御池岳(1,247m)、2009年5月2日、天候:晴れ

コース:コグルミ谷登山口−カタクリ峠−白瀬峠−カタクリ峠−御池岳山頂−ボタンブチ−カタクリ峠−コグルミ谷登山口

ボタンブチから芽吹きの丁字尾根を俯瞰する

鈴鹿最高峰の御池岳に登った。新緑のコグルミ谷、咲き乱れる花々、ボタンブチからの光景と、盛り沢山の内容となった。御在所岳とは違った懐の深さを感じた山行になった。

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コグルミ谷登山口付近の駐車スペースはどこも車で一杯。鞍掛峠まで登っていったものの、やはりスペースは見つからず、再びコグルミ谷登山口付近に戻る。なんとか路肩に止めることができた。萌黄色に染まる山肌に山桜が点々と咲いていた。

コグルミ谷は涸れ谷で、水は伏流している。沢音の聞こえない中、黄緑色の光と鳥のさえずりが降り注ぐ。足元にはニリンソウが点々と咲き、ムラサキケマンやコンロンソウ、マルバコンロンソウも見られる。ネコノメソウ系はなんとなく見飽きたせいか、カメラを向けずにいる。そして、3日前に歩いた御在所岳とな違った雰囲気。登山者は多いが、本当に山好きな人が多いような気がする。

順調に高度を稼ぎ、長命水で一息つく。このルートは2006年の秋に下山にとっているが、長命水はやはり美味しい。再び登り始めればやがて沢を離れてトラバースするようになる。ひたすらの自然林で、心が洗われる。やがてカタクリの花が現れて、カタクリ峠まで点々と続いた。

コグルミ谷登山口からの山肌

淡い緑の光に包まれる登山道

ニリンソウが点々と続く

コンロンソウ

マルバコンロンソウ

どこまでも続く新緑の道

ムラサキケマン

谷道を詰めていく

沢を離れて登るようになる

カタクリ峠は、その名前ほどにはカタクリの数は多くない。そう思っていたところ、真ノ谷から登ってくる夫婦を発見。白瀬峠の状況を尋ねると、カタクリ峠とは比較にならないほどの数があるという。とりあえず白瀬峠へと向かうことにした。

ゆるやかにアップダウンを繰り返す尾根道が続いた。足元はおびただしい数のイワカガミが見られるが、まだまだ蕾の状態だ。咲き揃う時期にはさぞかし壮観だろう。40分ほど歩いた場所が白瀬峠であった。カタクリは群落とまではいかないものの、そこそこの数が咲いていた。そして、美形も数多くあった。

ここでお昼をとることにする。先着の人が去っていった後は自分達だけの空間となる。他に歩いて来る登山者もなかった。ようやく歩こうとした頃、団体さんが来られて、通り過ぎて行った。真ノ谷に下ると思いの外時間がかかるようなので、再びカタクリ峠に戻ることにする。この稜線は何度歩いても、雰囲気のよい道であることがわかった。イワカガミが咲く頃、また歩いてみたいな。

カタクリの登場

カタクリ峠にて

樹間越しに芽吹きの山肌が望める

白瀬峠に咲く美形

密度はこのぐらい(白瀬峠にて)

稜線に咲くコバノミツバツツジ

カタクリ峠から山頂を目指す。真ノ谷に一旦出て、すぐに御池岳の山頂へと分岐する。そこからは斜度を増した登りが続く。ここまで来れば樹林帯は芽吹き前、足元のバイケイソウだけが林床を緑色に染めていた。この登りはかなりきつかった。これほどの斜度があったとは、下りにとった2006年秋には記憶がない。

それでも何とか山頂に辿り着く。春霞で遠望は利かず、とりあえず山頂に立ったことだけで満足し、次の場所へと向かう。樹林帯が途切れれば、奥ノ平方面は枯野が広がる。そして、山頂台地が途切れる方角へと足が勝手に向かう。足元には開いたばかりで縁が紫色をしているニリンソウが点々と咲く。もう少し・・・あと少し・・・、そして、目指す場所に辿り着いた。

それは、ハッと息を呑むような光景だった。目の前には丁字尾根が展開している。斜面は芽吹きで淡く染まっている。何の音もなく、ひたすら静寂に包まれた、まさに太古の姿である。あと一歩踏み出せば急斜面を転げ落ちるようなテーブルランドの縁に立てば、鳥になったような抜群の浮揚感が全身を満たした。鈴鹿最高峰がとっておきの景色を見せてくれていた。

山頂へ向かう

芽吹き前、奥ノ平方面

太古の姿を映す美しき山なみ

斜面は淡い緑に桃色が点々と

ここにもニリンソウが咲き乱れ

名残惜しくも山頂を後に下る

名残惜しい思いを断ち切るように、下山にかかる。鞍掛峠に向かう方法もあったが、これで満足と再びコグルミ谷から下りることにした。ひたすら下り続けるのみ。カタクリ峠を過ぎれば、陽は傾き始めており、日陰のコグルミ谷を下り続けた。多少、足が疲れてきたのか、斜度が足に応えるようになる。こんなに急坂であったか・・・気を抜くと足を滑らせてしまいそうで、注意しながら下った。登山口に着くころには、満足感を伴った疲労が全身を満たしていた。


新緑に淡く染まる鈴鹿の最高峰を満喫した。コグルミ谷の清々しさ、カタクリ峠から白瀬峠にかけての稜線の爽やかさ、そしてボタンブチからの雄大な眺め・・・すべての魅力が満載の山行となった。

一度、春の御池岳の魅力を知ったら、また行きたくなるのは当然のことだろう。来年も訪れたいと思った。できれば、イワカガミ咲く時期に再訪したいのだが、これを書いている今となっては、もう遅い。春は慌しく通り過ぎていくのだ・・・

2009.05.18. by TAKASKE

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