比良・八淵の滝、2009年9月21日、天候:晴ときどき曇

コース:ガリバー旅行村−大摺鉢−貴船の滝−七遍返しの滝−大摺鉢−ガリバー旅行村

核心部、落差30mの優美な姿、「貴船の滝」を行く

比良山系・武奈ヶ岳の中腹にある八淵の滝をめぐったショートハイキング。核心部の「貴船の滝」ではなかなかのスリルを味わった。まだ暑さの残る初秋の半日で、距離的には物足りない感があったが、一度歩いてみたいルートをようやく歩くことが出来た。

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眠気が身体を起こさせなかった。気がつけば午前7時を回っていた。この日は、秋の連休、私の場合は土曜日が初日だったので4連休、その2日目だ。翌日、翌々日は天気が崩れる予報が出ており、当初予定していた混雑必至の北アルプスはやめることにしていた。なんとなく気乗りしない状態で家を出た。

琵琶湖大橋を渡るのは毎度のことだが、湖西道路に入ってまもなく、渋滞にはまってしまった。やっぱりか・・・最初は10時頃には登り始める予定が30分、また30分と、ずれ込んでいく。中止しようか、行き先を変えようか・・・などとボヤくことしきり(そもそものケチのつき始めは、伊吹山に行こうとしてロープウェイが運休しているのを初めて知って、慌てて行き先を比良に変更したこと)。なんとか渋滞区間を抜けてガリバー旅行村に着いたのは、正午まで残すところ20分のことであった。

最初は武奈ヶ岳山頂まで行く計画だったが、八雲ヶ原で秋の花を見られればいい、と思うようになっていた。しかし、この計画もあやしい。とりあえず行けるところまで、と考えたら楽になった。
大摺鉢で早くも昼食をとることにする。ここから先のスリルを考えて、腹ごしらえだ。ガリバー村からの観光客もここまでは簡単にやってくる。パンプスの女性もいる有様だ。注意表示が大袈裟に見えたのは、彼ら(彼女ら)への脅しかな、とも思った。

大摺鉢の横にステップのついた岩(高さ3m)を登れば、世界は一変する。暗い雰囲気を持った渓谷が始まり、やがてV字が鋭くなってくる。岩の間を流れる連続した小滝(このあたりを「屏風ヶ淵」という)を抜けて行けば、どん詰まりに落差の大きい滝を発見、これが「貴船の滝」であった。

いよいよ貴船の滝に差し掛かる。まず、鎖の懸かった岩を下りる。そして流れを渡るが、流れの真ん中にある岩には大またで飛び移るが、丸く足がかりがない。誤って滑ろうものなら、淵にドボンと落ちて下半身がずぶ濡れになる。ここが一番恐かったが、大変だったのはMackey。なんとか岩に足がかかったが、自力では飛び移れない。差し伸ばした腕を強引に引いて、丸い岩に飛び乗った。その後は、滝の右側にある垂直の岩場を登る。これも少し癖のある岩だったが、こちらの方は下から見上げるほどには恐怖感も難しさもなく登り終えた。なかなか楽しい区間であったが、Mackeyは「こわい、こわい」を連発。初めて会った頃は、野性味を感じることもあったのに、随分と臆病になったこと。

貴船の滝を過ぎれば谷は広くなり、木漏れ日もあふれて明るくなってきた。時折、流れを渡りながら少しずつ登っていけば、「七遍返しの滝」に出る。登り終えたところで、八雲ヶ原までの距離と現在時刻を見比べて、引き返すことにした。秋の花を楽しみにしていたが、仕方ない。

さて、谷を下りにとっていると、まだまだ緑濃い木々の間に紅葉している木がチラホラと見られる。その紅葉も、輝く紅葉ではなく、生気を失って垂れ下がった褐色の葉であった。予感は当たった。生気を失った木、それは最早枯れ木であった。そして、例外なくその木の根元にはおが屑のような白い粉でかかっていた。そして、よく見ると、幹には無数の小さな穴が開いていた。今年まで、瑞々しい新緑をつけていたミズナラが枯れていた。楢枯れは今もすさまじい勢いで進行しているのであった。

さて、帰り道は、貴船の滝を迂回して一旦尾根に上がり、そこから大摺鉢へと下る。思いの外アップダウンのあるコース(途中からは4年前の秋に歩いた)だった。大摺鉢まで下れば、あとは遊歩道を歩くだけ。しかし、意外と疲れが蓄積されていたようで、ガリバー村に着いたときにはホッとした。ナメたスタイルの山行をするときには、得てしてこんな結果になるものだ。

大摺鉢から分け入る

暗く狭い谷が続く(屏風ヶ淵)

貴船の滝上部から

谷が広くなり、光が降り注ぐ

七遍返しの滝

迂回路から再び大摺鉢へ

「八徳」の文字が刻まれた岩

アキノチョウジ(秋の丁字)

タツナミソウ?この季節に・・・


歩いたのは4時間程度、距離的には物足りない山行だったが、意外と疲れた。スリルのあるコースを一度は歩いてみたいと思い続けていたが、難易度がわかってよかった。もう一度歩くかどうかは、Mackeyとも相談しながらだが、シャクナゲの堂満岳や八雲ヶ原、イワウチワの咲く広谷などを周回するのに歩いてみたいと思った。

2009.09.29. by TAKASKE

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