九重山、阿蘇山(2006年5月3日〜7日)

2006年のGWは九州で温泉と山を満喫・・・これがテーマでした。

「坊がつる」は盆地状の湿地帯。九重火山群の中にあって、独特の雰囲気を持っていた。

九重山(1,791m)

5月3日、晴天。JR豊肥本線で豊後竹田駅まで乗り継いでから、レンタカーに乗る。やがて、九重連峰の南側に広がる久住高原に出る。見事な火山が一列に展開していた。関西ではおよそ見られない雄大な景色だ。さらに進んで、やまなみハイウェイを越えて、黒川温泉へ。狭い中をぐるぐると回った末に、ようやく待たずに入れるお風呂を見つけた。お風呂から出て、宿泊の地である湯坪温泉へ。料理のとても美味しい民宿に泊まることができた。

翌4日の朝、この日も晴れた空で暑くなりそうな予感がする。民宿を出て長者原へ。山なみから噴煙が上がっている。陽射しのさえぎるもののない中を「すがもり越」方面を目指して登り続ける。下の方は、アセビが満開で、左側には寄り添うように三俣山が堂々としている。やがて行く手に噴煙を吐く硫黄山が迫ってくると、火山荒原の様相を呈してきた。その中を徐々に登って「すがもり越」。颯爽と聳える大船山が印象的な場所であった。

「すがもり越」から主峰の久住山を目指す。星生山を右側に見ながら、窪地を抜ける。誰かが叫んだ声が見事にこだましていた。やがてズンズンと登って行き、鞍部を左に折れて、回り込むように久住山の山頂に立った。南側の裾野に展開する久住高原、その奥には阿蘇の根子岳と高岳がうっすらと見えた。そして、クレーターのようなカルデラの窪みも見ることができた。

北側を向けば、箱庭のような、いかにも活火山といったおもむきのポコポコした地形が広がっていた。特に三俣山の姿、このポコポコ感がいいね。美味しい民宿のお弁当を食べてから、中岳を目指す。鞍部に下ってから登り返し、御池を経て最高点1,791mの中岳山頂に立った。盆地のように広がる「坊がつる」が印象的であった。

中岳から「坊がつる」へと下る道は、沢状の地形に沿っていた。人通りが少なくやや荒れていて歩きにくい。途中にがけ崩れの跡を迂回するところも出てくる。思いの外時間がかかって、ようやく法華院温泉の小屋に着く。水場の水が喩えようのないくらい美味しかった。ああ、こんな素晴らしい場所に営業小屋があるなら、最初から予約しておけばよかった。

日が傾いてきている。早く長者原に戻らなければ。名残り惜しい中、法華院温泉を後にする。あたりは「坊がつる」の湿地帯が広がり、その奥に粋な姿の大船山が聳えている。素晴らしい景色であった。あと4km余り。先を急ぐ。少し登って雨ヶ池越という峠を越えて下りに差し掛かる。日は傾き、シルエットの山を背景に、眼下に長者原がようやく見えた。そこからは、土石流地帯を越え、この日初めての樹林帯を抜けて、なんとか長者原に着いた。

ヘトヘトになりながらも、駐車場から車に乗って筋湯を目指す。看板の打たせ湯に入ってから、湯坪の民宿に戻った。美味いビール再び美味しい夕食にありつけた。この日は充実感一杯であった。

九重連峰が広がる
(久住高原より)

黒川温泉の可愛い置物

長者原からスタート

三俣山が堂々と迫る

行く手に噴煙を吐く硫黄山

すがもり越から大船山

九重山頂からの景色

御池から最高峰の中岳へ

中岳から硫黄山を俯瞰

中岳から坊がつるへ下る

長者原が見えてきた

最後の樹林帯は芽吹きの時期

阿蘇山(1,592m)

5月5日、この日も晴れている。湯坪温泉からやまなみハイウェイに出る。九重火山群の裾野から広大な阿蘇の裾野へ。両者の境界もはっきりとわからないまま、レンタカーで行くのはどこまでも続く牧草地。やがて出たのは、外輪山の火口壁であった。世界最大の阿蘇カルデラ。田んぼや町を抱え、遥か中央火口丘を望む。根子岳の鋸歯状の姿が素晴らしい。そこから火口原へ降りてから、宮地を抜けて阿蘇中央火口丘へ向けて登っていく。ロープウェイの仙酔峡に着いた。

ロープウェイで一気に中岳展望台の駅へ。そこから展望台まで行き、荒涼たる中岳噴火口を眺める。ここまでは観光客のテリトリーで、そこから先は砂礫の道を徐々に登っていく。とりあえず、阿蘇の最高点へ行くためだけに登っていく。やがて高岳の山頂に立った。根子岳ははるか向こうにあるが、九重を歩いた翌日で疲れが残っていて余り気力がわかない。ロープウェイの駅へ引き返した。

安易にロープウェイで下る。仙酔峡を少しだけ散策する。見上げる高岳の岩壁が、八ヶ岳の横岳を連想させる美しさだ。そして、ほんのわずかではあるが、ミヤマキリシマが咲いていた。「山と渓谷」に登場する写真のようにはいかないが、見れただけでよしとしよう。できれば最盛期に行ってみたいものだが、大阪に住んでいて仕事を持っている以上、無理というものである。

この後、仙酔峡から車で下山して、阿蘇神社に立ち寄った。日本三大楼門とかで、重厚な造りが印象的だった。

翌6日、GWになって初めて曇り空となった。鋸歯状の根子岳に分厚い雲がかかる。その中を、草千里を目指して徐々に登っていく。この日は観光モードで、草千里と火山博物館に寄る。遥か過去の大噴火に思いをはせつつ、南阿蘇へと下る。白水温泉の湯に浸かってまったりとした時間を過ごした。

それから、近くに湧く「明神池水源」へ。素朴な水源で、ポリタンクも持った地元の人が数人いた。ここのそば屋に入って手打ちそばを食べる。なかなかの味だ。店を出ると、雨が降ってきた。根子岳がいつの間にか雲に隠れていた。続いて白川水源へ。ここは立派な観光地だった。そこから、南阿蘇の火口原を回って、山腹の「米塚」を展望しながら前日と同じ宿泊地に戻った。

翌7日、この日は帰るだけ。国道57号をひたすら東へと行く。外輪山を越えればなだらかな裾野を徐々に高度を下げて行く。豊後竹田で列車の時間が来るまで、竹田の町を散策した。趣のある町で、もう少し時間をかけたくなった。

外輪山の縁から根子岳、高岳

鋸歯状の根子岳の姿がいい

中岳から最高点の高岳へ

中岳噴火口

見上げる高岳

仙酔峡から高岳の岩壁

一部咲くミヤマキリシマ

ミヤマキリシマ

中岳を背景にミヤマキリシマ

阿蘇神社の楼門

草千里

明神池水源の立派なフジ

白川水源

ここから水が湧いている

米塚(背景は外輪山)

総括

九州の屋根と呼ばれ素朴なたたずまいで煙を吐き続ける九重山、広大なカルデラが豊かな文化を育む阿蘇山。九州の中央部のメジャーな2山を登ることができた。関西ではみられない雄大さを満喫した。久々の火山でもあったし、温泉や料理も楽しめた。山登りというよりは旅行の要素が強く、大満足の4泊5日となった。また九州の山に登りたい。次は、今回の候補に挙がった霧島かな?

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