八甲田山(1,585m)201206月30日(土)〜07月01日(日)、天候:晴(第1日)、晴のち曇(第2日)

コース:(第1日)酸ヶ湯−仙人岱−大岳山頂−上毛無岱−酸ヶ湯、(第2日)蔦温泉−蔦沼−月沼−菅沼−蔦温泉

下毛無岱の湿原と木道を俯瞰

梅雨の合間に八甲田山を訪れた。私にとっては10年ぶり、Mackeyにとっては初である。残雪、湿原と花々、温泉、ブナの森・・・10年前に体験した魅力をそのまま残していた。

※写真はすべてクリックすると別窓で拡大表示されます。


早朝に家を発つ。朝の弱い二人にしては5時発はよく頑張ったものだ。東北道をひたすら北上し、黒石ICで下りて酸ヶ湯を目指す。10時前に硫黄の香る酸ヶ湯に着いた。これなら、周回コースを歩けるだろう。

樹林と藪の中を抜けていく。タケノコ採りの人が大勢入っていて、突然人が現れるのでびっくりする。風が吹き抜けず暑い暑い。樹林帯を抜けて地獄湯の沢まで来て、やっと風を感じるようになると、そこからはスイスイと歩けるようになる。やがてヒナザクラが印象的な仙人岱に着く。冷たい雪解け水がコンコンとわいている。”ここの水場は今までで一番美味しい”とMackeyが感動していた。確かに湧きたての冷たくて美味しい水だ。ここで食事をとり、そこから大岳の山頂へ向けて登りだす。しばらく雪渓の中を行く。10年前は6月中旬に登ったが、こんな雪渓歩きは記憶にない。この冬の雪の多さを物語る光景だ。

雪渓を抜けたらアオモリトドマツの樹林帯を過ぎて、そこからは展望とお花畑の中を登って行く。ミヤマオダマキとヨツバシオガマが印象的だ。山頂に立つと遠望は利かないが、櫛ヶ峰を目立たせた南八甲田連峰と、井戸岳・赤倉岳方面、そして小岳・高田大岳方面が望めた。
大岳を予定通り北へ下って行く。鞍部の避難小屋から西へ向かえば、しばらくは樹林帯の中を下る。ここも花が多く、ミツバオウレンやマイヅルソウが林床を埋め尽くし、ショウジョウバカマも咲き残っていた。ミズバショウが印象的な雪渓を渡れば、やがて上毛無岱の湿原に入っていく。

湿原は長々と続き、ここから見上げる大岳、井戸岳、赤倉岳の連峰とチングルマの花が印象的であった。一段下れば、下毛無岱の湿原。こちらも長々と続き、イワイチョウとベニサラサドウダンが目立っていた。下毛無岱の湿原は徐々に南に向きを変え、3つの峰を横に眺めながら下って行くと、咲き残りの桜を見つける。そこからはブナの樹林帯に入って、ムシカリの花が至るところに咲く中を酸ヶ湯に向けて下った。

酸ヶ湯に下り立ったのが午後5時。こんなに時間がかかるとは思わなかったので、酸ヶ湯の入浴は翌日に回し、蔦温泉に向かう。鬱蒼としたブナ林を下って行くと、目指す温泉旅館があった。



仙人岱から大岳を仰ぐ



大岳へ向けて雪渓を行く



大岳山頂から南八甲田連峰



大岳山頂から井戸岳、赤倉岳



上毛無岱から大岳、井戸岳


下毛無岱から大岳、井戸岳、赤倉岳



 



 



●ルートに咲いていた花々です。




仙人岱のヒナザクラ



ミヤマオダマキ



ミヤマオダマキ



ヨツバシオガマ



ミズバショウ



チングルマ



ミツバオウレン



マイヅルソウ





ベニサラサドウダン



ミネザクラ?



ムシカリ(オオカメノキ)


蔦温泉のお風呂は2ヶ所の源泉が湧く真上にある。ブナとヒバの浴槽の中で生まれたてのお湯に浸かる・・・これはもう最高の贅沢だ。45℃の泉温は多少熱いが、時折板張りの床で身体を休めては再び湯船に浸かる。これに露天風呂があれば言うことなし・・・であるが、宿の主人が、湯量を守るために露天風呂を増設しない方針を貫いているというから、素晴らしい。2種類の温泉はそれぞれに趣きがあって、心の底から洗われる気分であった。食事も美味しく、出来れば再訪したい。泊まらなくてもいつしかまたお湯に浸かりたい。

翌朝、宿を出たら、10年前と同じように”蔦の森”を散策する。温泉旅館の裏手から見事なブナの森が続いている。蔦沼の畔に立つと、色を濃くしたブナの森が対岸に広がっている。黄葉の時期、新緑の時期はさぞかし素晴らしい光景となるだろう(写真家も訪れて大混雑になるというが)

沼めぐりの探勝路を歩く。ブナの大木が至るところにあり、また、大小の沼が寄り添い、小さな沢や湧水も数多く、豊富な水を湛える森であることを実感する。太いトチノキもあったりする。ブナの木は所々に枯れ木もあり、また、サルノコシカケが付着して死に行く木もあったりして、輪廻転生のドラマが展開されている。自分が死んだら、何に生まれ変わるのだろうか・・・などと考えてしまうほどの静寂な空間だ。

適度なアップダウンの散策路を1時間半ほどかけて1周して蔦温泉に戻ってきた。車で酸ヶ湯方面に戻り、途中で睡蓮沼に立ち寄ってから、硫黄の香る酸ヶ湯の千人風呂に浸かった。最近、硫黄泉に多く入っているせいか、思ったよりもマイルドな印象を持った。



源泉が底から湧き出す
蔦温泉のお風呂



10年前と同じ蔦温泉の玄関



温泉の裏から始まるブナの森



樹林を抜けて蔦沼



太いブナも数多い



輪廻の営みの一コマ 



トチノキも見事な大木



多様性を見せるブナの森



コケとツタウルシの装飾



水辺に立つブナ 

 

緑に染まる菅沼の畔



ヤマオダマキ



睡蓮沼から望む八甲田連峰



睡蓮沼の畔に咲くレンゲツツジ

 

 




10年前に蔦の森を歩いてブナの魅力に目覚めた。また、蔦温泉の澄んだお湯や、花に彩られた八甲田山も印象的で、東北に来たからには再訪したいと思っていたし、Mackeyにも魅力を紹介したかった。今回、梅雨の合間に思いがけず時間が出来たので、無理してでもと思い向かうことにした。すべての魅力は当時のままであった。

東北に居る間に行きたい場所がいくつもあるので再訪は難しいかもしれないが、心落ち着ける場所としてこれからも時折は足を伸ばしたい。もっと年を取ってからでも訪れたい場所となった。

2012.07.08. by TAKASKE

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