大峰山脈・八経ヶ岳(1,915m)、2008年07月06日、天候:晴のち曇

コース:行者還トンネル西口−奥駈出合−聖宝の宿跡−弥山−八経ヶ岳(往復)

まさに、「天女花」の名にふさわしい!

関西に来てから一度は見てみたいと思っていた八経ヶ岳のオオヤマレンゲを見に行った。まさにベストの開花期に当たり、幾つもの可憐な姿を目にすることができた。


オオヤマレンゲを見るためだけに、行者還トンネルの西口に車を停め、日帰りでピストンする。そんな山行スタイルに以前であれば違和感を持っていた。しかし、泊まりで行く余裕もなく、一旦車社会の恩恵に浴するようになると、暑い季節に2,000m近い高度まで手軽に登れて、しかも名花を見ることができるという山行スタイルは、魅力的に思えた。

7時半頃にトンネル西口に着けば、駐車場は満杯で路肩に縦列駐車となった。なんとか空きスペースを見つけてもぐりこんだ。エゾハルゼミの鳴き声が降り注ぐ中を登りはじめる。梅雨明けしていないが、雰囲気は梅雨明けに近く、青空の下の登りとなる。といっても、樹林帯の中を行くため、全く気にならない。

尾根ルートは急登が続き、Mackeyは体調が今ひとつのようで、かなりバテバテ状態。前回から1ヶ月ぶりの山行とあって、身体は鈍りに鈍っていた。後続にどんどん抜かれてしまう。しかし、樹林帯はまだ涼しく、ブナの大木も時折現われて、なんとか奥駈出合まで到達した。

奥駈道はしばらく平坦に近い樹林帯の道が続く。時折、涼しい風が吹き渡る。Mackeyも徐々にペースを取り戻すようになる。聖宝の宿跡の付近はブナ林が立派だ。しかし、今回は先を急ぐ。聖宝の宿跡を過ぎると、待っていたように弥山へ向けての登りが始まる。3年前の縦走のときもそうだったが、実に応えた。

なんとか弥山に登りつくと、針葉樹林に覆われた八経ヶ岳はすぐそこ。一旦下って登り返せば、鹿除けの柵が現われて、扉を開けて中に入る。待望のオオヤマレンゲが現われる。ガイドブックで見たおなじみの花が出迎えてくれる。純白の花びらが、この目で見ると本当に目にまぶしい。すでに過ぎた花もあるが、大半がつぼみか咲き始めたばかりの花だ。所々で写真撮影の順番待ちが出来ていた。

自分達も長い時間をかけて何度も写真を撮った末にようやく歩き出す。八経ヶ岳の山頂はすぐそこだった。

行く手に弥山が立ちはだかる

ブナ林も現われる稜線の道

聖宝の宿跡を過ぎれば登りが始まる

弥山から八経ヶ岳を望む

八経ヶ岳から大普賢岳方面

ナルコユリ

カラマツソウ

ショウキラン

登山口に咲いていたヤマボウシ

弥山まで戻る。ここでも再び柵の中に咲くオオヤマレンゲに見入って、長い写真タイムとなってしまった。弥山まで戻ると、小屋の前はますます多くの人でごった返している。日曜日だというのにこの時間になっても登ってくる人が多いのは、小屋に泊まるからだろうか。

下山に取り掛かる。階段を交えた下りは、時折足元をふらつかせる。ぐんぐんと下って、聖宝の宿跡へ。連続した下りの影響で膝が笑い始めている。体力が落ちたことを実感する。そこからしばらくは平坦に近い道が続き、ブナの木の根元にショウキランの花を見かける。思ったよりも時間が掛かり、陽射しも翳って雷鳴が聞こえ始めた。暑いせいか、上昇気流が活発なようだ。

トンネル西口への分岐にようやく辿り着き、一休み。多くの人が休んでいたが、奥駈道を行く人はなく、全員がトンネル西口へと下り始めた。Mackeyの調子は回復したが、今度はこちらが疲れ始めていた。一気の下りが続き、時折足をとられそうになる。木の根やグズグズの土など、時折足を取られそうになった。一度、尻餅をついてスライディングするように転倒した。

なんとか沢に下り立ち、下り坂はようやく終わりを告げる。沢水で顔を洗い、首を浸した。生き返ったような感覚であった。そのとき、にわか雨が降ってきた。幸いにも雨は強くならずに、すぐに止んだ。トンネル西口の登山口は目と鼻の先であった。車に乗り、トンネルを抜けたら、そこは一面の濃密なガスの中であった・・・


何と言っても初めて目にしたオオヤマレンゲ。純粋無垢な白い花びらは印象的であった。この花を見るために登ることの意味を、実感した山行となった。ただ、人が多すぎて、標高2,000m近い深い山旅の雰囲気が味わえなかった。仕方のないことではあるが。

大峰山系のアプローチはやや遠いが、今度は秋に本来の味わい深さを求めて登ろうか。そしてまた、「天女花」に会いに行きたいものだ。

最後に、オオヤマレンゲの様々な表情をお届けします。

2008.08.01. by TAKASKE

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