箱ヶ森(865m)、2014年05月18日(日)、天候:曇ときどき晴

コース:駐車場(猪去沢林道)−登山口−ブナ原生林休憩地−分岐点−箱ヶ森山頂−分岐点−マクラ山−登山口−駐車場

ニリンソウ咲き乱れる箱ヶ森山頂一帯

盛岡市の西に連なる特徴ある峰々の南昌山塊、その一峰である箱ヶ森に登った。深いブナ林は新緑に包まれ、ムラサキヤシオやムシカリの低木が花をつけ、足元にはニリンソウやシラネアオイが咲いていた。特に山頂一帯のニリンソウは大群落で圧巻だった。山頂からは盛岡市街を俯瞰することができた。

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そろそろブナの新緑の季節で、残雪と新緑のコラボを見たい・・・向かったのは和賀山塊の女神山、去年の秋に紅葉山行に行った場所だ。ところが、湯田ICから下りて白糸の滝方面へ車を走らせていたら、林道まであと少しのところで残雪につき行き止まりの看板が!バリケードをすり抜けて行けないことはなさそうだが、今日は私一人だし、雲が垂れ込めて雨も降っていたのであきらめる。急きょ向かった先は、県道1号で旧沢内村を抜けて雫石町に入り御所湖畔を抜けた先にある南昌山塊の箱ヶ森であった。

林道の駐車場に車を止めて歩き出す。オガセの滝を右手に見て、荒れて通行不能となった林道を詰めれば登山口へ。ここから少しの間急登を我慢しながら登れば、やがてブナ林に出る。曇り空で陽射しはないが清々しい緑色だ。所々に幹が根元から切られた「アガリコ」が見られて、里山の様相も呈していた。なおもブナ林の中を行けば、ムラサキヤシオがあちこちに見られるようになった。ムシカリの白い花も咲いている。傾斜が緩めば「ブナ原生林休憩地」に差し掛かる。残雪はなく、足元はカタクリが実を残していた。花期にはさぞかし見事な景観だったに違いない。

やがてブナ林の中にひっそりと佇むクロベの大木が現れると、ロープの急登に差し掛かる。足元にはスミレサイシンが点々と咲く。四肢を総動員しての身体に応える急登が続き、ようやく傾斜が緩めば分岐点。ここからは再びブナ林の緩いアップダウン。足元は花を落としたカタクリが増えて、ニリンソウの純白の花が現れた。 やがてニリンソウの群落の中を最後の登りとなり、登り着いた先に見たものは・・・一帯に咲き乱れるニリンソウの大群落に埋め尽くされる山頂の平原であった。

山頂からは、木々の間から東側の展望が得られた。水を張ったばかりの田んぼが広がり、更に北上川の流れの奥に盛岡の市街地が見られた。盛岡の街のあたりは雲が途切れて陽射しが当たっているようだ。山頂は風がやや強めで小雨が降ってきた。晴れる気配もなかったので、食事をとったらすぐに下山。今度は分岐点からマクラ山を経由する。ブナ林の中をひたすら下る路の両脇には所々にニリンソウが群落となって現われた。やがてシラネアオイの紫色の花も登場し林間は華やいだ雰囲気になる。エンレイソウ、シロバナエンレイソウ、ツクバネソウなどの花々も現われて足元を見るのが楽しくなる。出会った人がたった2人という寂しさの中、熊鈴を響かせながら下り続けて登山口に戻った。

帰りは、矢巾町にある「不動温泉 百万石」に浸かる。内湯だけの温泉だったが、アルカリのツルツルした気持ちの良い泉質で、地元の人たちで賑わっていた。
(URLは、http://www.mizu-moto.co.jp/onsen/




凍裂したブナの幹



2年目のブナ



根元が残るブナの幹



ブナ林の中を登って行く



ブナ林の中咲くムラサキヤシオ



ブナ原生林休憩地のあたり



ひっそりと立つクロベの大木



新緑輝くブナ林のアップダウン



山頂から盛岡市街を見下ろす



ラショウモンカズラ



ツクバネソウ



スミレサイシン



ニリンソウ



シラネアオイ

 

 


思いがけず巡ってきた南昌山塊の山行であった。登山口までの林道は前年秋の大雨の影響で荒れており、そのせいか入山者は少なかったが、見事なブナ林と春の花を満喫した。特に、山頂付近のニリンソウは、他にも規模の大きい場所はあるのだろうが、無印に近い隠れた名所を見出せたことが嬉しかった。残雪のブナ林を見ることはできず、女神山に行けなかったことは残念だったが、大いに満足できる山行になった。

2014.05.24. by TAKASKE

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