芦生の森、2005年11月3日〜5日

櫃倉(ひつくら)谷のトチの木

11月3日、天候:雨のち曇り

終点、広河原でバスを降り、佐々里峠まで車道を登っていく。佐々里峠で食事をとっていると雨が降り出し、本降りに。その中を出発する。染まり始めた道、ブナがあちこちに見られる。ブナに混じって芦生杉の大木も。アップダウンのほとんどない稜線を行く。カエデやミズナラが増えてきて、尾根が黄色く染まっていた。

やがて尾根を外れて谷へと下る。灰野谷に下ってからしばらく沢沿いを行く。一旦谷を外れて登り、由良川の本流が刻む谷へと一気に下った。下り着いたところが廃村の灰野。一本のトロッコ道が芦生(須後)まで導いてくれた。

いつしか晴れ間も見えて、日が暮れてきた。思ったよりも遅くなって芦生に着いた。「芦生山の家」にお世話になる。

佐々里峠への道

佐々里峠のブナ林

染まる稜線を行く

トロッコ道を芦生へ

11月4日、天候:霧のち晴れ

朝霧に包まれていた。晴れを予感させる朝霧の中、櫃倉谷へ向けて出発。途中の林道も清々しい(行きだから言えるのだが)。やがて霧が急速に晴れてきて、晩秋の陽射しに包まれる。燃えるような山肌も見ることができた。

林道の終点から櫃倉谷のコースが始まる。まずは渡渉して対岸に渡り、尾根を乗り越える。中ノツボの合流付近は広々としていて早くも原生林の雰囲気に包まれた。そこからの沢沿いの道は、浅い流れを何度も渡り返しながら奥へと続いていた。坂谷出合いを過ぎれば、ますます深く見事な渓畔林が広がった。トチの木が目立っていた。大きな葉が黄色く染まっていた。

秋の日は短いため、12時を過ぎたところで、適当な休憩地をみつけて昼食をとる。そのあと、沢音に包まれてしばしのお休み。気持ちよさそうにまどろむMackey。

更に奥へと歩きたくなる気持ちを抑えて、来た道をゆっくりと引き返す。途中で中ノツボの滝に立ち寄り、尾根を乗っ越して林道終点に戻れば、いつしか陽射しが傾いていた。光が翳ると、輝きを失う。そんな中、輝く紅葉の斜面を映す水面が印象的なシーンを見掛けた。そこから「芦生山の家」までの林道が長く感じたことよ。

清々しい林道を行く

トチの木が目立つ

深まる櫃倉谷

中ノツボ谷合流のあたり

落ち葉のサンドイッチ

西日に輝く山肌

山肌を映す水面

11月5日、天候:晴れ

この日は帰るのみ。佐々里峠経由で帰る手もあった。来るときは雨だったし、陽射しに輝くブナも見たいし・・・

しかし、今回も久々の山歩きで疲れたし、周山経由で京都まで出るのも悪くない。バスを乗り継いでのんびりと帰ることにする。

由良川に沿って道は続く。「出合」バス停までは歩きだ。出合で河原に下りて時間をつぶした。「知見口」で乗り継ぎ。そこから20分ほど歩けば茅葺きの集落に出る。美山町は茅葺き残存率が日本一だという。このあたりまで下れば、紅葉はまだまだ。おまけに暑い。更に「安掛」「周山」とバスを乗り継ぐ。しかし、この車社会の中でバスにえんえんと乗り続ける人は少ない。10人も乗っていないような状況が一変したのは、高雄に差し掛かった時のこと。あっという間に超満員で、そこから京都駅までは苦痛の時間となってしまった。

由良川と芦生の集落

由良川の畔で

茅葺きの集落

***

初めての芦生の森、まだまだ入門編といったところだが、櫃倉谷の原始の雰囲気には心惹かれるものがあった。沢音と黄色く染まる木々を通る光に、心が洗われた。

季節により、場所により、多様な魅力を持つ芦生の森をこれからも訪れたい。今度は、三国峠のブナ林や、さらに原始の色濃い上谷などを歩くことができればいいと思っている。

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