栗駒山(湯浜〜古道の森)2015年10月18日(日)、天候:快晴

コース:湯浜温泉駐車場−湯浜温泉−古道の森分岐−古道の森・折り返し地点(往復)

古道の森分岐はブナの黄葉に包まれて

栗駒山の中腹、南西斜面にブナの森が広がっている。春に世界谷地から歩いた「古道の森」を今度は湯浜側から歩いた。深く、そして美しいブナの原生林が紅葉(黄葉)に染まり、緩やかな起伏や小さな沢を越えていく道をゆっくりと歩く充実の山行となった。

※写真はすべてクリックすると別窓で拡大表示されます。


国道398号線で花山付近を走らせる。まだ、どんよりと曇っている中、温湯温泉を抜ければ上り坂が始まる。高度を上げるにつれ雲が切れてきた。紅葉も一段と鮮やかさを増してきて、盛りを過ぎてしまうのではと心配になる。地元の方の情報では、この週末に世界谷地から変則十字路にかけてのブナ林も見頃との予測だ。湯浜コースのブナ林もきっと同じであろうと期待して家を出たのだ。やがて雲は完全に取り払われ、青空の下の山岳道路を行く。湯浜峠でブナ林の染まり具合を確かめる。と、どうだ。思ったよりも色あせていて、落葉が進んでいたのだ。ちょっと残念だ。なんとなく楽しみが半減したような気分になる。それでも気を取り直して湯浜温泉の駐車場に車を止めて、沢に向かって下りて行くと、斜面が鮮やかに染まっている。心配したほどではないと、ひと安心。



湯浜峠より
※Mackey撮影



陽射しに輝く紅葉の斜面



沢も染まっていた



行者堂へと立ち寄る


湯浜温泉の三浦旅館に寄って、登山届を出しつつ、千年クロベまでのコースの状況を確認。春は世界谷地から歩いたので、反対側から歩き、古道の森のブナ林を愉しむことが第一の目的だ。期待に胸を膨らませて出発した。行者堂に寄って、山行の安全と充実を祈る。登るほどに見事なブナの大木が次々に現れた。ブナの大木は鮮やかな黄葉を纏っているもの、まだ青々とした葉を残すもの、枯葉がほぼ散っているもの様々で、このときはまだ気付かなかったが、湯浜峠から見た落葉している姿もなんとなくわかるような気がした。4年前には湯浜コースと古道の森の分岐からわずかに湯浜コースを登ったところで引き返している。さんさんと陽射し降り注ぐ分岐点で一休み。



ブナの大木を見ながら行く



ブナを仰ぎながら行く



カエデも紅葉している



相ノ沢を渡る


分岐から少し行けばちょっとした急坂を下って相ノ沢の渡渉。三浦旅館のご主人さんが言う通り、大した渡渉ではない。春に行った大地沢とくらべたら全然余裕だ。再び登って平坦になると一段と見事なブナの大木を所々に見る。陽射しが強すぎてコントラストが大きく思ったような写真が撮れない。曇っていたり薄いガスがかかっていると、かえって色鮮やかに見えるのかもしれないが、贅沢というもの。天気には逆らえない。緩いアップダウンを繰り返し、沢音が聞こえるとわずかに下ったところで再び沢に出会う。写真を撮りまくっていたので、ここで12時半になったことから昼食をとって引き返すことにした。せめて小桧沢まで行きたかったが、大体わかったので昔のようにはガツガツしない。



ブナ鮮やかな古道の森
※Mackey撮影



極彩色の空間



オレンジ色の光に映える白い幹



この辺で引き返す
(静寂の森の中)


ブナ林の懐に抱かれるような場所を立って来た道を引き返す。この日一番の太くて背の高いブナ(今日の「ブナ太郎」)の写真を撮る。続いてサルノコシカケがビッシリ付いた朽ちかけた大木の写真を撮る。相ノ沢を再び渡るが、沢の周りの斜面はひときわ鮮やかだ。再び湯浜コースとの分岐でひと休み。どこまでも穏やかな秋晴れだ。白桧沢のあたりも色鮮やかな感じだが、そこから登り返したあたりは落葉している木も多い。もしや、と思い、色あせて散りかけた葉をよく見て納得した。落葉が進んでいるあたりは、3年ほど前から出始めているブナハムシの影響が残っていたのだ。おそらく鳥海山のエリアから移ってきたのだが、これさえなければ更に美しい紅葉(黄葉)を見ることができたに違いない。



古道の森の「ブナ太郎」



「ブナ太郎」を見上げる



朽ち行く姿



黄金色の光に包まれて・・・
※Mackey撮影


湯浜温泉へ向けて最後の下りに差し掛かると、西日を浴びたブナ林が黄金色に輝いていた。湯浜温泉で山間の素朴な湯にのんびりと浸かる。トロリとして口に含めば微かに硫黄の香りがする素晴らしい温泉で、湯船に浸かったり湯船から上がったりを繰り返した。三浦旅館を出てすっかり日陰になった谷間を歩いて、国道398号線に戻った。
 


栗駒山の南西斜面に広がるブナの森は、想像以上の特筆すべき美しさで迫ってきた。秋晴れの陽射しの下で、輝いていた。古道の森のコース、春に世界谷地から歩いたコースを湯浜から入り、歩きつなぐことにしていたが、わずかに及ばなかった。しかし、緩やかにアップダウンを繰り返し、時に沢を越えて行くこのコースは、途中で引き返すにしても満足度は十二分であった。これで曇りや霧に覆われたブナ林を歩いてみたい、というのは贅沢か。Mackeyも大満足で、標高差も大したことはなかったので膝も問題なく歩けた。

2015.10.24. by TAKASKE

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