大台ヶ原（1,695m）、2010年10月17日（日）、天候：曇ときどき晴

コース：大台ヶ原駐車場−日出ヶ岳山頂−正木ヶ原−尾鷲辻−大蛇�ｰ−シオカラ谷−大台ヶ原駐車場

大台ヶ原の東大台を周回するルートを歩いた。山頂一帯は丁度紅葉が見頃を迎えていて、思った以上に充実した山歩きが出来た。

※写真はすべてクリックすると別窓で拡大表示されます。

前日、東京からMackeyの友人が泊まりに来た。どこかの山へ登りたいと言うので、芦生、鈴鹿、明神平などが候補に挙がったが、紅葉が良さそうな百名山の大台ヶ原を目指すことに。国道169号を南下していくと曇り空になってきたが、大台ヶ原ドライブウェイを登っていくと紅葉が鮮やかさを増してきた。駐車場には車が入りきらず、少し戻った路肩に車を停めた。

まずは最高点の日出ヶ岳山頂を目指す。針葉樹のトウヒにカエデなどの紅葉が混ざって、同じ台高山系でもブナ林の明神平とは雰囲気が異なる。標高を上げていくと、ゴヨウツツジ（シロヤシオ）の紅葉も現われて、樹林帯を抜ければ一面の紅葉が目に飛び込んできた。赤色の多い、目の覚める光景が展開した。

針葉樹林に紅葉が混じる	染まる樹林帯の中、山頂へ	ハウチワカエデも染まり始めて
所々に鮮やかな赤	紅葉をバックに山頂へ

山頂で昼食をとってから尾鷲辻へと向かう。ゴヨウツツジの多い緩斜面を登り返し、緩いアップダウンを抜けて行き、正木ヶ原ではトウヒの立ち枯れに紅葉の構図。台風でなぎ倒された樹林の倒木を、人為的に取り除いたことから森が急速に荒廃したという。今は笹原となっている。

正木ヶ原を過ぎて再び樹林帯に入り、尾鷲辻。そこから再び行けば神武天皇像と牛石ヶ原。今度はブナの多い樹林に入って少し行けば、左に折れて待望の大蛇�ｰへと迫る。展望への期待と恐怖が入り混じる。前回ここを訪れた時は、ガスの中で高度感がなかったが、目の前に展開した景色は、高度感満点だ。

眼下に不動返しの岩場が屹立している。紅葉に彩られた岩塔の奥に、緑濃い谷間が望まれる。右側を見れば蒸篭�ｰの断崖が染まっていた。遠くの斜面も一面の紅葉。恐怖感で足を震わせながらも、景色に見とれていた。

紅葉の中、正木峠へ	鮮やかなゴヨウツツジの葉	正木ヶ原のトウヒの立ち枯れと紅葉
蒸篭�ｰの染まる断崖	大蛇�ｰから望む不動返しの岩場

今度はシオカラ谷へと下っていく。このあたりは、東大台と西大台が接するエリアで、原生林の様相を帯びてくる。シャクナゲも見られ、ブナも目立っている。少し標高が下がり紅葉もやや早い状態となったが、谷筋はまた見事に染まっていた。

シオカラ谷を過ぎると再び登る。標高差200m余りを駐車場へと登っていく。まさに西大台の保全区域に隣接するところを歩き、濃密な樹林帯を行く。濃い緑の針葉樹と染まる紅葉のコントラストを愉しみながら駐車場まで登り着いた。駐車場手前のカエデの大木が真っ赤な葉をつけているのが印象的だった。ドライブウェイを下山するとき、西に連なる大峰連山のシルエットが浮かんでいた。行者還岳の尖峰とボリュームのある弥山・八経ヶ岳を見て取ることができた。

ブナ林も染まる	シャクナゲの道をシオカラ谷へ	シオカラ谷の吊橋
駐車場へと再び登って来る	見事なカエデの大木	ドライブウェイから大峰連山の展望

今年初めての紅葉山行は、目に鮮烈な印象を残した。例年であれば明神平のあたりがピークで、大台ヶ原はやや過ぎ加減になるのだが、１週間ほど遅れており、山頂付近はまさに紅葉のピークに当たった。カエデ類だけでなく、ツツジ類も加わって、一層赤が鮮やかな紅葉だった。陽射しには余り恵まれなかったが、同行のMackeyの友人も大満足だった。

出来ればまた、西大台を歩いてみたいものだが、東大台を周回するだけでもその多様な魅力を再認識することができた。今度は新緑やアケボノツツジの初夏に歩いてみたい。そして、今年はついに大杉谷の登山道が一部開通した。まだ、下流側４分の１程度で、来年度には桃ノ木山の家まで開通するという。早い全面開通が望まれる。

2010.10.24. by TAKASKE