伊吹山(1,377m)、2010年09月19日、天候:晴ときどき曇

コース:三合目−五合目−八合目−山頂(往復)

花の斜面を山頂へ向けて登る

秋の伊吹山を初めて登った。さすが花の名山だけあって、見事な秋の花々を愛でることができた。

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伊吹山のゴンドラは2008年度、2009年度と運行を休止していたのだが、今年は復活した。一旦運行を休止していたものが復活するのは意外なことで、それならば秋の伊吹山を歩いてみようとなった。本当は、アルプス山行も計画しての足慣らしだったが、とにもかくにも空が高くなりはじめた中、秋の花を見てみたくなった。

ゴンドラは翌20日までの運行とのことで、今思えば今シーズンのラストチャンスだった。百名山にして花の名山。その割には登山口が寂しい。鈴鹿の御在所岳は、四季を通じて近鉄が大々的に宣伝しているが、参考にしているのだろうか。幾らでも地域おこしはできると思う。兎にも角にも、ゴンドラで一気に三合目に立つ。稲刈り真っ最中の下界から、更に秋の深まった風景が広がり、主役は雄姿を惜しげもなく見せていた。

三合目からの雄姿

中山再次郎の胸像に手を合わせてから登山開始。伊吹山にスキー場を開いた人だそうだ。早速、秋の花々が現われる。ヤマハッカはあちこちに咲いているが、不揃いに伸びている。イブキアザミはあちこちに群生を作っていた。クサボタンとテンニンソウは、ポイントにしか見られなかったが、存在感を示していた。ゲンノショウコは三合目から山頂まで見られた。図鑑やネットで調べてみると、ミツバフウロという近縁種があるが、どちらが正しいかはハッキリしなかったので、ゲンノショウコで統一する。

ヤマハッカ(山薄荷)

イブキアザミ

クサボタン

テンニンソウ(天人草)

テンニンソウ

ゲンノショウコ(現の証拠)

ゲンノショウコ

クルマバナ

五合目を過ぎたあたりから、雲がかかってきた。そのお蔭で、増してきた暑さが和らげられた。所々で風も吹き渡って、思いの外快適だ。八合目から先は斜度が上がってきて、陽射しも復活してきたので、多少の苦しさが出てきたが、青空に吸い込まれるような斜面が途切れるあたり、ゴールが見えている。

空にはパラグライダーもふんわりと浮かび、下界は稲刈りが進行中でパッチワークのような田園地帯が広がっていた。そんな風景をお伴にあせらずゆっくりと登り詰めた。

八合目付近で仰ぐ

ゲンノショウコ(ミツバフウロ?)

雲が湧き上がってくる

山頂に登りつくとそこは涼しさを増した空気に包まれていた。そして一帯のお花畑は、秋の花々で彩られていた。目を引いたのはサラシナショウマ。やや過ぎ加減ではあったが、花穂は白く目立っていた。リンドウはポツリポツリと咲いていたが、他の山で見るよりも大輪であった。アキノキリンソウはどこにでもある花だが、青空をバックにいい感じで咲いていたので撮影した。

今思えば、もう少しじっくりとお花畑を散策すれば、もっと数多くの花々に出会えたかもしれない。しかし、最近は余り無理をしない。食事を入れても30分程度の休憩で、下山を開始する。

リンドウ

サラシナショウマ(晒菜升麻)

秋の空とサラシナショウマ

アキノキリンソウ

山頂台地を眺める

アケボノソウ

下山は眼下に広がるスキー場と、その先の田園地帯に向かって空を飛ぶような開放感に浸りながら足を運んだ。登るときに目に入らなかった花もあって、カメラを構える時間が絶えない。昼過ぎになってもなお続々と登る登山者もいて、やはり人気の山だけのことはある。

七合目まで下りれば斜度はぐっと緩くなり、眼下に揺れるススキの穂は、打ち寄せる波のようだ。太陽が照り付けて標高が下がってきたので暑さが応えるが、目に見えるのはまさに秋の景色だ。五合目まで来れば、ゴンドラは目と鼻の先。振り返れば、斜面は人が列をなして下ってくる。それでも、今から登ってくる人がいて、ゴンドラの最終に間に合うのだろうか?それとも山頂で一泊するのだろうか?まァ、そんなことはどうでもいいか。いつしか空は雲が増えて陽射しが再び翳ってきた。丁度よいタイミングで三合目に着いた。

スキー場へ向けて下る

鈴鹿山系(左奥は御池岳)

イブキトリカブト

登山道脇は花盛り

ススキの穂が波のよう

五合目より振り返る


またしても1ヶ月ぶりの山行で、足の疲れが気になったが、思ったほどではなかった。花に彩られた中、じっくりとスローペースで歩いたからだろう。それにしても、花の名山というだけのことはある。あれだけの夏の花が咲き誇るところに、いったどこに秋の花が咲く余地があるのだろう、と不思議になるくらい。期待以上であった。

今年は盛夏の高山植物に会うことなく秋の花モードに突入してしまったが、考えてみれば、今年は標高1,500mを超えたことが一度もない。次の週末、飛び石をつなげたら4連休となる。アルプス山行を期待していたが、今、雨が降る中で家にこもってこのレポートを書いている。思いは思いとして大切に持ちながら、受け入れられる今を最大限に楽しみたいものだ。

2010.09.23. by TAKASKE

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