鈴鹿山脈・綿向山(1,110m)、2008年03月09日、天候:晴

コース:西明寺登山口−(表参道)−行者コバ−(冬道)−綿向山頂−(冬道)−行者コバ−(表参道)−西明寺登山口

雪の鈴鹿主峰の展望が欲しいまま

(綿向山頂にて)

12月に登った綿向山に再び登った。晴天の下、雪の積もった鈴鹿山脈を南から北まで見渡すことができた。七合目から山頂へと直登する冬道は、ブナの自然林が好ましい雰囲気であった。

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2月中に明神平に行くことを考えていた。しかし、なかなか行く機会が得られず、体力も落ちてきたので、行き先を綿向山に変更することにした。3月に入り、寒さの緩んできた日曜日にようやく機会を得た。

2月は例年になく寒かった。3月に入っても数日は厳しい寒さが続いていたが、この数日で冬将軍は力尽きたように、ポカポカ陽気に変わった。しかし、登山口が近づけば所々に残雪が現われた。気温は高いながらも、早い段階でのアイゼン着用を予感させた。駐車場は賑わっていた。

沢沿いの道から登山道が始まり、橋を渡る。所々雪の上を歩くが、最初のつづら折れはアイゼンなしで行く。雪が連続し、所々凍結しているが、そのまま登っていく。林道を渡る3合目で積雪30cm程度。さらに登り続けて5合目避難小屋へ。ここでアイゼンを着けて進む。

七合目の行者コバで植林が途切れて、雪原にブナが林立する光景が広がった。久々に見る美しい風景だ。ここからは夏道と離れて尾根通しの冬道へ。ブナの自然林の中、急登が続いた。立ち止まっては写真を撮る。ふくらはぎをバネのようにしながら登っていく。汗がにじんでくる。山頂直下まで好ましい雰囲気の登りが続いた。

行者コバのブナ林

冬道のブナ林を急登する

尾根伝いに登る

山頂付近の積雪は1m余り。指導標が足元に顔を出している。そして楽しみにしていた大展望が目の前に広がった。目の前には鈴鹿第2の高峰・雨乞岳が圧倒的な存在感で迫ってくる。そして、右奥にはピークを際立たせる鎌ヶ岳。

雨乞岳から左側、鈴鹿北部の山々も白い峰々を惜しみなく見せてくれる。鈴鹿最高峰の御池岳は台地状の姿で横たわっている。更に目を転ずれば霊仙山、その奥に伊吹山。1,400mに満たない山々とは思えないようなスケールの大きい連なりである。

早い時間帯には木曽御嶽も見えていたというが、かすかに白くもやもやしたものが見て取れた。ポカポカ陽気で昼寝したくなるような気分であったが、風が吹いてきたので、下山することにする。

山頂付近の積雪は1m余り

雨乞岳と鈴鹿の峰々

御池岳方面も真っ白

霊仙山と奥に伊吹山

切り立つ姿の鎌ヶ岳

南方は雨乞岳へのトレース

再び冬道のブナの樹林帯を下り続ける。慎重に足を運んで下れば、行者コバで平坦になって夏道と合流する。植林帯のトラバースを抜けて五合目小屋で一旦視界が開けて、琵琶湖方面が望めた。近江富士を認めたものの、琵琶湖は春霞と逆光で判別できない。

そこからは植林帯のトラバースを繰り返す。三合目の東屋で休憩。まだアイゼンはつけたまま下り続けて、2合目でようやく外す。つづら折れの斜度が緩く、標高差の割に距離を歩かされる。下の方は朝よりも雪融けが進んで、ぬかるみもある。思ったよりも時間がかかって登山口の駐車場に辿り着いた。彼岸も近く、日は確実に長くなっている。

帰りは水口経由とする。途中の田園地帯から振り返る綿向山の姿は、如何にも愛されている山であることを物語っていた。上部に雪が残るものの、麓は春の香りが漂っていた。立ち寄ったのは宮乃温泉。登山口からは車で1時間弱かかるのが難点だが、感じのいい温泉だった。

冬道を七合目へと下る

行者コバで傾斜が緩む

五合目小屋付近で視界が開ける

遠く近江富士が目に入る

日野町からの綿向山は見事


晴天で素晴らしい展望に恵まれ、12月の”リベンジ”を果たせたような山行となった。また、冬道の直登ルートにはブナが豊富に残されていて、雰囲気の良い山であることを認識した。天気がよく、寒さが緩んだときに登れば満足できることは間違いないだろう。新雪の直登ルートは難儀するだろうが。

これからも、最も近く雪山気分を愉しめる山として、ここ(伊賀)に住んでいる限り何度も登りたい。

2008.03.15. by TAKASKE

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