栗駒山(古道の森〜千年クロベ)2015年5月31日(日)、天候:曇ときどき晴

コース:世界谷地駐車場−変則十字路−(古道の森)−千年クロベ分岐−千年クロベ−千年クロベ分岐−(古道の森)−変則十字路−世界谷地第一湿原−世界谷地駐車場

辿り着いた千年クロベを見上げる。
(巨大すぎて全体が写せない!)

湯浜と世界谷地を結ぶ栗駒山の山腹を行くルートは「古道の森」と呼ばれている。ルートの中ほどにある「千年クロベ」を目指した。ひっそりとした空間に佇む巨木に圧倒される思いがした。また、古道の森のワイルドさや、足元に数多く咲く初夏の花々も印象的であった。

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Mackeyは去年、膝の靭帯を切ってまともな山歩きができなかった。結局手術はせずに様子を見るという。そこで最初は標高差の小さいところを歩き、徐々に標高差を上げて膝を慣らしていくことにする。その第一弾として、古道の森を通って前からの懸案であった「千年クロベ」を見に行くことにする。
それにしても、何と、3月7日の世界谷地スノーシューイングツアー以来の山行となってしまった。GWにハワイ旅行したこともあるが、いろいろと用事があって今年の新緑の山歩きはこれが初めてとなってしまった。新緑というよりは初夏で梅雨入りも近い時期である。

世界谷地の駐車場を出発したのは10時過ぎのこと。やはり出遅れてしまった。千年クロベまでのコースタイムも見誤っていたが、それに気付くのはもう少し経ってからのこと。世界谷地第一湿原は素通りして変則十字路へ。時々陽射しが降り注ぐブナ林は緑のシャワー。お約束の「ブナ爺」は以前よりも心なしか朽ちてきたようだ。もしかしたら、倒れる日も近いかもしれない。変則十字路までは歩きやすい道が続きほぼ予定通りに到着。ここから西へ向かうトラバース道の「古道の森」に入る。

古道の森が始まると同時にズダヤクシュの群生が足元を彩る。オサバグサにも似ていて、陽射しが射しこむと、チラチラと白く輝いて揺れる姿が美しい。マイヅルソウも今を盛りと咲いている。純白の小さな花が葉の上に影を落としている。トラバース道は見事なブナ林が展開するようになる。ソフトクリームのような幹のブナが見られたり、ルート上で太くて立派な枝ぶりのブナも見られた。深い樹林帯の中、適度なアップダウンを繰り返して進めば、やがて大地沢の渡渉点に出る。靴を濡らさずに飛び石伝いに歩こうとしたが、滑るので結局沢の底に靴を置きながら渡ると、足首まで水に浸かって靴の中を濡らす羽目に・・・。スパッツを持ってこなかったことを後悔。

大地沢からタムシバの数多く咲き残る尾根を乗っ越して再び下りにかかれば、小桧沢の音が聞こえてくる。「千年クロベ入口」の指導標に従い林道跡へ向けて左へ折れる。小桧沢を橋で渡って、真っ直ぐに伸びる林道を歩く。7年前の岩手宮城内陸地震で寸断され、使われなくなった林道に軽トラが放置されていた。更に数百メートルを歩いたところで、千年クロベへの分岐を見つける。踏み跡を辿り藪をかきわけるようにして辿り着いた先にひっそりとクロベの巨木が佇んでいた。

千年クロベの根元で昼食をとる。他に訪れる者もない。この巨木は周囲を藪に囲まれているためか、隔絶された別世界の雰囲気を醸し出していた。風の音、ホトトギスのさえずり、小沢のせせらぎがただ聞こえるのみであった。巨木に抱かれたような静寂のひとときを過ごしたのち、戻るために立ち上がる。14時を回ろうとしていた。世界谷地の駐車場まで3時間はかかるだろう。日が長くなってきたので問題はないが、距離もコースタイムも見誤っていた。

古道の森に戻って来た道を引き返す。晴れ間が戻ってきて、エゾハルゼミの鳴き声が降り注ぐ。大地沢を足を浸しながら渡って、足元に咲く花を愛でながら深い樹林のトラバース道を戻った。Mackeyは突然の長距離歩行で足に痛みが出始めている。まだまだ明るいことが励みとなって、最後のエネルギーを振り絞る。変則十字路まで戻れば、あとは慣れた道を歩くのみ。「ブナ爺」を過ぎて涸れた小沢を渡れば、世界谷地第二湿原の旧入口を過ぎる。まだまだ明るい。

樹林にもぐるようにして歩いた山行の最後、展望地に足を向ける。夕刻の迫る世界谷地第一湿原は、歩く人もなく、自然のままの景色が広がっていた。ワタスゲとレンゲツツジ、サラサドウダンが咲き残っていた。ニッコウキスゲは2週間後の見頃を控えて準備中というところか。湿原を後にして駐車場へ下れば、まだまだ見頃のタニウツギが鮮やかなピンク色の花を見せていた。



変則十字路までのブナ林
(陽射しに新緑がまぶしい)



いつも目にする「ブナ爺」
(前より朽ちてきた)



ニョイスミレ
(如意菫)



ユキザサ



エンレイソウは実をつけはじめ



ズダヤクシュ



この日一番のマイヅルソウ



ズダヤクシュは至る所に群生を見た



マイヅルソウの群生



ソフトクリームの形をしたブナ
(なぜ、こんな形に?)



この日一番の「ブナ太郎」



タムシバ?もここまで来ると花を残していた。



小桧沢を渡る所にムラサキヤシオ



ひっそりと佇む千年クロベ



力強い幹



樹林の切れ目から大地森を望む



大地沢は靴を濡らしながら渡る



久々に認識したチゴユリ



ツクバネソウは今やおなじみ



斜光線の中の世界谷地第一湿原



サラサドウダンの花


 
駐車場近くに群生するタニウツギ

   



距離にして13km余り、7時間を超える山行となってしまった。栗駒山の南の山腹を巡るルートは、自然度が高く、季節的に数多くの花が咲き誇る印象的なものであった。そして、人知れずひっそりと佇む千年クロベは、不思議な雰囲気を醸し出す存在であった。今度は、秋の紅葉の時期に湯浜から千年クロベを目指してみたい。古道の森のコースの全区間を知ることができたらと思っている。

Mackeyは久々の長距離歩行で足がパンパン。それでも歩き通すことが出来た。次回はもう少し標高差のある山歩きをしよう。少しずつ、無理ない程度に足に負荷を掛けながら、山歩き完全復活を目指すことができればいいと思う。

2015.06.07. by TAKASKE

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