夜叉ヶ池(1,100m)、2009年6月20日、天候:晴ときどき曇

コース:夜叉ヶ池登山口(岐阜県側)−幽幻の滝−夜叉ヶ池(往復)

夜叉ヶ池山へと続くニッコウキスゲ咲く斜面

越美国境の夜叉ヶ池に、岐阜県側から登った。中腹はブナ林の回廊が続き、初夏の花々も咲く瑞々しい登路であった。夜叉ヶ壁の登りはニッコウキスゲの群落や数多くの花々に彩られ、辿り着いた夜叉ヶ池は神秘的であった。三周ヶ岳を目指したが、強風のため夜叉ヶ池で引き返したのは残念だった。紅葉の季節にも訪れてみたい、自然度豊かな山である。

※写真はすべてクリックすると別窓で拡大表示されます。


梅雨の晴れ間、6時に伊賀を出る。鈴鹿の山々には雲が掛かり、滋賀県に入ると小雨が降ってくる。名神、北陸道を乗り継ぎ、木之本ICから国道303号へ。トンネルを抜けたら池ノ又谷沿いの一本道を分け入る。谷間の自然林に点々と咲くヤマボウシが印象的な、そそられる雰囲気を感じた。登山口の駐車場に着いたのは9時だった。

晴れた空の下を出発する。沢を渡って一登りすると、谷沿いのトラバース道が続いた。谷の上流に夜叉ヶ壁が聳えている。アルペン的な雰囲気でこれまたそそられる。足元にはコアジサイやミズタビラコが咲き、目線の高さにはヤマツツジやヤマボウシの花が鮮やかであった。あちこちに小さな沢が流れて、瑞々しさ満点だ。

やがて、ブナ林が深くなる。根曲がりの木も多く、積雪の深さを連想させる。登山道脇に一際太いブナを発見。じっと見上げて近寄り、ハグする。スーッと心が鎮まるような感覚を覚え、このままじってしていたい気持ちにかられた。

再び歩き始める。幽幻の滝を過ぎると樹林がまばらになり、谷間の視界が開けてくる。ヤマボウシに代わってガマズミの花が谷間を白く彩る。夜叉ヶ壁が近くなりそそり立つ。山肌に点々と黄色いものが見て取れた。勾配が急になり、夜叉ヶ壁を登る。思ったよりも順調に高度を稼いでいった。谷間を吹き上がる風が心地よさを通り越して、強風の様相を示してきた。

夜叉ヶ壁の斜面にニッコウキスゲが咲いていた。一面のお花畑であった。登り詰めた稜線の反対側に夜叉ヶ池があった。最早荒れ狂うほどの強風となった今、じっとしていることも出来ず、逃げるように池に下りた。

遠く聳える夜叉ヶ壁

雰囲気のよいブナ林に入る

根曲がりのブナを仰ぐ

一番太いブナ

夜叉ヶ壁を仰ぎ見る

夜叉ヶ壁の斜面を登る

振り返る谷間は自然林に満ちて

青空を見上げながら最後の登り

池の畔でランチタイム。風は稜線よりは多少弱いものの、池はさざなみを立て続け、目まぐるしくその流れる方向が変わった。対岸には見事なブナ林が茂っており、池に垂れ下がる枝にはモリアオガエルの卵がぶらさがっていた。ふと見ると、イモリが池の中を歩いていた。また、池の畔にはサワフタギが泡立つような白い花を沢山つけていた。

再び稜線に立つ。風に思わずよろける。やはりこの強風では如何ともしがたい。まだ11時過ぎだが、三周ヶ岳に行くのはあきらめて、下山することにした。梅雨前線が日本海にあって南下を続けているという。そんな雰囲気がわかるほどに、風はますます強く、雲が増え始めていた。

夜叉ヶ壁の急坂を下れば、風は弱くなる。未練を残しつつ下り続ける。少し暑い。幽幻の滝の水で生気を取り戻せば、再びブナ林の中の道が続く。午前中に比べて雲が増えて、陽射しは時折降り注ぐ程度だ。行きに散々写真を撮ったにもかかわらず、帰りもカメラを向けてしまう。出来上がりを見れば、陽射しが少ない分、印象に残るショットが少なかった。昼下がり、まだまだ登って来る人もいる中、駐車場に下り立った。

夜叉ヶ池の畔に立つ

イモリが出迎え?

対岸には見事なブナ林

少し登って夜叉ヶ池を見下ろす
(ものすごい風だった)

夜叉ヶ池山への斜面

一面のニッコウキスゲ

風に揺れるお花畑

谷沿いの道を戻る

陽射しに輝くカエデの葉

夜叉ヶ池までの往復ではやはり歩き足りない気分だったが、この天気では仕方ない。時間がたっぷりあるので、どこへ行こうか迷ったが、以前にも歩いて気に入った長浜の街に立ち寄った。

最後に、花の写真をまとめて掲載します。

ミズタビラコ

ミズタビラコ

ヤマボウシ

ヤマボウシ

ガマズミ

ガマズミ

エゴノキ

サワフタギ

サワフタギ

イブキトラノオ

ニガナ

ミヤマコアザミ

コアジサイ


瑞々しさにあふれる山行だった。花が多く、ブナ林も印象的で、日帰りで十分に行ける手頃な山であることがわかった。秋の紅葉の季節にも訪れてみたいし、そのときは三周ヶ岳まで登って新雪の白山と対面してみたいものだ。

2009.06.30. by TAKASKE

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