大御影(950m)、2008年04月27日、天候:晴ときどき曇

シャクナゲ咲く尾根にブナが芽吹く

湖北エリアにある大御影山に、ネット仲間とともに登ってきた。登りはじめから山頂まで、数多くの花に出会うことができた。芽吹きを迎えた山肌に山桜が点々と咲き、立派なブナ林も広がっていた。全行程15kmに及ぶロングランは疲れもひときわであったが、写真を撮りながらの超スローペースの山行を心行くまで満喫した。

※写真はすべてクリックすると別窓で拡大表示されます。


なだらかに続く尾根道は、終始自然林の道。足元には色とりどりの花が咲き乱れ、山肌は芽吹きを迎え、所々に山桜がアクセントとなっていた。展望地では、霞がかかって遠望は利かなかったが、湖北のなだらかな山々と琵琶湖を目にすることができた。

自然林に陽射しが降り注ぐ

ヤマザクラ咲く芽吹きの山肌

山頂から三重ヶ嶽

なだらかな道が続く
(撮影:mumさん)

シャクナゲ咲く尾根道を行く
(撮影:bunちゃん)

芽吹きを迎えたブナも様々な表情を見せてくれた。山頂へ続く上部のブナ林は芽吹き前だったが、なかなか見事だ。黄葉の時期は若狭駒ヶ岳と同様、素晴らしい光景を目にすることは間違いない。山頂から先の大日までが更に素晴らしいと聞くが、果たして歩けるだろうか・・・

斜面のブナ

ブナの芽吹き

好ましいブナ林の尾根

上部は芽吹き前

そして、尽きることのない数多くの花に、足はすぐに止まってしまう。特に、イワウチワ(トクワカソウ)は最初から最後まで見ることができ、これでもか、とカメラを向けた。それぞれが、思い思いに花を撮っていた。私のカメラでは、アングルファインダーが大活躍だった。

オオイワカガミ

オオイワカガミ

ショウジョウバカマ

ショウジョウバカマ

ホンシャクナゲ

イカリソウ

イワナシ

イワナシ

バイカオウレン

バイカオウレン

オオカメノキ

オオカメノキ

オオバキスミレ

カタクリ

カタクリ

イワウチワ

イワウチワ

イワウチワ

イワウチワ

ヤマザクラ

ヤマザクラ


***

そして、もう一つの大御影山があった・・・

芽吹きの中に潜む真実・・・

下山を前にして芽吹きの斜面にカメラを向けた。美しい萌黄色をファインダー越しに眺め、構図を決めようとして、止めた。

そこに映っていたもの・・・それは立ち枯れた大木の無残な姿であった。ふと見渡すと、あちこちに立ち枯れの木が見られ、倒木も至るところにあった。立ち枯れの幹、それはミズナラの特徴を示すものであった。そういえば、登り始めのところでも、倒木が多く荒れているな、と漠然と思っていたのだ。全てがつながってしまった。

楢枯れ・・・私がその存在を知ったのは、去年のこと。詳細は略すが、ナラ系の樹木の幹に孔を開けて入り込む昆虫が媒介する菌により、大木が次々と枯れて行く現象で、芦生の森をはじめ西日本の日本海側で広がっている。以前は生態系のバランスにより抑制がとれていたが、近年拡大しているのは、温暖化が原因とも言われている。

私が好きなのはブナの森であるが、ミズナラはブナを引き立て、時にその大木は主役を張ることもある。特に、新緑の時期、その大きな葉はステンドグラスとして、太陽光を緑色に変えて届けてくれる。そんなに貴重な存在であるミズナラが失われつつある現状を、憂うことになる、衝撃的な山行にもなってしまった。

2008.05.15. by TAKASKE

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送