氷ノ山(1,510m)、2006年10月01日、天候:雨
ブナの樹林帯は染まり始め
(※クリックすれば別窓で拡大表示されます) |
氷ノ山は、関西に来たときから是非とも登ってみたい山だったが、アプローチが長いこともあってなかなか実現できずにいた。行きたいと思ったときには、天候が思わしくなく、めぐり合わせも悪かった。今回、下り坂の予報が出ていたがスケジュールを強行、しっかりと雨に降られたが、とても印象深い山行となりました。
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民宿の車で東尾根登山口へ送ってもらう。自分達の車は親水公園に止めて、下山時に使う。民宿の車が視界から消えたまさにそのとき、雨が降り始めた。もうこれは我慢の山行しかないと決めて、合羽を着込んで出発した。
稜線までは丸太の階段の道が続いたが、30分も歩けば稜線に出た。そのまま歩き出す。と、なぜか携帯電話が掛かってくる。雨だから登山を中止するなら迎えに行くよ、とのこと。ここまで来て中止するわけにはいかない、と今回は気合が入っているので(いつもはどうなんだ?)、お言葉は有難いが丁重に断って山行を続ける。
すぐにブナが現われてきた。部分的には植林がみられるものの、概ねブナの自然林が続く。雨は本降りとなっているが、ブナが天然の傘になってくれている。登りも苦にならない程度の斜度である。0.5kmごとに距離表示があるのもいい目標となっている。
東尾根登山口の風景 |
ブナ林が現われる |
登山道の両側はネマガリダケの藪で迷いようがない。神戸大ヒュッテまで来たところで雨宿りを兼ねた休憩をとる。ここから先は樹林も疎らになってくる。ところどころに杉の大木を見るようになる。
藪の切れ間から鉢伏山方面を望み、行く手に山頂の避難小屋が目に入った。ほどなく山頂に着いた。ここまで誰にも会わなかった。この雨の中を登るほうが物好きというものだろう。雨は強くなったり小降りになったりを繰り返すが、止むことはない。
これから下る稜線が浮かび上がっている。雲が稜線を越えるあたりが氷ノ山越か。その手前あたり、こんもりとした場所はブナの森だろう。雨で展望も霞んでいるため長居する必要もないので、すぐに下山にかかった。
鉢伏山方面の展望 |
山頂までもう少し |
山頂から氷ノ山越方面を望む |
しばらくはネマガリダケと低木の中を下る。ドウダンツツジが紅葉しはじめている。ひとしきり下って斜度が緩んでくると、待望のブナが現われた。木の先端の方から紅葉が始まっている。
一際太いブナの木が、登山道のど真ん中に立っていた。これが今回の「ブナ太郎」か。雨が降り続く中、納得行くまで写真を撮る。Mackeyは下から仰ぐようなアングルで、僕は少し離れたところから水平に近いアングルでそれぞれ撮った。
再びブナ林が現われる |
一番太い「ブナ太郎」 |
「ブナ太郎」を仰ぐ |
登山道が水平に近くなってくる。足元はぬかるむようになってきた。反対側から2組立て続けにすれ違う。そんな中、ブナ林が深くなってきた。いい雰囲気の林相、鬱蒼とした雰囲気を漂わせていた。再び納得行くまで写真を撮った。
深いブナ林の中を抜け、ダンスをするように同じように曲がった2本組を横目で見る。やがて目の前にブナが林立する赤倉山の斜面が見えてきて、ひとしきり下って氷ノ山越に立った。ここで昼食をとった。
深いブナの樹林帯 |
ダンスする(?)2本組 |
氷ノ山越 |
見るからにブナ林が深い赤倉山へと登りたい衝動を押さえて、親水公園へと下りにかかった。谷沿いの斜面のトラバース道。ここも深い自然林が続く。雨が強くなってきた。それでも、ブナの幹を雨水が伝う姿や、足元に咲くダイモンジソウ、染まり始めた斜面などを撮りながら下る。
雨が更に強くなって足元に気を遣うようになる。カメラをこれ以上濡らしたくないのでザックにしまった。やがて、沢音が響くようになれば不動滝、布滝と連続して目にする。ついに谷底に下りて、沢の流れを横目で見る。右岸から左岸に移って下り続ければ、ようやく親水公園に着いた。車に乗り込むと、待っていたかのように雨は一気に土砂降りになった。
ブナの幹を雨水が伝う |
ダイモンジソウ |
染まり始めの谷間に |
貫禄あるミズナラの大木 |
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久々に終始雨模様の中での山行となった。その割には風が強くないこともあり、また、ブナ林も台高の明神岳にはやや及ばないものの、かなり印象的であった。今度は時期を変えて、残雪と新緑の頃にでも歩いてみたい。氷ノ山に加えて、後山や三室山なども興味を持っている。
兵庫県北部は、標高の低い里山が連なる地域であるが、氷ノ山はその中にあって1500mを越える顕著なピークとなっている。しかし、里山の中にも皿蕎麦で有名な出石や、植村直己の出身地の日高町など、隠れた魅力もある。今回はレンタカーを使って前日にこのエリアを走り回った。また、登山口の民宿も素朴だがとても温かいもてなしを受けた。
出石の皿蕎麦 |
植村直己冒険館にて |
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