外と疲れる。元滝伏流水などは、近くにあれば何度でも訪れてのんびりと半日くらいじっと休んでいたい場所だ。写真とともに持ってきたスマホで動画を撮る。心地よい音に去り難い気持ちを抱えながら滝を後にする。そこから今度は、海岸へ向けて車を走らせた。行く手に海を見ながら下って行く。次の目的地の蚶満寺は松尾芭蕉の奥の細道の北限の折り返し点で、「象潟や
雨に西施が
ねぶの花」と詠んだ場所。鳥海山の大崩壊による流れ山地形が顕著で、当時は海中に浮かぶ島々であったものが、地震で隆起して陸化している。境内も趣きのある佇まいで、時の経つのを忘れさせた。
最後は、蚶満寺から目と鼻の先にある道の駅象潟「ねむの丘」に行く。ここの道の駅は寄る価値がある。名物の「鰰寿司」が売っていたり、秋田の銘酒も数多く扱っている。極めつけは、温泉があること。最上階の4階から湯船に浸かりながら海に沈む夕日が見られるのだ。改めて思ったのは、循環式ではあるものの、ほのかにモール臭を漂わせる強食塩泉という泉質だ。舐めてみるとかなりの濃い塩味を感じた。あいにく雲が立ち込めてお目当ての夕日は見れそうもなく、お風呂を出た。18時半になっていたので近くの食堂で海鮮丼を食して、そのあと再び170kmの道のりの一般道を、Mackeyと交代しながら家まで帰る。17時間に及ぶ日帰り旅が終わり、さすがに疲れ果てた。
中島台の森を訪れたのは3回目。初夏の中島台は2年ぶり2回目のことだ。アガリコ大王の雄大で力強い姿にエネルギーをもらい、鳥海山から流れ下る水の音が木々の葉に反響する中を歩いた。やや暑い日であったため、清涼感も味わうことができた。この日も日帰りの旅となった。なんとか日帰りができる距離であるためか、ゆっくりできない。Mackeyの友人も存在は知っていたが訪れたのは初めてで、満足だったようで、再訪を画策していた。また、黄葉シーズンに来てみたいと思う。今度こそ、泊りで・・・できるかな?
2016.06.13. by TAKASKE
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