女神山（956m）、2013年10月19日（月）、天候：晴
コース：林道終点駐車場−白糸の滝−県境尾根分岐−女神山頂−県境尾根分岐−ブナ見平−降る滝−林道終点駐車場
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女神山頂から望む真昼岳の姿 |
真昼山地の小さな峰、女神山に登った。全山ブナ林が広がり、山頂からは特に秋田県側の展望が広がっていて、隣の真昼岳や遠く鳥海山も見ることができた。ブナ林の黄葉は暖かい秋のせいで早かったが、それでも山頂付近は見事に色づいていた。また、白糸の滝や降る滝などの渓谷美もあって、再訪したいと思わせる魅力いっぱいの山行となった。
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真昼山地に足を伸ばすのは初めて。火山の多い奥羽山脈にあって、大荒沢岳から白木峠にかけての真昼山地は非火山性で尾根と沢が複雑に入り組んだ地形をなす。和賀岳や真昼岳が代表的な存在だが、今回は比較的コンパクトで、ブナ林が良さそうな女神山を目指す。実は、東北に来て間もないころから気になっていた山である。
秋田自動車道の湯田ICから「ほっとゆだ」駅前を抜けて北に向かう。山麓に向かうに従い少しずつ道幅が狭まり、やがてダートの道を行く。対向車が来たらアウトの幅の狭い道を行った終点に登山口があった。詰めれば10台入るのがやっとの駐車スペースに８台目の車として滑り込んだ。10時を過ぎていたので心配だったが入れてよかった。
白糸の滝に立ち寄る。糸を引くような姿は見事である。そして、最短ルートで女神山の山頂を目指す。足元にはイワウチワの葉が見られる。春になれば素晴らしい群落を目にすることができるだろう。登りはじめから立派なブナ林が展開する。まだまだ夏のような緑色をたたえているが、美林だ。ひたすらつづくブナ林の急登を抜ければ、緩登となり一段と良い雰囲気になる。そして、少しずつ葉が染まってきて、県境尾根との分岐まで来るといい染まり具合となった。
そこからひとしきりの急登を抜けたところに山頂があった。岩手県側の展望のある場所でお昼を食べたあと、真昼岳方面に少し行ったところで秋田県側の展望が大きく広がる。北隣の真昼岳は堂々とした姿で聳えている。眼下には大曲から横手にかかての平地が広がり、南西側には湯沢の街並みとその向こうに鳥海山がうっすら顔をのぞかせていた。
帰りは県境尾根からブナ見平を経由する。どこまでも続くブナ美林は、高度を下げるに従い黄色から青に変わって行った。膝に優しい緩い下り坂が続き、平坦な場所が「ブナ見平」。青々とした葉だが、黄葉したらさぞかし素晴らしい場所だろう。ブナ見平を過ぎれば、下り坂がきつくなる。下り続けて沢に下り立ったところで、「降る滝」を目指す。５分ほど歩き、沢を５度渡り返して行き着いた「降る滝」、落差は50mとの事だが見た目には70〜80mありそうな感覚だった。日が翳って薄暗くなった谷間を急ぎトラバース道に上がれば、急登ルートの分岐点に戻ってきた。ここまで来れば林道終点まではわずか。思ったよりも時間が掛かってしまった。
帰りに槻沢温泉「砂ゆっこ」に立ち寄る。砂風呂は初めてだったが、熱くズシンと重くのしかかる砂が疲れた身体に刺激を呼び起こすようだ。西和賀町にはカタクリの群生地もあるようで、これからも訪れたいと思うようになった。
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期待通りのブナの山であった。今年は寒気が南下しても長続きせず、台風の北上もあって黄葉の進みが遅いため、例年の見頃の時期を狙ったが当てが外れた。それでも雰囲気の良いブナ林が全山にわたって広がっているのを知ることができた。ブナ以外にも花も多くありそうだ。春にはイワウチワも期待できるし、ユキザサも見ることができるだろう。展望や滝も素晴らしい。来年、春から初夏にかけて再訪したい。
今まで訪れたことのないエリア、真昼山地と西和賀町が益々気になってきた。真昼岳や高下岳なども気になるし、点在する温泉にもそそられる。和賀岳はロングコースで体力的にすぐには難しそうだけど、いつの日か日本一の大ブナも見てみたい。初めてのエリアで二人ともすっかり気に入ってしまった。冬のスノーシューイングツアーも良さ気だし、温泉宿に泊まりながら和賀岳を歩くのもよいかもしれない。
2013.10.20. by TAKASKE
