白山(2,702m)、2005年7月23〜24日、天候:曇ときどき雨(山頂で晴れ間)

山頂で雲が切れた。しかし遠望は利かない。 御前峰にて

花の名山として余りにも有名なこの山であるが、関東に住んでいたときは余りにも遠い山であり、かつ手前にある北アルプスに興味が向いてしまう。関西に移り住んだ今、一度は、いや何度も訪れてみたい山となっていた。天候等の理由による何度かの計画断念の末に、ようやく向かった。

今回は砂防新道から登って、南竜ヶ馬場に泊まり、翌日に室堂経由で山頂を踏み、再び室堂を経由してから観光新道で下った。

***

砂防新道の登り始めにブナ林が現われる。しかし、工事の音が響いてくるせいかムードが感じられない。標準的な樹が多く、余り訴えるものは感じられなかった。

霧の中を登っていく。小雨も降ったりする天候の中を行けば、ようやく明るくなってきて甚ノ助避難小屋に出る。更に登ってから分岐を南竜へ。お花畑が出てくる。山小屋が見えてくるといい雰囲気。コバイケイソウが出てくる。まずまずの咲き具合で、開花前の株も結構ある。今年はどうやら当たり年のようである。

南竜山荘に荷物を置いて散策する。雪解け水が流れる沢のあたり、ハクサンコザクラが群落となって咲いていた。光の加減で撮影がうまくできていない。アオノツガザクラもあちこちに咲いていた。

登り始めのブナ林

南竜ヶ馬場が見えてきた

傾く陽射しに揺れるハクサンコザクラ

ハクサンコザクラ

アオノツガザクラ

ガスの中、雨が降り始めた。その中を出発。最初は稜線展望コースを行く予定だったが、この冴えない天候の中、トンビ岩コースに変更して黙々と登っていく。コバイケイソウが次々と現われる。傾斜がきつくなってトンビ岩。ここからはなだらかな道となり、ハイマツとハクサンシャクナゲの中を進む。大きな雪渓の末端を抜ければ、室堂に着いた。ここはまさに高山植物の楽園だった。コバイケイソウとミヤマクロユリに迎えられた。ただひとつ残念だったのは天候。雨は止んだがガスが流れている。

ここからは御前峰を目指して登り始める。お花畑が続く。ハクサンフウロとクルマユリが目立ってくる。さらにはイワギキョウとイワツメクサ。徐々に乾性の植物に変わって、あとは頂上目指してひたすら登り続けた。

山頂に着けば、雲の切れ間から、大汝峰と剣ヶ峰が見えた。しかし、雲の峰を完全に抜いたわけではなく、目の前をうごめく雲に遠望は遮られた。当てにしていた北アルプスの展望はお預けだ。振り返れば、室堂が流れる雲に見え隠れしていた。立山のミニチュア版といった趣きであった。

ミヤマクロユリ(室堂にて)

コバイケイソウ(室堂にて)

コメススキとイワツメクサ(御前峰)

ハクサンフウロとクルマユリ

周回ルートは時間の都合でパスし、室堂へと下る。室堂で一休みしたら、別当出合に向けて下る。木道が出てきたらエコーラインを分けて、やがて黒ボコ岩で観光新道に入る。

お花畑が続く。天候は再び悪くなってきた。下界は雲の中。ガスに霞んだお花畑が続く。イブキトラノオが多く、ニッコウキスゲも混じってくる。そのほかには、余りにも多いミヤマキンポウゲ、そしてその中にシナノキンバイ。ハクサンフウロやタカネナデシコなど、紫色の花も出てくる。

殿ヶ池避難小屋を過ぎてカッパを着用する。小雨が降っている。なおも続くお花畑。ニッコウキスゲが相変わらず多い。この頃から足の踏ん張りが効かなくなってくる。Mackeyも足に来ているようで、思ったようにペースが上がらない。それでもキヌガサソウやササユリが現われて慰められる。

ようやく稜線を外れて、別当出合へと急坂を下っていく。雨に濡れた岩で足元が滑りやすい。実に難儀した。樹林帯に入ってペースが更に落ちてきた。やがてブナ林の中を下る。こちらのブナ林は、砂防新道よりは雰囲気があった。標高差1,450mの下りで、すっかり膝がガクガクになりながら別当出合に下り立った。

観光新道のお花畑を下る

ハクサンタイゲキ

イブキトラノオ

キヌガサソウ

ササユリ

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初めての白山は天候には恵まれなかったものの、お花畑の素晴らしさは十二分に味わうことができた。それにしても体力の低下は目を覆うほどだった。やはり日頃の運動不足は下りに出ることを身にしみて感じた。

白山という山は、繰り返し登ることで、都度発見がある山のように思えた。大阪からだとやや遠いのが難点だが、こちらに住んでいる間しか行けない山なので、これからも足を運びたい。次回は、全国でも一級品のブナ林があるという、チブリ尾根を歩きたい。

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