栗駒山(世界谷地スノーシューイングツアー)2012048日(日)、天候:曇りのち晴れ

コース:世界谷地駐車場手前−世界谷地第一湿原(往復)

純白の雪原でひと休み、至福の時間・・・

念願の栗駒山、世界谷地をスノーシューで歩いた。この日は他に訪れるパーティーもなく、純白の雪原を独占できた。湿原の奥にはブナ林が広がっており、季節外れの寒さの中、真冬のような表情を見せていた。

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4月2日から3日にかけて、日本海を低気圧が猛烈に発達し、春の嵐が吹いた。ところが、この低気圧が寒気を呼び込んで、季節外れの冬型が続いた。前の週末に下見をしたところ、世界谷地の駐車場まで除雪されていた。前から歩いてみたかった世界谷地のスノーシューイングツアーだ。

ところが、あろうことか、目が覚めたのは午前9時。すっかり寝坊してしまい、出たのは10時半近く。しかも天気の回復が遅れて、栗駒山方面は雲がかかっている。栗駒の町を抜けて高度を上げていくと、山々の斜面には新雪が見られるようになる。同行のMackeyはテンション下がりまくりで、「じゃ、帰ろうか」といったら、しぶしぶ「行く」と言う。ようやく巡ってきた世界谷地のチャンス、そう簡単にあきらめたくない。

耕英まで高度を上げれば、辺りは積ったばかりの新雪に覆われてきて、車道にも至る所に雪が積もっている。世界谷地へと向かう道は完全に雪の中で、1台の車のタイヤ跡が刻まれていた。しかし、世界谷地に向けて斜度を増しているところでこのタイヤ跡は途切れていた。明らかにこれ以上進めずに引き返した様相であった。1週間前には全く雪が見られなかった車道には20〜25cmの雪が覆っていた。何処に停めようかと迷った揚げ句、今日は休日だから除雪も出動しないだろう・・・ということで、道の真ん中に車を停めて歩き出すことに。

12時近くなってスノーシューをつけて歩き出す。やや重いながらも、新雪の快適歩きが始まった。世界谷地の駐車場までは300mほど。思ったよりも距離が近かった。ここから夏道に従って行くが、雪が深くてわかりにくい場所があり、大回りをしてしまった。ブナの2次林に入るとあとは真っ直ぐに世界谷地へと向かう。春には新緑、秋には紅葉のプロムナードとなる道だ。寒の戻りで積った新雪により、まるで真冬の様相を見せていた。天候は回復しつつあるが、まだ陽が射すのは瞬間的だ。木々が葉を落としているので、樹間から白い湿原が見て取れた。

指導標が辛うじて雪の上に見えて、ここから世界谷地へ向けて下りていく。夏道で沢を渡り、そこから夏道を外れて直接湿原へと上がれば、目の前に純白の雪原が広がっていた。湿原を取り巻く周囲の山々や、青空を流れる雲が手に取るように眺められ、この上ない開放感だ。そして、先行者は誰もいない。完全に自分たちだけの世界である。栗駒山の本峰は雲の中で、大地森が木々を纏った黒々とした姿を見せていた。

白い湿原の中でランチをとる。多少風が強く吹いているが、至福の時間だ。雲が少しずつ減ってきて、陽光が射しこんでくる時間が増えてきた。コーヒーを淹れてから、写真タイムとする。雪原の上を雲の影が動いて、明るい所と暗い所が目まぐるしく入れ替わる。雪の上に鮮やかな模様が描かれていた。一瞬のシャッターチャンスを逃さないように、何度も何度もシャッターを切った。

さて、ここからが快適な雪原のスノーシュー歩きだ。晴れ間も増えてきて、真っ白な世界の中を行く。無雪期は木道に従った限られたエリア歩きも、今は自由に歩ける。やはり先行者は誰もいない。新雪の上を二人のトレースだけが刻まれる。一見単純に見える雪原も様々な表情を見せてくれる。ツツジ類の低木も1本1本が人間のように特徴的な形をし、雪面に影をつけていた。湿原が端まで行き着いて、樹林帯を抜けると再び湿原に出る。ここからは大地森も近く、栗駒山本峰はまだ雲を被っていたがずいぶんと近くなった。そして、湿原の先に、手招きするようにブナ林が広がっていた。

期待に胸ふくらませながらブナ林に分け入っていく。新雪を被った枝を広げた大木が至る所、空に伸びている。太い幹が天に伸び、その先には白い雲を浮かべた青空が広がっている。無雪期では決して入れないブナ林を思う存分撮り尽くす。ただ、他にパーティーも入っていないため、あまり無理をせずに早めに来た道を戻ることにした。そして、ブナ林を出たところ目の前に栗駒山本峰が姿を現し始めていた。まだ稜線は雲が絡んで、青空にくっきりという訳には行かないが、目の前に聳える姿に惚れ惚れさせられた。

湿原の中、来た道を戻る。陽射しの明るさ、強さはすっかり春で、雪原の白さを欲しいままに歩いた。帰りの方が雪が締まっている感覚だが、快適な雪原歩きに大満足の2人であった。湿原を後にすれば、あとは車を停めてある場所まで、余韻に浸りながら歩いた。



世界谷地駐車場のトイレ



新雪のブナ2次林を行く



世界谷地第一湿原に出た



雪原が広がっている



流れる雲の影が作るグラデーション



すっかり明るい陽射しに包まれた



湿原の1カット



湿原の奥、ブナの木に出会う



新雪を被るブナの木々



真冬と見まがう風景だ



ブナの幹に雲を映す青空

 

見事な幹のブナの大木

 

ウロをもつブナの幹



幹の片側に「エビの尻尾」



大地森の奥に栗駒山が姿を見せた



思う存分雪原にトレースを残す



行きのトレースと帰りのトレース



2本のドウダンツツジ?
(ペアで踊っているみたい)

   

いつかはスノーシューで歩いてみたいと思っていた雪の世界谷地をようやく歩くことができた。そして、その先にあるブナ林も期待通りであった。この時期だから残雪のブナ林を歩くつもりが、思わぬ新雪で真冬のような表情に接することができた。出来れば、雪のあるうちにもう一度歩きたい。そして、次のシーズンも歩きたいと心から思えるスノーシューイングツアーになった。

2012.04.14. by TAKASKE

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