台高山脈・明神岳〜桧塚奥峰(1,432m)、2008年06月07日、天候:晴のち曇

コース:大又林道−明神滝−明神平−明神岳−桧塚奥峰(往復)

緑のブナ林(明神岳〜桧塚奥峰)

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台高山脈北部にある明神岳から桧塚奥峰を歩いた。明神岳から桧塚奥峰にかけてのブナを中心とした樹林帯は、手付かずに近い太古の雰囲気に満ちており、時折射し込む光に輝いていた。自然度の高い一帯を、今後も繰り返し訪れてみたい、という気にさせられた山行となった。


本当は、三重県側の台高前衛峰・迷岳を計画していた。しかし、コースが厳しいため今の体調を考えてやっぱりやめようということになり、桧塚奥峰になった。ベースとなる明神平はこれで4度目になる。

大又林道の駐車場に車を止め、歩き始める。2日に梅雨入りしたが今日は晴れ間が見られ、沢音が響き渡る。いつものことだがこの林道歩きは清々しい。林道がぐんと高度を上げれば、登山道が始まる。最初の渡渉、ここはいつもは飛び石伝いに渡れるが、この日は数箇所で流れの中に足を置くような状況。梅雨入り直後にかなり降った影響だろうか、水量が多い。

4ヶ所の渡渉を過ぎてトラバース道に入り、明神滝を望む。いつになく音が大きく、谷間に響き渡っていた。更に登り続けて、九十九折れが現われると、やがて水場となる。このあたり、明神谷の源流に当たるが、いつになく水量が多く、登山道にも水があふれていた。そして、明神平で昼食をとる。いつもながら、緑がまぶしい。またテン泊をしたい。

大又林道沿いに咲くトチノキ

沢沿いを登る

自然林が清々しい

明神滝

今回は水量が多く轟音が響く

明神谷源流部のヒメレンゲ

水場の傍に咲くクルマムグラ

イタヤカエデの新緑

明神平を後にする

明神平を後にして登っていく。気になるのはブナの状態だが、虫に食われている様相は見られない。中には花をつけている木もあり、見事に復活していることを知って、ホッとした。三ツ塚分岐は巻いて、明神岳を目指す。天候は曇りベースになりながらも、時折陽射しがのぞいている。明神岳からは木ノ実矢塚方面の支尾根が目の前に延びて、遠くには大峰連山も認識できた。

明神岳から左へ折れて、桧塚奥峰へと向かう。ブナとイタヤカエデの斜面を下れば、緩いアップダウンの道は鬱蒼としたブナ林になる。ブナはここでも健康そのもの。時折降り注ぐ陽射しに緑色に染まる。何とも言えないほどの素晴らしい雰囲気に満ちた森が続いた。展望はなく、立ち並ぶブナの木そのものを、雰囲気を伝えようと構図を考えては立ち止まる。

やがてブナの密度が減ってきて、シロヤシオが現われた。やはり今年は外れ年のせいか、去年ほどの数は見られなかった。展望地に出たらひと登りで桧塚奥峰の山頂に立つ。この頃には空は雲に覆われて、陽射しはすっかりなくなった。

花をつけたブナ
(今年は元気そうで安心)

ブナ林の中、明神岳へ

明神岳からの展望
(遠くに大峰連山も)

桧塚奥峰へと向かう

鬱蒼としたブナ林

ブナの葉を透かして見る

陽射しあふれるブナ林

どこまでも続く

桧塚奥峰に立つ

桧塚奥峰からは台高山脈の主稜線が一望できたが、池木屋山方面は所々雲を被るようになって、下り坂であることを実感する。アップダウンも緩く、日帰り装備のため、全然疲れがない。しかし、天候の回復は望めないので、小休止したところで引き返す。

十分に写真を撮ったにもかかわらず、ブナ林に入るとついついカメラを構えてしまう。陽射しはなくなったが、鬱蒼とした雰囲気が引き立てられる。目立つような太いブナの木はないが、幾本ものスラリとしたブナが林立する雰囲気を、少しでも写真に残したかった。急登を経て明神岳に出れば、明神平へ向かう。

あとは帰りの時間が読めるので、ゆっくりと歩き続ける。明神平は素通りして、水場で最後の喉を潤す。あとは来た道を淡々と下山。明神滝を過ぎて、4ヶ所の渡渉の最初を過ぎたところで、Mackeyが悲鳴を上げる。足を滑らせて、したたかに尻を打っていた。骨は折れてなさそうで、再び歩き始め、残りの3ヶ所の渡渉もなんとか渡って、林道終点に着いた。日帰り装備のため、駐車場までも去年のようには長く感じなかった。

ブナ林の中を明神岳へ引き返す

陽射しがなくても素晴らしい雰囲気

明神岳へ向けての登り

稜線に咲くヤマツツジ

明神岳付近の立派なブナ

薊岳方面を望んで下山
(明神平を過ぎたところ)


素晴らしい山行であった。何よりも去年、大規模な虫喰いの被害にあっていたブナ林が復活しているかどうかが心配であった。今年は見事に立派な葉をつけていて、少なくとも虫の大発生は確認されなかった。明神岳から桧塚奥峰にかけてのブナ林は、その健全な姿により一段と魅力的な様相を示していた。

関東に住んでいたときの三頭山や三ツドッケ、三国山稜なども日帰りで行けるブナの名山であるが、関西や三重県から日帰りで行ける明神岳周辺は貴重なブナの名山である。今後も繰り返し訪れたいとともに、いつまでも健全なまま残って欲しいと改めて思った。

2008.06.15. by TAKASKE

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