奥日光(3回目)

3回目の奥日光で念願のスノーシューを履くことになりました。そして興味は、今まで歩いていない奥地へと向かいました。
鬱蒼とした森が突然開けて泉門池に出ました。池の奥には男体山。秘密の場所に来たかのような感覚になりました。

泉門池と男体山

@期間 2003/2/10〜11(1泊2日)
A同行者 Kt君
Bアプローチ 行き:東武日光駅より湯元温泉までバス

帰り:光徳温泉より東武日光駅までバス

Cルート 第1日:湯元ビジターセンター−湯元源泉−小峠−刈込湖−小峠−蓼ノ湖−湯元源泉−ビジターセンター

第2日:光徳温泉−光徳沼−光徳入口−小田代橋−泉門池−湯滝−光徳入口−光徳沼−光徳温泉

最高点:刈込湖手前の木階段上・標高約1720m,難易度:☆☆☆★★

D天候 第1日:晴のち曇

第2日:曇ときどき雨

E所要時間 第1日:約3時間半(歩行+休憩時間)

第2日:約4時間半(歩行+休憩時間)

Fポイント ・Kt君とは「クロカン友達」。恒例になりつつある奥日光を今年も目指します。それにしても仕事疲れで、ウトウトしているうちに東武日光駅に着いてしまいました。駅の外に出ると雪は残っていますが、前日の暖かい雨がこちらでも降ったようで、雪が融けた痕跡がありました。

・昼前に湯元温泉に着きました。今回は1泊というわけで、予約した宿で準備を済ませてから出発。ビジターセンターでスノーシューを借ります。陽射しがサンサンと降り注ぐ絶好の天気になりました。

・源泉でスノーシューを装着して登り始めます。初めてのスノーシュー。なんとなく重さを感じますが滑らない。違和感が消えて、安心して登って行けました。しかし、登りはやっぱり疲れます。

・金精道路を越えれば、樹林帯の斜面のトラバースが続きました。ここで疑えばよかったのですが、スノーシューのトレースがなく、あるのはXCスキーの跡だけ。コースには設定されているのに、片斜面が続いて歩きにくく、かなり踏ん張る所が多かったのです。

・やがて、左側の沢状の地形と合流。そのとき、左下にスノーシューで歩く人を見つけました。見ればあの、インドカレーに出てくる「ナン」の形をした(笑)、スノーシューの踏み跡がビッシリ着いていました。そうか、我々はXCスキーのルートを通ってきてしまったのか・・・

・そこから小峠に向けて急登がありました。雪がなければ大したことないのかもしれませんが、太腿とふくらはぎの筋肉をかなり使いました。ストックを借りて正解(^^;登りついた小峠でひと息入れました。青空がいい感じです。

・小峠から刈込湖へ向けて更に登って行きます。と、にわかに雲が流れてきて、空を覆い尽くしてしまいました。登りが終れば幅の広い平坦な道が続きます。このあたりはコメツガの樹林帯が広がり、降ったばかりのパウダースノーが枝に積もっていました。

・下り坂になって木の階段をいくつも過ぎて、ようやく待望の刈込湖に出ました。曇ってて寒いな〜。それでも、湖の向こうの太郎山に陽が当たっているのを眺めながら、ティータイムを楽しみました。誰もいませんが、広い雪原には「ナン」のようなスノーシューの跡がいっぱいありました。

・さてさて、時計を見ると思ったよりも時間が経過しています。ビジターセンターの返却時間が迫っているので、慌ただしく下山することになりました。結構焦ってきました。それが余計な力みになったりして、かなり体力を消耗しました。

・小峠からの下り道、Kt君が「飛び道具」を披露。シリセードです。これは速い。途中から今度はスノーシューのコースを下りて行きます。立ち木を避けながらのシリセードは快適でした。これで少しは時間を取り戻せたようです(^^;;

・窪地の底に出ると池が広がっていました。蓼ノ湖(たでのうみ)です。静寂に包まれた好ましい雰囲気の中で小休止してから、金精道路へ登り返して、源泉へと下りて行きました。返却時刻にも間に合いました。よかったよかった。

・湯元からバスで光徳温泉へ移動します。アストリアホテルでクロカンの板を借りて出発しました。曇り空、気温が高めです。

・光徳牧場、光徳沼を通り過ぎて逆川沿いのコースを行きます。ミズナラの見事な森が続く中を、スイスイと板を滑らせました。

・国道まで来て、逆川の凍結した水面を渡ってから橋をくぐりました。指導標に導かれて小田代ヶ原方面を目指すと、樹林帯が切れて戦場ヶ原の北端に出ました。一休みしてたら、クロカンの板を履いたスキーヤーが続々とやってきて、休憩をとりはじめました。写真を撮ったりしてたら、出発が彼らと一緒になってしまい、集団で滑るハメになりました。でも、みんな楽しそう。

・再び樹林帯に入って湯川が寄り添ってくるところで、泉門池へと向かいます。板を外して小田代橋を渡り、再び樹林帯の中を滑って行けば、広々としたベンチのある場所に出ました。泉門池です。ここから見た男体山が味わいがあって、秘密の場所を見つけたような気がしました。

・ここで昼食。団体さんもみな一緒で、賑やかな昼食になりました。彼らは小田代ヶ原を目指すといいます。昼食を終えて一足先に、我々は湯滝を目指して出発しました。

・密度の濃い、素晴らしいミズナラの森が広がっていました。ああ、こんな場所なら、時の経つのを忘れていつまでもいたいな・・・そう思いながら緩やかな起伏の中を、板を滑らせながら歩きました。

・やがて轟音が聞こえてきました。湯川沿いの道をなおも行けば、その正体が樹林の奥に現われました。約四半世紀ぶりの湯滝です。耳に届く音が、徐々に大きくなってきます。引き寄せられるようにして、たどり着きました。

・原始的な雰囲気の中をまっすぐにひたむきに流れ下る姿、それは子供心に脳裏に刻まれた姿そのものでした。あの時、水量が少なくて迫力に欠けた華厳の滝、滝にはどうしても見えなかった竜頭の滝よりも、この湯滝が最も気に入ったことを思い出しました。自分の腕ではどうにもならないけど、鼓膜を震わせる音までも写真に入れ込めたらと思うほどに、シャッターを切り続けました。(Kt君はデジカメのビデオ機能を利用して撮影していました)

・さあ!時間が余りありません。アストリアホテルの最終バスに乗るためには、しかもその前に温泉に入っておくためには、急ぐ必要があります。道路沿いのコースを板を懸命に滑らせながら緩く下って行きます。

・やがて、戦場ヶ原への分岐を過ぎて、国道の橋をくぐり、来た道を光徳温泉へと滑ります。この日は時折小雨が降ったりしていましたが、光徳牧場から見上げる大真名子山が中腹から上で白く雪化粧していました。

・アストリアホテルに戻ってきました。お約束の温泉です。熱いお湯に硫黄の匂い、これが相変わらずいいですね。露天風呂でスウェーデン人が話しかけてきて、話が長くなってしまい、大慌てでバスに乗り込みました。いろは坂を下っているうちに霧の中に入ってしまい、バスを降りたら日光の街並みは霧雨に霞んでいました。

G総括 ・初体験のスノーシューは、標高差200m強の登りがあってかなり疲れました。足を広げて歩くのも少し違和感がありました。でも、これからも、クロカンで行けないエリアを中心に歩いてみたいと思いました。

・泉門池から湯滝にかけての鬱蒼とした森もまた印象に残りました。今回は特に2日目が陽射しに恵まれませんでしたが、森の中を滑るのはクロカンスキーの醍醐味です。

・湯元周辺にもまだまだ踏んでいないエリアがあるし、泉門池から小田代ヶ原方面も歩いてみたい。奥日光はまだまだ楽しめそうです。いつか雪のない時期にも歩いてみないとね・・・

H気付事項 ・刈込湖への道はトレースがバッチリついていました。しかし、大量の降雪直後は隠されているかもしれません。小峠から先は所々で直角に折れる地点があるため、要注意です。コメツガの森は見通しも利かないので、コンパスも必携です。また、金精道路を渡ってから小峠までのトラバースは、雪崩がないともいえません。

・湯元のビジターセンターのURLは下記の通りです。開館時間やレンタル料金等のご参考に・・・
http://www.bes.or.jp/nikko/vc/

・湯元から湯滝へは、XCスキーのコースがないそうです。ビジターセンターで得た情報です。湯滝までXCスキーで行く場合は、光徳から行くことになります。

・泉門池から湯滝へと行く道は指導標に従って進みましたが、途中から外していたかもしれません。その中で、トレースの最も明瞭なルートを辿りましたが、湯滝が近づいてから再び指導標が現われてきました。奥日光は比較的雪が少ないので、夏道に従うことが重要なのですが、この点は反省しなければなりません。

(*)印は同行者の撮影

硫黄臭漂う源泉。遠く仰ぐ金精山の白さが目にまぶしかった。

湯元の源泉と金精山

不思議な感じのする鞍部でした。空が青かった。

小峠まで登ってひと息(*)

刈込湖から望遠で太郎山をとらえました。

刈込湖にて太郎山を眺める

光徳沼から光徳入口までの逆川沿いの道はミズナラの大木が見事でした。

好ましいミズナラの林間コース

戦場ヶ原に出て視界が開けたので、一休みしました。

戦場ヶ原の北側を行く

板を外して小田代橋で湯川を渡り、泉門池へと向かいます。

小田代橋を渡って泉門池へ(*)

深い樹林を北上し、湯川沿いを歩くようになると、轟音が響いてきました。行く手に湯滝が目に入りました。

湯川沿いの樹林帯(*)

湯滝の力強く実直に流れ落ちる姿に惹かれました。

力強く流れ落ちる湯滝

 

 


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