秋田駒ヶ岳(男女岳1,637m)2015年7月5日(日)、天候:晴ときどき曇

コース:国見温泉−横尾根出合−ムーミン谷分岐−(ムーミン谷)−阿弥陀池−男女岳山頂−阿弥陀池−横岳−ムーミン谷分岐−横尾根出合−国見温泉

横岳から望む女岳とコマクサ群落

11年ぶり2度目の秋田駒ヶ岳は国見温泉から登った。遠望は利かなかったが数多くの花と、火山の集合体が創り出す地形の妙味を愉しむことができた。特にムーミン谷を彩る花々と横岳周辺のコマクサ群落には魅了された。下山後の温泉も印象的なものとなった。

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朝4時、朝もやの中、車を出す。岩手県に入り晴れ間が出る。盛岡ICで下りてから朝食をとって国見温泉を目指す。行く手に秋田駒の姿を認め、山道を登り着いたところに出発点があった。午前7時、硫黄の匂いが漂う温泉地帯を登り始めた。今日はMackeyが東京にいるので単独だ。本格的な山登りはおよそ半年ぶりで、筋力と肺活量が順応できていない身体には応える登りが続いた。横尾根に合流したとき、意外とコースタイムよりも早いことに気付く。単独ではどうしてもオーバーペースになってしまう。

横尾根を歩けば徐々に展望が開けて、微かに噴煙をたなびかせる女岳が目の前に聳えている。尾根上の大焼砂が目の前に迫ってきて、当初尾根上を進む予定にしていたが、気が変わってムーミン谷を目指した。コマクサが咲いている砂礫地を抜けると、途端に植生が豊かになりムーミン谷に入って行く。チングルマが咲き残る中を下って行く。目の前に広がる光景はまさに、ムーミンのふるさとフィンランドの氷河地形を思わせるものだった。

ムーミン谷の底に咲く花は圧倒的な数のチングルマを主役に、ヒナザクラとコイワカガミ、そしてエゾツツジにミヤマキンポウゲが目立つ。チングルマは花と果穂がわずかな位置の違いにより変化していて、どうやら春先の雪崩による雪が遅くまで残る場所ほど多くの花を残していた。ムーミン谷を抜けて急角度の斜面を登る。久々の山行の身には大いに応える斜面であったが、高度を上げて行くにつれて眼下のムーミン谷とそれを囲むような火山地形が見て取れた。登り着いたコルが男岳への分岐で、反対側の眼下に広がる阿弥陀池を挟んで最高峰の男女岳が堂々とした姿を見せた。

阿弥陀池へと下り、男女岳に登り返す。北側の展望が開け、乳頭山と遠く八幡平の稜線が見て取れた。再び阿弥陀池に下り、横岳に登り返す。横尾根経由で下山にかかると、砂礫地が広がり足元はコマクサ群落となった。眼下に広がるムーミン谷と煙をたなびかせる女岳を背景に火山砂礫の斜面にビッシリと咲くコマクサは圧巻であった。遠望は利かなかったが、女岳の向こうにうっすらと田沢湖が姿を見せた。ムーミン谷への分岐を過ぎればコマクサの群落ともお別れで、あとは来た道を下るだけだ。

ベニバナイチヤクソウやコミヤマハンショウヅルがポツポツと咲くポイントを過ぎて、やがて横尾根ともお別れ。陽射しが容赦なく降り注ぎ暑い暑い。国見温泉へと下って行くと、やがてブナ林に入るが背の低い木ばかりで、カメラを構えるに値しない。硫黄の香りが漂ってくれば視界が開け、国見温泉に下り立った。

車に荷物を置いて石塚旅館へ。写真では見ていたが、目に鮮やかな緑色の湯は心奪われるばかりだ。最初は内湯に浸かる。熱々の湯だ。立ち上がる香りは硫黄よりも油臭さが勝っている。なかなか強烈な香りだ。次いで露天風呂へ。こちらは先客が水を入れたようで適温だ。もちろん油臭さはこちらも同様で、よく見ると湯の表面にも固形分が浮いている。湯船の縁にも固形分が成長している。なんとも濃厚な湯で、癖になる感じがする。今度は泊まりに来てみようか。そして温泉を後にして車を走らせる。途中で道の駅「あねっこ」、雫石のアイスクリーム屋「松ぼっくり」に寄って家に帰った。



横尾根から女岳



コミヤマハンショウヅル



シシウド咲く稜線



斜面に咲くエゾツツジ



コマクサ



群生地の斜面を見上げる



咲き残るチングルマ



行く手に広がるムーミン谷の絶景



コイワカガミは咲き残り



チングルマの果穂



振り返るムーミン谷



ミヤマキンポウゲ。



エゾツツジ



男女岳山頂から男岳と阿弥陀池



乳頭山と八幡平の稜線 



ハクサンシャクナゲ



コマクサ



大焼砂のコマクサの斜面



群生地はまさに最盛期



遠く田沢湖が見えた



ベニバナイチヤクソウ

 

   



梅雨の晴れ間に急きょ思い立って訪れた山であった。季節が例年より進んでいたためか、見頃の時期のコマクサ群落に出会うことができた。これだけのコマクサを見ることができたのは、八ヶ岳以来で14年ぶりだ。

標高差約800m、久々の本格的な山歩きで、この程度の山とはいえ疲労が全身を覆い尽くした。もっと日頃から歩かないといけない。

2015.07.12. by TAKASKE

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