和泉葛城山(858m)、2006年12月16日、天候:晴れのち曇り

コース:牛滝山バス停−大威徳寺−(丁石道)−和泉葛城山頂−春日橋−蕎原バス停−ほの字の里

※今回はTAKASKEの単独行

葛城山頂付近の葉を落としたブナ林

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関西に越してきて、まずはブナの山をさがした。そして標高1,000mに満たない和泉葛城山がブナの山であることを知った。それ以来、いつかは訪れる山として計画を温めていた。今回、冬の日帰り山行にこの山を選んだ。

※写真はクリックするとすべて別窓で表示されます。


南海電鉄岸和田駅のロータリー、目的地へと向かうバス乗り場は登山客の群れで容易に見分けがつく。バスに乗れば、思ったよりも早くに牛滝山の終点に着いた。大威徳寺の境内は落葉したカエデの葉が積もって、まだ紅葉も残っている。そこに初冬の陽が差し込んできた。他の登山者が行ってしまった中、一人で写真撮影にふけっていた。

大威徳寺は紅葉が残っていた

牛滝山の号を持ちユニークな牛の像も

大威徳寺の多宝塔

登り始めは小さな滝が続くコース。そこから、沢を離れてしばしの急登が続く。4週間ぶりの山だけあって、足が重い。今回の標高差は500m程度。ナメているときほど調子が悪いのはいつものことだ。お地蔵さんの立ち並ぶ丁石道を登っていく。徐々に傾斜が緩くなり、車道に出ると山頂は近い。車道を外れれば、待望のブナ林が現われた。

滝が現われる沢沿いを歩き始める

お地蔵さんが次々に現われる丁石道

ブナ林の中をトラバースの道が続く。いつの間にか曇ってしまっている。青空もなく、霧氷もない、単なる冬枯れのブナ林であるのは物足りないけど、思ったよりも太いブナの木が数多く見られた。期待以上である。写真を撮る僕の横を次々に登山者が通り過ぎる。「いいブナですねぇ〜」と自然に言葉を掛けていた。

山頂付近でブナが現われる

ブナの立ち並ぶ中を行く

太く立派な幹の木もある

神社の石段を登って山頂へ。人工的な展望塔はちょっと興ざめ。そして、展望も余り利かない。さっきから白い犬がうろついていた。食事をとろうとしたら寄ってきた。じっと物欲しそうな目で見つめられる。これには弱い。ついついパンの一部をちぎって投げてしまう。8切れほど与えたが、まだまだ物足りないのだろう。こちらが食事を終えたら、別の人のところに寄って行って、また昼食のおすそ分けをもらっていた。

展望塔の建つ山頂

山頂に住み着いている(?)犬

展望塔からの眺め(大石ヶ峰方面)

大阪湾方面の眺め(遠望利かず)

ひとしきり写真を撮ったら山頂を後にする。再び石段を下って、今度は蕎原へ向けて歩き出す。ブナ林の中を行く。朽ち掛けた老木や、どっしりした根張りのブナなど、次から次へと現われる。和泉葛城山の北面は見事なブナ林が広がっていた。構図を変えて、露出を変えて写真を撮るが、陽射しも青空もなく、今ひとつ映えない。

ブナの老木

立派な根を張るブナ

そうこうしているうちにブナ林は終わりを告げて、植林と雑木林が交錯する中をズンズンと下るようになった。下るにつれて紅葉も残るようになってきた。植林も多いが案外爽やかな道だ。やがて沢沿いを下るようになる。散ったばかりのカエデの葉がいい感じだ。しばらく沢沿いを下って春日橋に出ると車道が現われた。あとは舗装された道を行くだけ。所々に鮮やかな紅葉も残って、2〜3週間前だったら、さぞかし綺麗な渓谷美が展開されていただろう。

やがて集落が現われたら、にわかに開けて谷あいに田んぼが展開されるようになる。山肌は遠目には、まだまだ鮮やかな色合いであった。蕎原の集落に入り、バス停を過ぎて20分余り。「ほの字の里」という温泉施設に着いた。ゆっくりと湯に浸かった。大して歩いていない、と思っていたが思いの外疲れが出た。バスに乗り、水間鉄道の水間駅へ。そこから電車で南海電鉄の貝塚へ。気付いたら、電車が逆方向すなわち水間駅へ向けて走っている。なんと、爆睡して、折り返したのに気付かなかった。

花ではなく葉が白く輝いている
(何の木だろう?)

宿ノ沢沿いに下る

「ほの字の里」からの風景


思いの外、素晴らしいブナ林を目にすることができて嬉しかった。標高1,000mに満たない山としては、南限のブナ林だという。大峰山系などの標高の高い山でこそ、更に南に広がるブナ林があるのだが、この高度でこれだけのブナ林があるのは、確かに奇跡的だと思う。もしかしたら、今のように植林が進まなかったら、至る所にブナ林が見られたのかもしれないが・・・

この山のブナ林がいつまでも残ることを願わずにはいられない。今回は霧氷もなく、青空もなく、写真としては平凡になってしまったが、比較的手軽に登れる山として、是非とも再訪したい。

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