鈴鹿山脈・綿向山(1,110m)、2007年12月09日、天候:雪のち晴

コース:御幸橋駐車場−(表参道)−五合目小屋−七合目(行者堂)−綿向山頂−913mピーク−竜王山−西明寺口

モノトーンの展望

(綿向山頂から雨乞岳、奥に鎌ヶ岳を望む)

滋賀県側から鈴鹿山脈に登ることにし、手頃な綿向山を目指した。雪混じりの天候だったが、行者コースは快適な登りであった。下りの竜王山ルートは一転、ハードな下りとなったが、最後は天候が回復して素晴らしい展望も楽しめた。

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年内にもう一度鈴鹿山脈を登りたいと思い、今度は滋賀県側からということで綿向山にすることにした。最短距離でのアプローチが難しく、思い通りに辿り着けない。登山口に着けば、小雨模様で上空がどんよりとしていた。風も強そうだ。気が重いが仕方ない。

最初は植林帯の中の九十九折が続く。鬱蒼とした中登り続けると、下山してきたおじさんに「上は雪が降ってるよ」と言われる。植林帯を抜けると視界が開けて、雪がうっすらと積もった景色が飛び込んできた。寒い!すぐそこに五合目避難小屋があった。もっと先でと思ったが、寒さをしのげる小屋の中で昼食をとることにした。

再び歩き出す。七合目まで来るとそれまでの植林帯が切れて、ブナ林が現われた。やっぱりブナの森はいいね。行く手に今回で一番の太いブナが立ちはだかっていた。その「ブナ太郎」の手前でルートは左に折れて登っていく。風が強い中、どんどん登って山頂に立った。

七合目まで来ればブナ林が広がった

今日一番の「ブナ太郎」

うっすらと積雪の綿向山頂

上空はどんよりと鉛色の雲に覆われ、強風が吹きつけていた。目の前に聳えるのは鈴鹿第2の高峰・雨乞岳である。その右奥には鎌ヶ岳の鋭鋒が頭をもたげていた。風に吹かれて寒いので、のんびりと写真を撮っている場合ではない。竜王岳方面に向けて歩き始める。

樹氷のブナ林を下っていく。変形木の「幸福ブナ」の幹をくぐる。幸せになれるとか。再び樹氷のブナ林を下っていくと、雲が切れ始めて時折光が差し込んできた。

鎌ヶ岳を目立たせた鈴鹿主稜

樹氷の中を下山にかかる

変形木の「幸福ブナ」

やがて道は一気に急降下するようになった。ロープにしがみつきながら下っていく。このように一歩一歩緊張しながら足を運ぶのは、去年の若狭駒ヶ岳や夏のザラ峠への下り道以来のことか。一旦緩くなった後、再びハードな下り。思わぬところで強いられるハードな歩きと緊張の時間が続いた。

しばらくすると下りは緩くなり、あとは緩いアップダウンが続く。天候が徐々に回復してきて、陽が差してきた。少し登れば913mピーク。堂々たる雨乞岳と伊吹山方面までの展望が広がってきた。でも、鈴鹿に疎いので、山座同定が思うように行かない。

再び歩き出す。緩いアップダウンを繰り返しながら徐々に高度を下げて、竜王山(826m)。そこから90度折れ曲がって、意を決したような下り坂が続いた。とはいっても、さきほどのような危うさはなく、落ち葉の積もる好ましい道が続いた。やがて、ひょっこりと車道に出た。これで、今回の山行は終わったようなもの。暗くなりかけた登山口の駐車場に戻れば、既に自分たちの車が1台残るのみであった。

樹氷のブナ林を行く

913mピークより北東の方角

雨乞岳の大きな山体
(913mピークより)


山麓の雰囲気は近江の里山といった趣であるが、山頂に立ったときの鈴鹿山系のパノラマが広がる世界は、とても1,100mの山とは思えないスケールを感じさせた。綿向山頂から竜王山を経由するコースは、かなり緊張を強いられるものの、表参道コースであれば冬に歩くこともできるだろう。積雪期や芽吹きの時期に歩いてみたいと思わせる山であった。芽吹きの時期にできれば雨乞岳まで縦走してみたいが、今の体力では到底無理だろう。

2008.01.22. by TAKASKE

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