自鏡山(314m)2015年12月13日(日)、天候:曇

コース:吾勝神社表参道入口−吾勝神社本殿−自鏡山頂(往復)

登りの後半、吾勝神社本殿に向かう石段が続く

岩手県と宮城県の県境付近、南部神楽発祥の地とも言われる自鏡山に登った。端正な形をした300m余りの低山は、自然林も多くブナの大木も見られた。中腹から続く石段の道と、吾勝神社本殿の周辺は信仰の深さを示すような雰囲気に満ちていた。山頂からは雪を被った栗駒山が木の間越しに認めることができた。

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「自鏡山」、この名前を知ったのは、ある南部神楽の大会でのこと 。このとき、解説をしていた方から南部神楽の発祥の地が自鏡山であると聞いた。調べてみたところ、自鏡山は岩手県一関市にあり宮城県栗原市との県境にほど近い標高314mの山であること、標高の低い割にブナの大木が多くそしてイヌブナとの混生が見られる学術的に価値があること、山頂からの栗駒山の展望や春になるとカタクリの群落が見られることなど、魅力ありそうな山であることがわかり二人で是非とも登りたいと思っていた。

朝は青空が出ていたので行くことにする。しかし、日曜の午前中、なんとなく家でウダウダしているうちに曇ってきてしまった。困ったもんだ。それでも、行くなら今日しかないと決めて車を走らせる。栗駒の町を抜けて三迫川沿いを栗駒山方面に向かって車を走らせる。国道457号線が一関(厳美渓)方面に分岐するところで、国道に従って走り山道を登って行けば岩手県に入る。やがて、平坦な場所に差し掛かると異空間のような雰囲気に満ち溢れる。なだらかな山のうねりの中に、三角形の端正な形をした山が現れた。これが自鏡山であった。

表参道入口から200mほど走ったところで、社務所の隣に車を停める。杉林の参道を少し行けば、自然林が広がりブナの太い木も至る所に見られるようになる。なかなか立派な大木も多い。緩く登って行けばやがて傾斜も増してきて、登り着いたところが広場となっていた。そこから鳥居をくぐったところから石段が始まる。この辺りは深い杉林となり、最初は比較的立派な石段が続いた。途中には「湯殿山」の石碑もあって、出羽三山の信仰と関係がありそうだ。一旦トラバースの土の道を歩いたのち、急斜面を一直線に続く石段が目に入った。

所々崩れかけた石段をひたすら登って行った先に吾勝神社の本殿があった。なかなか見事な彫刻が施されている本殿の建物と、狛犬などの石像や石灯籠が至るところに置かれていて、信仰の深さを感じさせる。本殿からは再びトラバース路を行き、自然林になったところで最後の急登をひと登りした所に山頂があった。小さな吾勝神社の奥社があり、木の間越しに栗駒山を認めることができた。曇り空だったので、食事を済ませてすぐに下山にかかった。淡々と来た道を下り続けて、登山口まで下り立った。帰り際に振り返ると、端正な形の自鏡山が手を振っているようだった。



表参道入口の鳥居



太いブナも見られる自然林



中腹の広場から石段が始まる



石段の途中「湯殿山」の石碑



吾勝神社の本殿



繊細な彫刻が目を引いた



境内の狛犬、石灯篭



こちらにも狛犬



布袋様の像も



山頂からは木の間越しに栗駒山も



コブだらけのブナの木



吾勝神社入口より



周辺一帯は別世界の雰囲気



端正な形の自鏡山

 



太いブナは確かにこのような低山では期待以上であった。神社の本殿や参道の石段の周りは杉林だったが、総じて自然林に覆われていた。自然と信仰が詰まったような、ある意味特異な雰囲気の低山であった。なんでも、自鏡山は吾勝神社の信仰により、周囲の山々とは異なり伐採から免れた自然林が残されているのだそうだ。行く前は低山なので冬にスノーシューで歩くことも想定していたが、思ったよりも急なので、今度は、春の芽吹きから新緑にかけての時期、陽射しの中でカタクリの花などを愛でながら登り、山頂から残雪の栗駒山を眺めてみたい。今日は、天気がよければもっとよかったのにな〜。


2015.12.20. by TAKASKE

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