比良山系・武奈ヶ岳(1,214m)、2005年11月26日、天候:晴れのち薄曇

坊村→御殿山→武奈ヶ岳山頂→イブルキノコバ→広谷→大摺鉢→ガリバー旅行村

八淵の滝・大摺鉢

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6月に歩いた比良山系の武奈ヶ岳。山深さと快適さを併せ持つ山として、印象に残っていた。晩秋の雰囲気と展望を期待して、是非とも再び登ってみたくなった。(本当の目的は、冠雪した白山を見ることだったのですが・・・)

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出町柳の駅は最近よく使う。今回はここからバスで1時間、坊村へ向かう。

登り始めは植林の中、やがて植林が切れてくれば、光差し込む自然林。一旦平坦になるあたり、紅葉が見事で、木の幹に片側から光が当たる景色が見事だ。そこから急登をひと登りすると、稜線に出る。猿の群れが茂みの向こうにいるので、目を合わさないように気をつけて進んでいく。更に登れば、自然林はすっかり葉を落とし、やがて木の背丈が低くなって御殿山に着いた。

ここで視界が一気に開け、西南稜の先に目指す武奈ヶ岳が見えた。前回はガスに包まれていたところ。ああ、こんな景色なんだ、と感心する。比良山系と、小春の陽射しにやや霞んだ京都北山が欲しいままだ。山なみだけではない。山肌はすっかり葉を落とした広葉樹と尖った杉、そして所々に紅い葉を残すツツジと思しき姿。

そこから山頂にかけての稜線歩きの快適だったことよ。山頂からは琵琶湖も認識できないほどに霞んで、やはり懸念していた晩秋の大気の逆転層を抜け出せなかった。あと300mも上がれば空気は澄んでいたのかもしれないが、関西の山には望めない。何日か前に降ったと思われる雪がわずかに残っていた。

ここからはイブルキノコバへ向けて下る。途中でブナ林を通る。葉を落とした姿にやや物足りなさを感じた。イブルキノコバを過ぎて広谷へ。ここからは踏み跡が目立たない中を下った。

広谷からの下り道、トラバースしながら尾根を越える。下りが急になり谷へと向かう。再び木々が葉を付けはじめ、見事な紅葉が現れた。この自然林がいい。武奈ヶ岳のルートの中で、まだ2回目なので何とも言えないが、最も手付かずの自然が見られる場所なのかもしれない。沢音が聞こえ始めて徐々に大きくなり、一旦沢筋に下り立った。派手さもなく、洗練されてもいないが、深い自然である。喩えて言うなら、雲取山の唐松谷のようである。しばらく沢を絡みながら進めば大きな沢音が聞こえてきて、八淵の滝の一つ、大摺鉢が目に飛び込んできた!写真では表現しきれない。ナメを流れながら滝壺に注ぐ姿が新鮮だった。

そこからガリバー村までの道は、おまけみたいなもの。登山道の幅が広がり、遊歩道となる。それでも時折、木々の間からチラッと見られる紅葉の山肌は十分に余韻を与えてくれた。薄曇りで下山時には光は足りなかったが、清々しさは目にしっかりと焼き付けられた。

紅葉する自然林を登る

鮮やかに輝くカエデ

葉を落とした上部の自然林

御殿山より西南稜と武奈ヶ岳

幻想的な斜面

武奈ヶ岳山頂を目指す

西南稜を振り返る

安曇川を隔てた白倉岳方面

こちらは蓬莱山方面

広谷を過ぎて再び紅葉が現れる

沢筋に下りる

紅葉の山肌を見てガリバー村へ

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武奈ヶ岳はやっぱりいい。魅力が凝縮された素晴らしい山である。季節を変えて何度でも訪れたい。雪の時期、新緑の時期、そしてサラサドウダンに稜線が染まる中秋もいいのかもしれない。今回の下山コースの「深さ」も印象的であった。日の長い時期にもう少しじっくりと味わいたい。そして、「白銀の白山の展望」も宿題として残った。再訪のチャンスはいくらでもある。

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