芦生の森、2009年5月23日、天候:霧のち晴
コース:
静寂の中、芦生杉の巨木に出会う (まるで精霊が宿るようだ) |
京都北山・芦生の森を歩いた。鬱蒼とした原生林の懐に抱かれ、生命の力強さを感じた山歩きができた。
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今日は久々に関西の山仲間との山行。体力的について行けるかなぁ〜?多少の心配をしながらも車を走らせる。4年前はバスを使って辿り着いたため、はるか彼方の地という印象を受けたものだが、やはり車は便利だ。
天気予報では晴れマークの降水確率10%だったが、どうしてどうして、雲がかかり小雨が降っている。森へ分け入ると、木々からポツンポツンと雫が滴り落ちてくる。時折ガスがスーッと流れる様相は、幽玄そのもの。ブナの大木を見るのも久しぶりだ。見上げる緑は新緑から初夏に移りつつあるものの、瑞々しさにあふれている。カエデ、ミズナラ、トチノキ、ホオノキが一際鮮やかな緑色を放っている。
しかし、なんと言ってもこの日の主役は芦生杉だ。霧に煙る巨木の姿は、まさに「精霊宿る」という言葉がふさわしい。そしてこの芦生杉の枝が地面に接しているところから、おびただしい数の新しい株が生まれている。なんとも奇妙で合理的なシステムをこの目で初めて見る。
花はそれほど多くはない。しかし、あちこちに紫色の藤の花びらが落ちているのを見る。トチノキも塔のような花を突き上げている。ミズキは細かい花びらを地面に撒き散らしていた。ヤマボウシの咲き始めも見ることができた。そして、ひっそりと健気に咲くエビネの姿には心癒された。
午後になると霧はいつの間にか消えて、陽射しが戻ってきた。光を透して、緑色が輝き出す。まだまだ新緑の季節は終わっていない。下山する頃には、森はなお一層輝きを見せていた。
芦生の森の懐深さを実感した山行となった。霧に煙る芦生杉の姿も素晴らしく、印象的であった。また、芦生の森は日本海側と太平洋側に気候の接点にも当たるため、植物の多様性も大きな特徴であるが、今回、それを実感した。
4年前、初めて芦生の森を歩いて魅力を知った。大阪に住んでいた当時、車を持っていなかったこともあって、その遠さゆえに再訪できずにいた。今、回帰熱のように芦生への思いが頭をもたげてくるのを感じた。今度は、彩りの秋に再訪したい。
ひとつだけ残念だったのは、やはりミズナラの立ち枯れが多く見られたこと。この純粋な森の多様性が将来にわたり保たれて行くのか、不安を禁じえない。
2009.05.31. by TAKASKE
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